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辻希美と紗栄子がネットでめちゃくちゃに叩かれた時代の終わり〜「ママタレ」とはなんだったのか

wezzy / 2021年3月28日 14時0分

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 筆者は本サイトの前身である『messy』から、ブログやSNSを通してママタレ、つまり「ママであることを付加価値にして仕事をしている女性タレント」たちのありようを眺めてきた。十年一昔というように、2010年代と2021年現在ではママタレを取り巻く環境は大きく変化している。

 かつては“ネット炎上の代名詞”として注目を集めていたママタレたちだが、最近では滅多に炎上の火元にもならなくなってきた。アメブロからインスタ、さらにYouTubeへ……とSNSも多様化し、各々が自分の魅力を最も的確に伝えられる術を熟知し、発信するようになっている。そこにはたくさんの小さなコミュニティがある。ママタレが炎上しなくなった今、改めて「ママタレとは何だったのか」を振り返りたい。

ジャッジされる「ママタレ」

 2010年代前半、ママタレは常に“ジャッジの対象”だった。アメブロに手作りの食事をアップすれば、そのメニューや出来栄え、テーブルコーディネートに至るまで、ネット上では厳しい批判にさらされた。直接、ブログのコメント欄に文句を書き連ねるネットユーザーもいた。ナンバーワン炎上クイーンと名高かったのは、なんといっても辻希美だが、彼女については最後に記したい。

 そのころのママタレたちは、部屋の片付けが得意ではないなど、不得意な家事があるだけでも叩かれた。現在は二児の母となった安田美沙子だが、デザイナーの下鳥直之氏と結婚を発表した2014年当時は、それまで彼女が片付け下手を公言していたために、ネット上には「すぐ離婚しそう」など“心配”の声があがっていた。

 2018年、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で安田の第一子出産時の様子が放送されると、自宅の様子を見た一部の視聴者が「子どもが産まれたのに不衛生」と批判。だが一方で、彼女の妊娠中に夫が不倫していることが発覚すると、「家が汚いからだ」などとなじる声はさすがになく、同情の声が寄せられた。ゲス不倫ブームで、不倫=絶対悪という図式が出来つつある頃だった。

 すでに引退した女優の江角マキコも、一時期はママタレの側面を強めていた。というか、プライベートをややあけすけにするママタレ化したがために引退へつながってしまったのかもしれない。江角は2014年に所属事務所を退社し、個人事務所での新スタートを切ったタイミングでアメブロを開設。“2人の子を育てる主婦”としての側面を存分にアピールするようになったのだ。

<主婦の毎日は大変です!誰に褒められるわけでもなく、家族のために、自分のことは二の次で、黙々と同じ毎日を繰り返す、、、洗濯、掃除、買い出し、ご飯、、、愛がなければできないでしょう(キラキラ)愛のなせる業そのものなのです(はぁと)(中略)たくさん考えるからこそ、泣くほど嬉しかったり、がんばったからこそ、絆になったり、、、(キラキラ)全て、意味があることなんですね>(アメブロ2014年8月4日更新記事「意味のあること」より)

 江角は、このブログ内で“ママ友いじめ”の被害に遭っていることを告白。しかしすぐさま相手方のママ友らが週刊誌上で反論した。さらには家族ぐるみの付き合いをしていた長嶋一茂に対して“器物破損”の犯罪行為をはたらいていたことが暴かれてしまう。

 当時の報道によれば、互いの長男・長女が幼稚園からの同級生だったことから両家は親交が深かったが、なんらかの確執が生じ、江角が当時所属していた事務所のマネージャーに命じて、長嶋家の壁やガレージに、「バカ」「アホ」「バカ息子」などといった誹謗中傷をスプレーで書かせたのだという。江角のイメージはママタレとしても女優としても再起不能なほど傷ついた。そうして彼女は、2017年に芸能界を引退している。

くわばたりえの「私が言わなあかんねん!」状態

 料理が変、母親としてふさわしくない振る舞いだ、ブログの記述に問題が……など様々な理由で炎上する(させられる)ママタレたち。常連枠の一人は、レイザーラモンHGの妻・住谷杏奈だった。

 彼女が常連入りしたきっかけは、『バターロール事件』。2008年、住谷がブログにアップしたバターロールの写真に端を発したものだ。全て手作りだと記事に書いていたが、写真はどこからどうみても市販のロールパン。ネットにはこれに疑惑を向ける声が集まり一気にアンチが誕生したのである。

