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命に感謝して自分を省みる。「お盆」と「精進料理」のこと

Woman.excite / 2015年8月12日 12時0分

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© sakikimi-Fotolia.com

東京都心や一部の地域では7月にお盆を行いますが、多くの地域では旧暦7月15日(8月)に行います。仏様が帰ってくる期間は、肉や魚を使わずに野菜や果物、海藻などを使った精進料理をいただくのが日本の習わしです。

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忙しくて精進料理だなんて…という方でも気軽にトライできる「ひじき煮」のレシピを、お盆の基礎知識とともにご紹介します。

知っていますか?「お盆」の意味
お盆は「盂蘭盆会」という言葉からきています。これはサンスクリット語「ウラバンナ」から来ていて、逆さ吊りのことを言いました。自分の亡き母が逆さ吊りにされて苦しんでいる夢をみたお釈迦様の内弟子の一人が、どうしたら供養ができるかと、お釈迦様に相談したところ、お供えをして神様に祈りなさい、ととかれたことから現在の行事となっていきます。

© kyonnta-Fotolia.com

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この盂蘭盆と先祖崇拝が融合したものが、現在のお盆の形となったと言われています。先祖や故人を偲び、今ある自分を省みることが根幹にある考え方です。

旬の野菜、きゅうりとなすで作るお盆飾り。お迎えの時は、少しでも早く来られるようにと「きゅうりの馬」を、お送りの時はゆっくりとお帰りいただけるように「なすの牛」にお乗せする、という意味があります。

旬の野菜、きゅうりとなすで作るお盆飾り。お迎えの時は、少しでも早く来られるようにと「きゅうりの馬」を、お送りの時はゆっくりとお帰りいただけるように「なすの牛」にお乗せする、という意味があります。



お盆には、一汁五菜の形式の「精進料理」を
お盆は13日から16日までの4日間をいい、13日には迎え火をしてご先祖様をお迎えし、16日には送り火を炊いてお帰りいただきます。この期間には「桃、スモモ、杏、ナツメ、栗」を供えて、身を清めてお迎えし、仏様の帰ってくる期間は殺生をせず精進料理をいただくのが昔からのならわしです。お供えのお膳には「九重椀」という漆器を使います。

© kogamomama-Fotolia.com

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精進料理といっても難しく捉える必要はありません。肉や魚を使わずに野菜や、果物、海草などを使う料理でよいのです。仏教が伝わる以前の神道においても、精進料理のような考え方はありましたが、現在の形式は鎌倉時代の禅宗で確立し一汁五菜の形式となったようです。

五味、五色、五法を用い、素材を使いきること
精進料理では、五味(甘い、酢っぱい、苦い、辛い、塩辛い) 、五色(赤、緑、黄、黒、白) 、 五法(煮る、焼く、蒸す、揚げる、生) を用い、素材は余すとことなく使い切ることが大切です。

©to35ke75,©sasaken,©jun.SU.,©michiko626 - Fotolia.com

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曹洞宗の開祖である道元禅師が記した「典座教訓」という精進料理の教科書には、「喜心、大心、老心」の三つの心が要であると説かれています。喜んで料理をし、細やかな心配りをもち(老心)、バランスを考えて冷静に(大心)料理をする、ということです。

簡単な精進料理でお盆を過ごす
精進料理の技法や食材は、庶民の食事にも影響を与え成長しました。ふだんみなさんが食べている、蒟蒻や高野豆腐、ひじきも、精進料理の材料のひとつであったと考えられています。

©sasaken - Fotolia.com

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では、蒟蒻とひじきを使ったかんたん精進料理のひとつ「ひじき煮」のレシピをご紹介します。


手軽に作れる「ひじき煮」レシピ


<材料>
・ひじき …30g
・人参  …4cm分
・油揚げ …1枚
・蒟蒻  …1/2丁
・枝豆  …ゆでてむいたもの(好みで)
・水   …150cc
・砂糖  …大さじ2
・酒   …大さじ1
・醤油  …大さじ2と1/2
・ごま油 …大さじ1と1/2

<作り方>
1.ひじきは水でさっと洗い、5倍のぬるま湯で30分ほどもどし、ざるにあげておく。

2.油揚げは熱湯でさっと茹でて油をおとし、5mm幅に切る。人参、蒟蒻は2cm長さの拍子木きりにする。枝豆は皮をむいてさやから出しておく。

3.鍋に油を熱し、蒟蒻、人参、ひじき、油揚げの順で、しっかり炒める。

4.水を加えて中火で煮る。砂糖、酒、醤油の順で調味料を加えていき、その都度水分がなくなるくらいまで炒める。

お盆だからといって、正式な形の精進料理を作るのは大変かもしれませんが、ほんの少しの工夫で精進料理にすることができます。命に感謝して、自分を省みるよい機会かもしれませんね。
(hana(ウスイハナコ))

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