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シャネル、ディオール、サンローラン… 天才デザイナーの映画で美意識を磨く

Woman.excite / 2016年1月6日 12時0分

シャネル、ディオール、サンローラン… 天才デザイナーの映画で美意識を磨く

「世紀を超えて愛され続ける服には、とてつもないパワーがある」と常々思っていました。天才デザイナーたちの映画を観ていると、なぜかすごく元気になれるのです。

服を着るということは、何気ない習慣でありながら、肉体を守ることであり、自己表現であり、それをまとわないと外へ出られないという、社会生活を送るための装置でもあります。


© Andrey Kiselev -Fotolia.com


つまり着ることは生きること。いつだって違う自分になりたい! そんなチャレンジングな気持ちを鼓舞してくれる映画を観て、自分をリフレッシュしませんか? お薦めの3本をご紹介します。その結果、あなたももれなくファッショニスタ(お洒落上級者)に…。

媚びない女らしさに開眼「ココ・アヴァン・シャネル」
1883年生まれのガブリエル・ボヌール・シャネル(本名。ココは愛称)が、1909年、帽子のアトリエを開いて創業したシャネル。100年以上経った今も大人気なのはご存じの通り。「アメリ」で人気を得たオドレイ・トトゥ演じる本作は、1971年に87歳で亡くなったシャネルが孤児院で育った子供時代から、男性遍歴を経て、起業して成功するまでの若い時期を描いています。だからこそ、生きる息吹とピュアなエネルギーが素晴らしい。



将校エティエンヌ・バルサン(ブノワ・ポールブールド)は、上流生活を体験させてくれたけれど、彼女の出自を恥じて周囲に隠し、実業家ボーイ・カペル(アレッサンドロ・ニボラ)が彼女に夢中になると、嫉妬してプロポーズ。「誰とも結婚しない」と彼女は宣言しますが、愛するボーイは事故死してしまい…。男の庇護なしに女性が生きられなかった時代、媚びない彼女がかっこいい! でも、愛する男から尊敬され愛されるのですよ。

衣装がシャネル全面協力なのも魅力的。女性は羽飾りの付いた帽子にロングドレスが全盛の時代、海辺で見かけた漁師のボーダーTシャツに、男物を半端丈にカットした黒いパンツ、ツイードのジャケットというスタイルは、今すぐ真似したいほど。彼女のシーンだけ現代に見えるのが、さすがシャネルです。

初めて老舗メゾンのアトリエが公開された「ディオールと私」
1947年、クリスチャン・ディオールがメゾンを設立以来、輝かしい歴史と伝統を誇るディオール。2012年、ジル・サンダーでメンズ担当だったラフ・シモンズがクリエイティブ・ディレクターに就任し、パリ・コレまでの8週間を描いたのがこの映画です。フェミニンでエレガントなディオールに、シンプルでミニマリストといわれる彼が抜擢されたのはかなりの驚きでした。しかし、ラディカルなアプローチを貫いて、果敢に挑むラフ。



衝撃的なのは、ディオール全面協力のもと、グラン・メゾンの中枢であるアトリエに初めてカメラが入ったこと。ディオールと刺繍された白衣のスタッフたちの動きが、ドキュメンタリーとは思えないほど見事です。現在もオートクチュールの伝統を守り続けるのは、シャネルとディオールだけですから、彼らの誇りも当然なのですが…。

オートクチュール・ディレクターのカトリーヌが大事なフィッティングに欠席し、「穏やかな僕も限界」と嘆くラフに、「シーズンごとに5000万円注文する顧客の要請で出張していたの。お金がないとコレクションどころかメゾンも存続できない」と主張する彼女の言葉が印象的でした。全身全霊を傾けてドレスを作り上げる人々の緊張感に満ちた日々に密着した、感動のファッション・ドキュメンタリー。必ずやパワーをもらえるはずです。

「イヴ・サンローラン」ピエール・ニネの緻密な演技がスゴい!
1957年、ディオールの死後、21歳で後継者となったイヴ・サンローラン。彼を描いたこの映画も、イヴ・サンローラン財団率いるピエール・ベルジェによる初公認作品です。つまり、本物の衣装がふんだんに登場し、しかも当時のモデルは小柄で服が小さいため、そのサイズに合うモデルを選んで登場させ、それどころか、サンローランの住居や仕事場が提供され撮影が行われたという、奇跡のような映画なのです。



何よりも感動するのは、イブ・サンローランを演じるピエール・ニネの役作り。伝記やドキュメンタリーで学び、デッサンやモード全般、素材の触り方まで特訓を受けたほか、毎日、3、4時間はサンローランの肉声を聞いて5か月、話し方を徹底的に叩き込んだそう。50年にわたって繊細な彼を公私ともに支え続け、実際の恋人でもあったベルジェが「似てるというより彼そのもの。仕草や声に至るまで…」とインタビューで語っているのですから驚きます。

同性愛が非常に違和感なく描かれているのも特徴的で、新しいと思いました。「男同士でラブシーンを演じるのはどんな気分? とよく聞かれるけど、この物語に感動したからこそ、自然に演じられたと思う。ただのラブストーリーといえるほどね」とニネ。サンローランの革命的なデザイン、波乱の人生、知られざる私生活に息を飲む貴重な作品です。

また、2015年12月からベルトラン・ボネロ監督の映画「サン ローラン」(主演/ギャスパー・ウリエル)も公開されました。見比べてみるのも楽しいかもしれません。


いかがでしたでしょうか? ブランド品なんて興味ない…という方もおられるかもしれませんが、この3本を観ると、デザイナーへのリスペクトを感じてしまうから不思議です。着る喜び、生きる楽しさを謳歌して、明日の美しさへと紡いでいけたらと思います。

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