『愛の不時着』カップルの熱愛スクープした韓国メディア「ディスパッチ」に廃刊求める批判が勃発した理由

wezzy / 2021年1月12日 10時0分

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 2021年1月1日、『愛の不時着』出演により日本でも大ブレイクしたヒョンビンとソン・イェジンの交際が報じられた。

 『愛の不時着』で、ヒョンビンは北朝鮮の将校リ・ジョンヒョクを、ソン・イェジンは不慮の事故で北朝鮮に不時着する韓国の財閥令嬢ユン・セリを演じている。ドラマの中でふたりは恋に落ちるが、フィクションが現実となったスター同士の熱愛にドラマファンからは祝福の声が上がっている。

 ふたりは2018年に映画『ザ・ネゴシエーション』で共演したことをきっかけに、たびたび交際報道が出ていたが、両所属事務所は報道を否定し続けていた。しかし、今回は双方の事務所が報道を認め、「温かく見守りながら応援してほしい」といったコメントを出している。

 ヒョンビンとソン・イェジンの交際を報じたのは、「Dispatch」(ディスパッチ)という韓国の芸能専門インターネットメディア。2010年設立と歴史は浅いが、綿密な取材に基づいて報道することを指針としており、信頼を置く読者も多い。

 「ディスパッチ」は元日にビッグカップルの熱愛を報じるのが恒例行事で、これまで、2013年にはピ(Rain)とキム・テヒ(その後2017年に結婚)、2014年にイ・スンギとユナ(少女時代)、2015年にイ・ジョンジェとイム・セリョン、2016年にジュンス(元東方神起)とハニ(元EXID)、2018年にG-DRAGON(BIGBANG)とジュヨン(元AFTERSCHOOL)、2019年にカイ(EXO)とジェニー(BLACKPINK)といったカップルの交際が写真付きで報道されてきた。

 こうした元日のスクープを日本では「週刊文春」(文藝春秋)の“文春砲”になぞらえて“ディスパッチ砲”と呼び、怖さ半分、好奇心半分で楽しみにしている人も多い。

 毎年12月になると、インターネット上では次のディスパッチ砲を予想する声が飛び交う。2019年にはナヨン(TWICE)とミンギュ(SEVENTEEN)がディスパッチ砲の餌食になるのではないかとSNSで話題になったことも記憶に新しい(結局2020年元旦のディスパッチ砲はなかった)。

大統領府に「ディスパッチ」廃刊を求める請願も

 しかし、韓国国内では「ディスパッチ」の報道内容に対して否定的な意見が出始めているという。

 今回の『愛の不時着』カップルの熱愛報道でも「ディスパッチのせいで今後のふたりの共演がなくなった」との怒りの声が出ている。

 2019年にカイとジェニーの交際が報道された直後には、特に否定的な反応が大きかった。K-POPを代表するグループの人気メンバー同士が交際しているという報道の影響力は大きく、彼らの私生活を暴いた「ディスパッチ」に批判が殺到したのだ。

 国民が政府に対する要望や苦情を書き込むためにつくられた韓国大統領府公式サイトの「国民請願掲示板」には、「知る権利を理由にプライバシー侵害と盗撮を行っている」との理由から「ディスパッチ」廃刊を求める請願が出された。

 芸能人にもプライベートがあり、私生活を追って記事にする行為は人権の侵害であるとする意見は韓国国内で多い。

 その背景には、有名芸能人がネット上の誹謗中傷によって精神的な健康を損なうことが社会問題化している状況がある。自ら命を絶った芸能人もいる。韓国ではそうした構造を指す「指殺人」との言葉があるほどだ。

 韓国芸能界ではここ数年だけでも、ク・ハラさん(元KARA)、元f(x)のソルリさん、お笑い芸人のパク・チソンさん、女優のオ・インヘさんといったスターが悲しい最期を迎えている。

 芸能人を極端な行動に駆り立てるほどの誹謗中傷を生むきっかけのひとつに、プライバシーを暴く芸能スクープがあるのは間違いない。

日本も無関係ではない

 こうした状況は日本も同じである。

 2020年には、『テラスハウスTOKYO 2019-2020』(Netflix、フジテレビ系)出演者の木村花さんがネット上の誹謗中傷を苦に命を絶ったことが社会問題化した。

 昨年は不倫報道も相変わらず多かったが、著名人のプライバシーを暴く報道とそれに伴うネットバッシングは日本でも凄まじいものがある。

 芸能界のスキャンダルはとかく当事者へのバッシングが過熱しがちである。この状況に私たちはどう向き合うべきか──隣国の様子から学ぶべきこともあるのではないか。

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