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スタイリストの草分け、高橋靖子さんと著書から学ぶ! 一生可愛く生きる秘訣

Woman.excite / 2015年10月13日 12時0分

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高橋靖子(たかはし・やすこ)。1941年、茨城県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。大手広告代理店でコピーライターを経て、スタイリストに。多くのロック・ミュージシャンのスタイリング、様々なコマーシャルの衣装を担当し、現在も第一線で活躍中。

確定申告の職業欄に初めてスタイリストと記して、日本でフリーランススタイリストの第1号と登録された高橋靖子さんをご存じですか? デヴィッド・ボウイ、T・レックス、YMO、忌野清志郎、坂本龍一、布袋寅泰らをスタイリングし、ハリソン・フォード、アーノルド・シュワルツェネッガー、吉永小百合、矢沢栄吉、北野武、山崎努らのCM衣装を担当し、40年以上のキャリアを誇る現在も現役バリバリの、通称ヤッコさんを!


最近、彼女が上梓したエッセイ集「時をかけるヤッコさん」のトークショーを訪れると、そこここで「可愛い!」と声が挙がったり、2ショットを撮りたがる若い男性が列を作ったり。何でこんなに人気者なの? その秘密を知りたくて、彼女の著書を繰りながら、ヤッコさんご本人に自宅でインタビュー。彼女から、一生可愛く生きる秘訣を探ります。

70年代の原宿が生き生きと描かれた
自伝的エッセイ「表参道のヤッコさん」
上)「表参道のヤッコさん」。1960~70年代にかけて世界を席巻したロンドンのブティックBIBAのTシャツと。下)単行本は2006年にアスペクトから、文庫本が2012年に河出文庫から発売。
それまで日本に存在しなかったスタイリストという職業を、自身のイマジネーションと心配りと遊び心を頼りに、模索しながら体現化していく様子がワクワクするような臨場感で描かれます。世界的なスターと仕事していても、道端の花に感動し、テレビの朝ドラに涙ぐんだりする感性は、昔も今もまったく変わっていません。ハードな現場もユーモアで和ませちゃうのがヤッコさん流ですが、それは彼女の愛されキャラあってこそ。

―― 「可愛い」ってよくいわれませんか?

「最近、激しくいわれますね(笑)。どんどん解放されて精神的な余裕が出て、自分の可愛さに集中できるようになったのかな。普段はすごいシャイでも、もう、いいや! と思って自分流にエイヤッ! と出しちゃってる時、可愛いっていわれることが多いですね」

トークショーが大混雑し、後列の聴衆が伸びあがるのを見た瞬間、「後ろの人、私のビボーが届かなくてごめんね!」。それ以降、会場は和やかな雰囲気に包まれたのでした。


―― 可愛い衣食住に囲まれてらっしゃいますが、それも可愛くなれる秘訣でしょうか?

「うちのカーテンが可愛い? もちろん可愛いものは大好きよ。お洋服も、その時その時で欲しいと思ってる可愛いものが常にあります。ただ、あんまりスタイリッシュなものって興味がないのね。だから、写真撮られる時、決めのポーズとかもしないの(笑)」

左)ヤッコさんちのカーテン。仕事柄、生地の残りを集めてパッチワークされたもの。右)パーティなどでよくお召しのワンピースは、ミントデザイン、鮮やかな赤のカーディガンは、Machiko Jinto。ヤッコさんは、Machiko Jintoのお洋服がお好き。
この品性がまさにヤッコさんらしさ。本書はそんな彼女の美意識に触発される一冊です。


「小さな食卓」でヤッコさんの美肌と若さを作る食事を知りたい
「小さな食卓」(講談社)は、2008年刊。表紙には、今は亡き愛犬ココちゃんの姿も。テーブルに何気なく置かれた果物カゴが可愛い。
ヤッコさんがいつものご飯を、春夏秋冬、様々なシーンで撮影し、何気ない日常がキラキラしている写真満載のエッセイ集。ご自宅では40年以上、自然食品を愛用している彼女ですが、これはダメ、あれはダメ、という修行僧みたいな食べ方は大嫌い。一人でも大勢でも食事のひとときを楽しみます。必ずメニューが決まっているのは、朝ご飯だとか。

