自分の責任で自由に遊ぶ 「プレーパーク」ってどんなところ?
Woman.excite / 2015年8月17日 5時15分
![自分の責任で自由に遊ぶ 「プレーパーク」ってどんなところ?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/womanexcite/womanexcite_E1439451013156_0-small.jpg)
「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに掲げる「プレーパーク」という遊び場を、ご存知ですか? 「冒険遊び場」とも呼ばれ、禁止や制約を書いた看板のない、子どもがさまざまなことに挑戦し、冒険できる遊び場のことです。
子どもたちが自由に生き生きと遊べる場所を
東京都世田谷区にある羽根木公園の一角に、全国で初めての常設の冒険遊び場、「羽根木プレーパーク」ができたのは1979年。「子どもたちが自由に生き生きと遊べる場所がほしい」と願うお父さんやお母さんたちが、世田谷区に働きかけて始まりました。
住民たちが運営するこの遊び場は、今では0歳から中高生までの子どもたちを中心に、年間およそ12万人が訪れる人気スポットです。
誰でも遊ぶことができますが、ここにはカラフルなアスレチックや砂場はありません。緩やかな斜面に大きな木々が木陰をつくり、むき出しの土の地面は穴ぼこだらけ。廃材で作られたような木製の滑り台やロープ製のぶらんこ、手作りのウォータースライダー、ぱっと見ただけでは遊び方のわからない木造建築物がぽこぽこと立っています。
かまどを作って火をおこして煮炊きをしたり、とんかちやのこぎりで木工に挑戦したり、木登りだって禁止されていません。
取り除くのは子どもが予測できない危険だけ
一見すると子どもには危険だらけ、と思われるかもしれません。プレーパークでは、子どもがやりたいことに挑戦できる環境を守るために、危険をすべて取り除くのではなく、「子どもが予測できない危険だけを取り除こう」という考え方をしています。
手作りの遊具の劣化や整備不良、釘やガラスの破片などの危険は子どもが予測できないものとして、できるだけ取り除かれますが、地面の凹凸は子どもが自分で予測できる危険なので、整地はしません。木製の遊具は、小さな子が簡単に高い所まで登れないように、あえて段差を大きくするなどして、安全策をとっています。
ここで遊ぶと、たしかに小さなケガは日常茶飯事。ですが、凸凹の地面で遊ぶ中で鍛えられる身体感覚は計り知れず、小さなケガの積み重ねが大きなケガを回避する力へとつながります。
木登りや火遊びについても同様です。そういう遊びの中でしか得られない宝物はたくさんあります。それに、多少の危険があるからこそ、冒険心や挑戦心が沸いてくるのではないでしょうか。
世間ではケガの責任を遊具の設置者に求める人が増え、公園の禁止事項がどんどん増えた結果、多くの場所が子どもにとって魅力のない遊び場へと変わり続けています。禁止事項を増やして子どもたちが挑戦する自由を奪いたくない、「自分の責任で自由に遊ぶ」というモットーにはそんな想いがこめられています。
遊具は土、水、火、木・・・自然にあるもの
プレーパークにある遊具は、土、水、火、木、竹、葉っぱや花など自然にあるものと、工具やスコップなどです。置いてある遊具もすべて手づくり。あえて既成の遊具を設置しないことで、子どもたちは想像力を最大限に発揮して遊びます。手づくりの遊具は、古くなったら壊してまた新しくつくることができます。
「プレーパークは『現代に甦った昔の原っぱ』」と呼ぶ人がいます。「あの木は登りやすいかな?」とか、「あそこに秘密基地を作ったら楽しそう!」とか、大人も自然と子どものころの感覚に戻れる場所、それがプレーパークの醍醐味といえます。
ですが、初めてプレーパークに来た子は、最初は戸惑うこともあります。ワイルドに遊ぶ子たちに圧倒され、何をしたらいいのかわからず固まってしまうこともあるでしょう。特に小さな子どもは、見るものすべてが刺激的なので、小さな蟻を眺めてばかりで動かないなんてこともあるかもしれません。
そんな時もパパやママは「プレーパークに来たんだから、身体を動かして遊びなさい」なんて急かさずに、一見つまらない遊びに見えても、ここでは子どものやりたいことを見守り、一緒に面白がることを心がけてみましょう。
プレーパークは、世田谷区以外にも全国で400以上もの団体が活動しています。羽根木プレーパークのように常設ではなく、月に数回、週に数回などと定期的に実施するところが多いようです。
子どもの頃、自然の中でやりたいことに思いっきり挑戦して育った子は、本当に幸せです。「プレーパークに来るようになって、自分のことが好きになった!」という子どもたちがたくさんいるそうです。一度きりの子どもの時代、思い切り自由に遊ばせてあげませんか。
取材協力:NPO法人プレーパークせたがや
参考:日本冒険遊び場づくり協会 http://bouken-asobiba.org/
※全国の遊び場の活動はこちらで探せます。
(KANA)
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