「自然に授かる」を過信しすぎないことも大切かも 最近の不妊治療の実態
Woman.excite / 2015年11月30日 7時0分
新生児
不妊治療大国の日本。いまや社会現象になりつつありますね。「自分は不妊なんて…」そう考えるのが当然かもしれません。しかし現実は、思いどおりにいかないこともあるのです。
© Ramona Heim - Fotolia.com
友人や知人のなかに不妊治療をおこなっている人がいたとしても、センシティブな話なので、深く話を聞くことはできません。なかなかオープンにならない問題だからこそ、知っておく必要性があるのではと考えます。
今回は、結婚10年目、9年の不妊の末に待望の赤ちゃんを授かったカップルのお話をもとに執筆させていただきます。
■子どものいる同期を見て、不妊治療を決意
「結婚10年目に入りました。まさか自分が不妊治療に通うとは思いもよらなかったです」。そう語るのは、IT企業の営業をつとめ、男性に負けずおとらず働いてきたSさん。愛らしい笑顔の裏には、さまざまな苦労がありました。
独身時代は寝る間もなく働いていたとのこと。男女の雇用は均等で、仕事量も出世のスピードも男性との差はなかったため、仕事に対してのやりがいはとても感じていたそう。
しかし、結婚して5年。まわりを見渡せば、同時期に結婚した同期は、すでに2人の子どもを産み育てていました。
「なんで自分は子を授からないのだろう? もしかして、子どもができない体なのかもしれない」。そこでやっと不妊治療をする決意をしたSさん。ここからが、苦悩する日々のはじまりでした。
■一般不妊治療から高度生殖医療まで、治療法もさまざま
はじめはタイミング療法に挑戦することに。基礎体温をつけたところ、グラフがかなり乱れているのがわかったといいます。普段から生理不順や生理痛に悩まされていたSさんは、医師から無排卵の可能性もあるといわれたのだそうです。
「忙しさにかまけて生理不順を放っておいたのがよくなかったんでしょうね」と語っていました。
不妊治療には、いくつかの段階があります。治療をはじめた時期や、精子と卵子の状態によって、どれを選択するかは変わってくるようです。
タイミング法
一般的に最初に用いられる治療方法です。排卵日を正確に把握し、そのタイミングで夫婦生活を営んでもらい、自然妊娠を目指すというものです。無排卵や排卵の状態がよくない場合には、排卵誘発剤を使って卵胞の発育と排卵をうながす方法をとるようです。
人工授精
医療の手を介して、女性の子宮内に男性の精液を注入するというもの。対症療法やタイミング法などを半年から1年おこなっても妊娠しない場合や、最初の検査からタイミング法では妊娠がむずかしいと判断された場合に選択されるようです。
高度生殖医療(ART)
人工授精をおこなっても妊娠しない場合や、高齢などの理由から妊娠を急ぐ場合、不妊症状が重篤の場合におこないます。一般不妊治療より妊娠率が高いといわれている高度生殖医療。代表的なものが、こちらです。
- 体外受精(IVF)…卵子を体外に取りだして受精させた後、子宮内に戻す方法。排卵誘発剤を投与して、成熟した卵子を複数取りだすケースもあるそう。
- 顕微授精(ICSI)…取りだした卵子を顕微鏡で観察しながら精子を注入。受精させた後、子宮内に戻す方法。
- GIFT法…精子と卵子をふたつ一緒に体内へ戻し、卵管内で受精させる方法。
- ZIFT法…精子と卵子を顕微授精させ、受精を確認してから卵管内に戻す方法。
- TESE…精巣内を直接調べ、精子の有無を調べる検査。主に無精子症の男性に対しておこなわれる方法。
■自分の体のことを見直す機会をつくろう
Sさんの場合、初めはタイミング療法をおこない、次に排卵誘発剤を使うステップに移りました。
「月1度の薬を服用しながら、今回もできないのだろうなと考えていました。今日は排卵日だ、やるぞ! というのもとてもいやだったし…」と悩む日々だったようです。
しかし、あきらめかけたとき、妊娠が発覚。「奇跡だと思いました」と涙ぐみながら語っていました。
当たり前にできると思っていた妊娠が、じつはむずかしいということ。みなさんはどう受けとめましたか?
何が原因かは、一概にはいえません。しかし、忙しさにかまけて自分の体と向きあわないままでいると、あとでさまざまな問題が起こる可能性はあるものです。
たとえば、生理痛がひどくなっても婦人科にいかずに鎮痛剤でまぎらわしていては、体の不調を見のがしてしまう場合もあるかもしれません。
手遅れということにならぬよう、自分の体を見直す機会をつくってみてくださいね。
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