いつもの朝ご飯。アボカドとトマトのサラダ。トーストには、脳の委縮を防ぐ働きがあるというココナッツオイルを塗って。
「まず、生姜と梅干しが入ったほうじ茶。それから、アボカドとトマトを1個ずつのサラダに、ドレッシングは亜麻仁油と塩こうじ。トーストには、脳に良いというココナッツオイルを塗って、野菜とかチーズをのせます。自分で作ったルバーブのジャムの時も。白米には、アマランサスやキヌアとかの雑穀類、最近はチアシードを混ぜてます」

白米に、アマランサス、キヌアなどの雑穀を入れるのが好き。最近はチアシードもお気に入り
ピカピカのナチュラル美肌は、自然食品の影響も大きいようです。美容に関しては、意外にも、洗面所の棚に置かれていたのはエリクシールのローションと乳液だけ。「特別なことやってる? ってよく聞かれるけど、何もやってないの(笑)」。恥ずかしそうに、「これが持っている化粧品全部」と見せてくれたポーチの中身は、パウダーファンデと頬紅とクレ・ド・ポーの口紅がたった1本。

シンプルでナチュラルなのは、食や生き方にも通じるものが。本書で、ヤッコさんの美貌を作っている食事にぜひ触れてみてください。 

ロックな交遊と人生がレイヤーする名著「時をかけるヤッコさん」
「時をかけるヤッコさん」(文藝春秋)を持つヤッコさん。ブックデザインを担当した森本千絵さんから、お誕生日にプレゼントされたという原画の前で。帽子の縁にちょこんと座っているのは宮沢りえさん。
2015年7月に出版された近著は“70年代からの時間旅行”と銘打って、ミュージシャンたちとの刺激的で貴重な交遊が中心に描かれます。

「時をかけるヤッコさん」の中のスナップ写真たち右上から時計回りに、デヴィッド・ボウイと(撮影/鋤田正義)、布袋寅泰と(撮影/山本倫子)、ももいろクローバーZと(撮影/鈴木心)、T・レックスと(撮影/鋤田正義)。
同時に「好きなことをコツコツ」というヤッコさんの仕事に対する真摯な姿勢が重なり、スタイリストとして第一線を走り続けるには、創造力が豊かなのは当然ですが、信頼される人間性、知性も大事だなあ、と実感。気取らず謙虚で正直だけれど、お茶目。人との距離感の取り方が絶妙で、誠実でベタつかない。常に穏やかで周囲をくつろがせるヤッコさんの人気の秘密がわかります。

ヤッコさんのアシスタントだったスタイリストの中村のんさんが、8月に出版した写真集「70'HARAJUKU」(小学館)の表紙は、ヤッコさんと山口小夜子さん。
―― 可愛さや若さや美しさって、まずは心の問題ではないでしょうか?

「そう思う。たとえば、若い人をよく励ましたり褒めたりするけれど、それを励みに努力し続ける人もいれば、褒められて、自分はすごいんだって勘違いしちゃう人もいる。その人次第ね。どういう気持ちでいるかで、内面も外見もすごく違ってくると思います」

ヤッコさんといると、年齢をまったく感じません。彼女は今、74歳ですが…。

「私ね、今でも何でもできると思っているのよ。もちろん、恋やセックスもね(笑)」

と、にっこり。40代でも、エッチするのが面倒臭いという人がいますが、彼女は全然そんなことはない、と微笑みます。そのあたりが、若さと可愛さの秘訣ではないでしょうか。潔くポジティブに生きる姿勢に裏打ちされた可愛さ! この3冊で、レジェンド&エバーグリーンなヤッコさんの魅力に開眼して、あなたも一生可愛く生きてみませんか?
(稲木紫織)

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