小泉今日子と豊原功補は日本映画界に革命を起こすか 「ただの不倫」「献身愛」に収まらない展望

wezzy / 2019年8月8日 6時5分

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 小泉今日子(53)があの素晴らしき豪邸を売りにだしたそうだ。あの豪邸、と書いてはみたが、実際に筆者がそこを訪れたことはもちろんない。だが、3年前に50歳を迎えたことを記念して「MEKURU」(株式会社ギャンビット)という雑誌が小泉の特集を組んでおり、そこで小泉邸の様子が何枚か写真に収められていた。雑誌の表紙は、ひとめで高級だろうとわかる自宅リビングの大きなソファにゆったりとした様子で肩肘をつき、くつろぐ小泉の写真。部屋にふりそそぐ自然光はおだやかで、広々として居心地が良さそうな住まいであることが特集内のいくつかの写真だけでも充分に見て取れたものだ。あの雑誌で見た小泉今日子という人の生き様は、まさに<人生の成功者>以外の何者でもなかったように思えた。だがあれから3年後……彼女はあのマンションを手放すという。それは恋人である俳優の豊原功補と、そしてふたりの夢のためだそうだ。そう報じたのは8月6日発売の「女性自身」(光文社)である。

 小泉今日子は、2018年2月にデビューから長年所属していた大手芸能事務所バーニングから独立。同じころ妻子のある豊原功補(53)との恋愛関係を公表し、豊原は小泉との関係を説明する<不倫会見>を開いた。現在、小泉は女優業を休業中で(2年間という期間限定休業である)、いまはもっぱら恋人である豊原と共に舞台制作と上演、そして映画制作に携わっている。女優から芸能事業の裏方となった小泉の変化は、これまでも度々、週刊誌の記事になった。自分で車を運転し、豊原を送迎。企画制作した舞台のロビーに立ち、観客の送り出しをする。稽古場の掃除をかってでているなどなど……。ネット上ではそんな小泉のことを「男に翻弄されてダメになった」「あんなにカッコよかったのに見る影もない」「落ちぶれた」など<残念な女>になったと揶揄する声が多い。

 そんな小泉が売却金額3億円でマンションを売った。それは豊原と共につくる映画のためだったという。豊原功補、小泉今日子、外山文治監督らは映画制作のために「新世界合同会社」を立ち上げ、その第1回プロデュースとなる映画『ソワレ』は2020年の全国公開が決まっている。「女性自身」の記事では、映画関係者からとして「制作費用は少なくとも1~2千万円はかかるのではないでしょうか」とのコメントを掲載している。映画というものは創るのに莫大なお金がかかり、それでいてその費用が回収されるかどうかなんの保障もないシロモノである。それでも「創りたい」と考える人が後を絶たない。言うなればまるで魔物のような存在なのである。小泉と豊原はついに手と手を取り合いその世界に飛び込んでいったようだ。

 小泉との不倫愛宣言以前の豊原は、主演でこそないものの、長年途切れることなくドラマや映画に出演し続けていた。それが小泉の一件以来、オファーが激減。いまはパタリとその姿をテレビ画面で見ることがなくなってしまった。小泉と豊原の恋愛事情を書いたインターネット記事は、どれも必ず多くのコメントがつく。そのほとんどが「不倫しといて、大きな顔をするな」「この2人のことは記事にしないでほしい」など、2人の行動を全否定するものだ。たしかにこの状態では豊原を起用しようと考えるテレビ局はないだろう。

 その結果、豊原は金銭的に困窮しており、それを支えているのが小泉というわけだが、彼女も現在休業中である。今の世論から考えると、休業が終わっても以前のように小泉を起用したいという企業やテレビ局は少なくなるかもしれない。そんな状態であったとしても、豊原の、いや2人の夢を追い続けるために持っているものを惜しみなく手放したということなのだろうか。

芸能界の圧力に俳優、女優たちは怯えている?