 時は流れ、『バターロール事件』は新展開を見せた。2017年、住谷は当時の疑惑について言及し、自ら「市販のものだった」と“自白”したのである。現在の彼女は炎上とは程遠い存在となっている。



 お笑いコンビ・クワバタオハラのくわばたりえは2016年まで『すくすく子育て』(NHK)の司会を4年間務めていた。3児の母となった彼女は芸人としての仕事はほぼしなくなり、ママタレとしての活動が多くなっていた。

 『すくすく子育て』では度々涙を見せ、同じ境遇の母親たちからの共感をさらっていた。次第に朝の情報番組にもよく登場するようになる。だが、そこでの発言や態度はたびたび物議を醸し、ネットニュースに取り上げられた。炎上である。

 一例が、2017年の『あさイチ!』(NHK)だ。『大丈夫?家族から見た“働き方”』がテーマの回、長時間労働で帰宅が遅くなる夫についてのVTRが流れたのち、くわばたは「みんなでご飯を食べて、お風呂に入りたいんだもん……」と泣きながらコメント。くわばたはテレビ番組でよく泣くので、珍しいことではなかったが、このときは「それができない家庭が大半」など批判を浴びた。

 ブログでも、“母親から見た安全・安心”を求めるゆえの発言が炎上の火種になった。いつしか「私が言わなあかんねん!」状態に陥ったのだ。果てはブログでEM菌を推すほどに……。現在もくわばたは、アメブロを精力的に更新しているが、トップページには『ママの涙』『あなたが生まれてから』など自著の宣伝バナーリンクがずらりとならび、記事を読むまでにページを長々とスクロールさせなければならない。時代の流れに乗りYouTubeチャンネルも開設、料理動画などをアップしている。

 伝説の大家族バラエティ『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)でダディの再婚相手として彗星のように現れ、ビッグダディファンたちの心を鷲掴みにした美奈子は、ダディとの離婚や番組終了を経てママタレに転身した。だが『ビッグダディ』で見せた魅力は番組側の演出による部分も大きかったのか、番組終了によって注目度は徐々に低下。ところが2015年に元プロレスラーの佐々木義人と結婚し、夫婦と8人の子供に密着した『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)が放送されると、再び脚光を浴びた。彼女はバラエティ番組などではなく、密着番組でこそ輝くのかもしれない。ちなみに美奈子のLINE BLOGは全く飾り気がない。遠く離れた友達に送るLINEのごとく、日常感が溢れている。今では炎上とも無縁である。

紗栄子と辻希美の特異性

 いつまでも振り返ってしまいそうだが、炎上に晒されながらも一貫したスタンスでいまも輝き続けるママタレの筆頭は、やはり紗栄子、そして不動の炎上クイーンとしてアメブロ殿堂入りした辻希美だろう。二人とも今まだ33〜34歳と若く、20代のうちに燃やされ尽くした感がある。

 紗栄子は世の妬み嫉みを一身に受けた存在ともいえる。ダルビッシュ有との離婚時、多額の養育費を受け取るのではという報道がしきりになされたことから一気にネットの嫌われ者に。だが彼女が挫けることはなかった。ファッション誌に登場するや「憧れのファッショニスタ」の代名詞になり、資産家と浮名を流すなどその勢いは全く衰えない。やはり彼女も現在は、炎上ネタがネットニュースになることはほとんどない。

 辻希美は、言うならば“お前ごときに母親が務まるのか”という日本中の小姑目線を一気に集めた存在であろう。料理にメイク、子育て方法、すべてが揚げ足取りの対象となり、あらゆるブログ投稿が炎上の火種となった。かつては食卓にウインナーが多く登場することで炎上していたから、その異様さは推して知るべしである。

 しかし2021年現在でも彼女のブログ投稿を“炎上”ネタとしてネットニュースにしているのはデイリーニュースオンラインぐらいであり、そこが“批判殺到”としている根拠はママスタのアンチスレである。もはやアンチコメも自前なのではないかと疑うほどのエコシステムが出来上がっている。

 振り返れば、異様な時代だった。「ママタレ」たちのやることなすこと、全てに「批判殺到」し、ネットは毎日がお祭り騒ぎだった。あの喧騒はもうない。むしろ、「ポテトサラダは手作りしなさい」と注意するような輩こそ、炎上する。緩やかにではあったが、価値観は反転しているのではないかと筆者は見る。ママタレたちの幸せを願いつつ、ウォッチャー業務もひと段落としたい。

(ブログウォッチャー京子)

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