子どもによるスマホトラブル、親はどう向き合う?
Woman.excite / 2015年8月12日 5時15分
いまやスマホは生活において欠かせない存在。子どもにとっても、家族との連絡手段だけでなく、友だちとのメールやSNS、ゲームや勉強などにも使用する、必須の存在になりました。なんと、子どものスマートフォン所持率は、58.4%(満10歳から満17歳までの青少年・保護者を対象とした内閣府平成25年度調査より)にも上っています。
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多くの子どもがスマホに触れる時代になり、それと同時に、スマホにまつわる危険に巻き込まれることもしばしば。どんなことに気をつければよいのでしょうか。
子どもにスマホを持たせることにより生じる危険
最近では、いじめの原因がSNSの投稿だった、などというニュースを見かけます。子どものスマホ利用によるトラブルはいまや社会問題となっています。
<いじめ>
子どもがクラスメイトの悪口や動画をインターネットサイトやSNSに投稿していじめに発展したケースがあります。悪質な場合は、名誉棄損などの罪に問われることもあります。
<ゲーム課金>
有料アプリや無料アプリ内課金等に熱中し、親に無断で高額の課金をしていたなどのケースも問題になっています。
<デジタル万引き>
本屋やコンビニの雑誌をスマホの写真撮影機能で撮影し、サイトにアップしたり友人に拡散したりすると著作権法違反、公衆送信権の侵害となり、損害賠償請求の対象となることもあります。
<インターネットコミュニティの危険>
出会い系サイトやSNSを経由して見知らぬ人に会い、犯罪に巻き込まれるケースがあります。そのほか、アダルトサイトや違法サイトなどを閲覧し、不正なバナーを踏んで身に覚えのない高額の請求をされることもあります。
そのほか、スマホの長時間利用による寝不足・集中力の低下等、ブルーライトによる影響の危険は大人も子どもも同じです。
子どもが勝手にアプリで課金をしてしまった場合取り消せるのか?
子どもたちも大好きなゲーム。熱中しすぎて気がつくとゲームに課金を繰り返し、請求金額が膨らんでいて、親が驚くケースがあります。では、子どもが勝手にアプリ内課金した高額請求は取り消せるのでしょうか?
法律上、未成年者が契約した場合、後から取り消せる場合があります(民法第5条1項2項)。
どんなケースであれば取り消せるのかというと、
親の承諾を得ていない
課金等の金額が子どもの通常払える範囲を大きく超えている
契約時に年齢などを偽っていないこと
以上の3つが必要となります。
ゲームアプリのなかには、事前に本人の年齢を確認していたり、一定年齢以下の場合には課金に上限があったりするものもあります。もし子どもが年齢を偽ってゲームをしたり、課金していたりした場合、年齢の詐術があった(民法21条)ということになり、取り消せない可能性があるのです。
ゲームをさせる時には、課金していないか確認する、年齢制限のあるアプリではないか確認するなどの親の監督が必要です。取り消すことができない課金の代償は親の責任となって支払い義務が生じてしまいますので注意しましょう。
年齢制限のあるサイトの閲覧やアプリをダウンロードしてしまったら罪になるのか?
年齢制限のあるサイトやアプリは、閲覧しただけでは、基本的には子どもが罪に問われることはありません。しかし、このようなサイトやアプリは通常、有料であったり、本格的に利用するには課金する必要があったりする場合が多いのです。課金の際には改めて年齢を問われないため、課金への障壁が少ないという問題があります。
課金した場合に取り消しができるのかについては、先ほど述べたとおりです。サイトの閲覧やアプリをダウンロードする際、年齢を問われているならば、閲覧・ダウンロードの時点で子どもが年齢を偽ったことになり、取り消しは難しくなります。
子どもに対しては、このようなサイトやアプリの危険性について伝えておくことが重要です。
子どもにスマホを自由使わせない方法は?
<チャイルドロックアプリを活用>
子どもがまだ小さいなど、子どもにスマホを持たせていない場合、子どもは親のスマホを使って遊びたがります。ゲームをさせるのはいいけど、他の部分は触らせたくない。そんなときには、チャイルドロックというアプリを使ってみてはいかがでしょうか。
これは、親の指定したアプリ以外にロックをかけるというもので、特定のアプリを選んで登録すれば、特定のアプリしか表示されなくなり、電話帳やメールなどのアプリが起動できないので安心。無料のものや、ロックのレベルを選べるものもあるようです。これを使えば、「子どもが勝手に有料バナーを押していた」などの事態を防ぐことができますね。
<子ども向けスマホにする>
子どもにスマホを持たせるとき、深夜まで眠らない、有料アプリやアプリ内課金、アダルトサイトのトラブルなど、心配がつきませんよね。
では、子ども向けスマホにしてみてはいかがでしょうか。
今では、多くのキャリアから、子ども向けスマホが発売されています。スマホに必要な機能は備えつつ、利用時間制限、アプリ制限、ウイルス対策、居場所検索機能、なかにはブルーライト保護機能や、不適切な文字入力に反応して警告してくれる機能までついているスマホも出ています。ジュニア料金で月々の利用料が抑えられるのも、お財布に優しいところ。子どもにスマホを持たせるなら、ぜひ検討してみてください。
子どものスマホ利用に関する危険について色々と解説しましたが、スマホが便利なのも事実です。家族といつでも連絡が取れたり、友人関係を円滑にしたり、楽しく勉強することだって出来るかもしれません。子どもにスマホを持たせる場合には、正しい使用方法をきちんと伝えていくことが大切ですね。
あとがき
仕事ではスマホを使っていますが、実はプライベートで使っているのは、ガラケーです。最近どんどんガラケー向けのサービスが減ってきて、見られないサイトも増えてきました。
わが家はまだ子どもが小さいので、携帯は先のことですが、もし子どもにスマホを与えるのであれば、先に自分の携帯をスマホに替えなきゃいけないかなと思っています。危険性に注意!と言ったって、きちんと自分が使い方を知らなきゃ、教えようがないですもんね。
・協力:アディーレ法律事務所
(ライター:島田さくら<アディーレ法律事務所>)
(島田 さくら)
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