 だが50歳を過ぎて、体制のしがらみを取っ払い、夢を追えるというのもなかなか素敵なことではないか。テレビで「干されている」状態といわれる豊原だが、7月末、経済誌「Forbes JAPAN」のインタビューが公開された。インタビューには豊原と小泉が共に応じており、映画制作や芸能界の変化について熱く語っている。

 たとえば豊原のこんな発言がある。

<いま、俳優がSNSを通じて政治的発言をすると批判されたり、炎上したりする。何かぼやっと見えない圧力と言いますか、見えない中での自分の勝手な思い。また「こうじゃなきゃいけないのかな」「この人はこういうことを望んでいるのかな」というのを勝手に推し量って、小さな世界で閉じこもってしまっている>

 また、「俳優、女優たちは少しずつ窮屈な思いを強いられてるんじゃないか?」の問いに、豊原は「恐れているんですよね。仕事を失うことに対して。俳優や映像作家が、そもそも仕事を失う観点を持ってキャリアをスタートしていない」「テレビに出られなくなる、CMに起用されなくなる、生活ができなくなる、映画が撮れなくなる。無言の圧力をみんな勝手に自分の中で感じてしまっているわけです。自分自身もそういう思いをすることはあるんですが」と、俳優たちの思いを代弁している。

 小泉との不倫を公にした会見での態度が「不遜」だとバッシングされ、現在では「小泉のヒモ」としてネット上では冷笑の対象となっている豊原だが、上記の発言はなかなかに興味深い。吉本の芸人闇営業から端を発した、芸人との契約問題。「新しい地図」メンバーが地上波に出られないように圧力をかけた、と公正取引委員会から注意を受けたジャニーズ事務所。事務所移籍をきっかけに、本名を名乗れなくなったのんこと能年玲奈。政治的発言を自身のツイッターで発信したことで、バッシングを受けた俳優の古舘寛治の反論。このところ、いままで「当たり前」とされてきた芸能界のやり方やタブーが、大きく揺らぎ始めている。そんな今だからこそ、豊原が芸能界の現状をこうして発信することは、決して間違っているとは言えないだろう。

 前述のように、映画を撮り、宣伝し、公開するまでには莫大な金がかかる。役者はただ演技に集中すればいいわけではなく、数々のバラエティ番組に出て笑いを取ったりもしなければいけなくなっている。昨年9月放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)において安藤政信は、日本の映画界で「撮影してから番宣」というシステムが確立していることがつらいと語り、山田孝之も「なんでこんなことしなきゃいけないんだろうって。映画の宣伝活動とか、もうどんどん消費されていって」と同調して嘆いていた。



 小泉今日子は芸能界の力学の頂点であるバーニングに所属してきたが、あえて独立しフリーになることで、見えてきたものがあるのだろう。全面的に豊原に同意し、心から彼を信頼、尊敬している様子だった。

<昔がすべて良かったわけではないですが、失われつつある精神を取り戻したい。例えば、私たちが若い頃、監督にすごく叱られたりしたことがたくさんありました。ただ、なぜ叱られているのか。その理由は納得できて、実際に現場が終わった後、確実に自分の演技が成長したと実感できた>

<そういう的確な指導、アドバイスができる大人は昔たくさんいたのですが、今はすごく少ない。豊原氏の演出で舞台のプロデュースを3本ほどやらせてもらったのですが、俳優としてのキャリアが長いので的確にアドバイスが出来る。時には檄を飛ばすこともありますが、彼らはついてくるし、言われること自体がすごく嬉しいと感じているように思えます>

 恋愛感情だけで一緒にいるわけではなく、同じ仕事をしているからこそ豊原功補という男性の仕事ぶりに共感し、惹かれたようだ。

 小泉がマンションを売ってまで「撮りたい」と願った映画は、どんな作品なのだろうか。2020年、映画の公開と共に小泉の休業期間も終わる。二人は、二人だけの閉じた世界のために一緒にいるわけではなく、今の映画界・芸能界を変えていきたいと孤軍奮闘しているわけだが、2020年以降も長い闘いを続けていくことになるのだろう。

(エリザベス松本)

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