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絵本が子どもの脳と心をつくる!絵本の選び方と読み聞かせ方のポイント(「幸せ力」の育て方 Vol.13)

Woman.excite / 2016年1月2日 4時15分

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子どもの学力と豊かな心を育むために、絵本を読むことがいい

子どもの学力と豊かな心を育むために、絵本を読むことがいいと言われています。どんな絵本を選んで、どんな風に読んであげるのがいいのでしょうか。
年齢に応じた絵本の選び方と読み聞かせ方について、発達心理学が専門の内田伸子先生に伺いました。


© Yantra - Fotolia.com


年齢にあった絵本の選び方と読み聞かせ方
「赤ちゃんには、イラストや写真が大きくハッキリしていて、色も単純なものがいいでしょう。
食べ物や動物、乗り物など、身近なもので子どもの興味を引くものが描かれている絵本がおすすめです。

最初のうちは絵本をめくって絵を見せるだけもよく、絵本を通した『遊び』だという感覚を大切にすることがポイントです」

「かわいいニャンニャン」「ピカピカ、キレイだね」などと、解説を加えたり、擬音を楽しんだりするのもいいそうです。

「3歳までは、絵本の挿絵について話すなどしてもいいでしょう。

4歳になったら、絵本の言葉は吟味されていますから、それを大事に、絵本に書かれているまま読み聞かせてあげてください。

5歳ぐらいになると、『大きなカブ』のような、くり返しの文章を好むようになります」

年齢によって楽しみ方が少しずつ変わってくるのですね。
どの年齢にも共通して大切なポイントは、お子さんのリズムに合うように、語りかけるようにして読み聞かせることだそうです。


1冊の絵本をじっくり読み込むのと、たくさんの絵本を読んで多くの語彙に触れるのとどっちがいい?
「語彙を得るために本を読むのではありません。
本というのは、親子で手を取り合って入っていく世界なのです。
親も楽しみながら、真心をこめて読んであげてください」

内田先生は、絵本の持つ力について次のお話をしてくださいました。

「ベッテルハイムという児童精神科医の病院に、注意欠陥・多動性障害の子どもが入院していました。
遊戯療法や箱庭療法など、さまざまな治療を施しましたが、症状は軽くなりませんでした。

あるとき、ベッテルハイムが絵本を持って病室に入ると、その子はパッと絵本を見ました。
ベッテルハイムが『読んであげようか』と言うと、ふだんは少しもじっとしていられない子が、動かずにじっと絵を見つめお話を聞いていたのです。

次の日、ベッテルハイムが来る時間が近づくと、その子は入り口を見ていました。
ベッテルハイムが来ることが楽しみだったのでしょう。

ベッテルハイムが来て『絵本を読んであげようか』と言うと、その子は数冊ある絵本の中からまた同じ絵本を選びました。
30回くり返したそうです。30回読んであげたら、やっと次の本に興味を持った。
つまり、30回かけてその本の栄養を吸収しつくしたということです。

絵本には栄養があります。十分に味わわせてあげてください。
子どもは何度でも『読んで』とせがみます。『昨日、読んだわよ。違うのにしましょう』ではいけないのです」

子どもが求めている限り、その本を読み続けてあげるのがいいのですね。
親子で絵本を楽しみながら、大切な「見えない力」と豊かな心を育んであげましょう。

(佐々木月子)

今回取材に協力してくださったのは
内田 伸子先生
内田伸子先生

十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。
専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。

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