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「へその緒の行方」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.13 

Woman.excite / 2015年12月3日 9時0分

写真


へその緒。それはお母さんと赤ちゃんをつなぐ、大切な大切な命綱。皆さんは、ご自身が生まれた時についていたへその緒を見たことがあるだろうか?

わたしの場合、母が大切に保管していてくれたので、中学生に上がったころ、一度見せてもらったことがある。
小さな木箱に納められた自分のへその緒は、カラッからに乾燥していて、くちゃくちゃになっていた。
それはまるでホームに捨てられ、誰かに踏まれたガムのようだった。

当時の私はこう思った。
「へその緒なんて、つまらないものだな」。
そう思っていた自分が恥ずかしい。

母になった今、へその緒がどんなに尊いものか分かる。
母体の胎盤から赤ちゃんへ栄養を送り届けるために必死に頑張ってきたへその緒。

あぁ、お前がいなかったらこの子が育っていないのだねえ。ありがとう、へその緒よ。

死ぬ思いで産み落とした我が子。あの瞬間のことは今でも忘れられない。

「へその緒、切りますね」先生の言葉がやけに重く感じた。息子と私はまさにつながっていたんだ。

生後4週間が経ったころ、だんだん育児にも慣れてきて、おしめ替えや授乳も暮らしに定着してきた。みるみるうちに大きくなっていく息子。

もうすぐ1カ月検診が迫っている。検診が終わったらいよいよ実家での暮らしともお別れだ。

朝、いつものようにおしめを替えていると、
「ポロリ」とへその緒が取れた。




「わ~! やっと取れた。これがへその緒か」。
まじまじと見つめてみると、昔私が見たへその緒と形状もほとんど同じように感じる。

生まれた瞬間ついていたへその緒は水分を含んだ状態でぶわぶわだったのに、
今はこんなにもちっちゃくなってカラッカラだ。

息子から離れたばかりのへその緒。
なんだか愛おしく感じる。

日本ではへその緒を大切に保管している人が多く、中にはお守りとして扱う人もいるらしい。

「さて、私はどうしようかな。そうだ、後で母に相談しよう。保管するにもケースを買わなくちゃ。とりあえず、へその緒は枕元に置いて…と! さて、朝食にしようかな」。

私の両親は共働きで、その日、母は仕事に出ていた。息子を抱っこしながら、母が用意してくれた朝食を食べる。しばらくゴロゴロしてから部屋に戻ると、、、あれ、ない。へその緒がないではないか!

おむつケースの中、枕元、部屋の隅から隅まで探してみるも、さっきまであったはずのへその緒はどこを探してもなかった!

はっ! そういえば、さっき朝食を食べている間、私の部屋から掃除機の音がしていたな…。

これは…父だ!!!
たまたま休みだった父が、産後の私を気遣い、家の掃除していたのだった。なんと!! まさか、まさかの最悪パターンである。





父は気付かずに、掃除機でへその緒を吸い込んだのである。

「うわ~ん、大事なへその緒が~」
なぜこのタイミングに掃除なんて…。

しかし、悪気のない父を怒れるはずもなく、私は自己管理の悪さも重なって、涙がボロリと出てきてしまった。

いつもなら頑固で絶対に謝ることのない父も、今回ばかりはかわいい孫のためなのか、申し訳なさそうな顔で「きっとあるよ。掃除機のパックをあさったら出てくるかもしれないぞ」と言う。

そこで、わたしは泣く泣く掃除機のパックの中を探すことにした。
悲しいことに、パックの中は糸くずやホコリ、髪の毛、時には虫までもが詰まったゴミの山。

しかし、諦める訳にはいかない!!! この中にへその緒が…!なんとしてでも……!

母は強し。息子のためになんのその。手づかみでゴミの中を探っていったが見つからない。15分くらいして、ようやく出て来た!

「あ! あった!!」
……と思ってよくよく見てみると、なんとそれはゴキブリの死骸だった。




「ギャーーーーーーーーーーーーー!」


こうして、息子のへその緒の行方は未だ分からず、
残ったものといえば、ゴキブリの死骸の感触だけだった。
(Boojil)

つづく
「次回は、いざゆかん!一ヶ月検診へ」をお届けします。

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