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「3つのH」で子どもの能力が伸びる&幸せになれる(「幸せ力」の育て方 Vol.15)

Woman.excite / 2016年1月4日 4時15分

「3つのH」で子どもの能力が伸びる&幸せになれる(「幸せ力」の育て方 Vol.15)

子どもが将来、自分自身の力で幸せになるためには、どんな能力が必要か

子どもが将来、自分自身の力で幸せになるためには、どんな能力が必要なのか。その能力を育むために、どんな子育てをすればいいのか。
発達心理学などが専門の内田先生にこれまで伺ったお話をまとめ、さらに大切なポイントを加えてご紹介します。


© Sergey Nivens - Fotolia.com


親が「安全基地」になることで、子どもは安心して能力を伸ばせる

子どもが幸せに生きるために、内田先生は次の力が大切だとおっしゃっています。

●創造的想像力
●自律的思考力(自分で考える力)
●探究心・意欲
●自尊感情(自分を大切にする力)
●精神的回復力(レジリエンス)

これらの力を育むために、親はどんなことをすればいいのでしょう。

「子どもが伸びる、共有型しつけ(※詳しくは子どもの学力格差は幼児期に決まる? 親の「しつけスタイル」が重要な理由 ~「幸せ力」の育て方vol.11~)を心がけましょう。
子どもの気持ちに寄り添って、とにかくかわいがってあげてください。

自分を大切に思う気持ちは、親から愛されることで育ちます。
それは精神的回復力につながります。
子どもは親から大切に見守られ、肯定されることで『きっと、なんとかできるんじゃないか』と前向きな気持ちになり、それが探究心や意欲を伸ばすことになります」


子育てに大切な3つのH「ほめる、はげます、(視野を)広げる」

子どもは毎日、小さな発見や成長を積み重ねています。

「兄弟や友だちと比べずに、その子自身の進歩をほめてあげてください。失敗を叱らず、子どもが進歩したときを逃さず見つけて、『ほめる、はげます、(視野を)広げる』3つのHの言葉をかける」

強制型しつけを行っている親30人の様子を観察したときには、この3つの言葉が一度も発せられなかったそうです。

「すべてに定義や解説を与えることはやめましょう。お母さんは辞書でもなければ裁判官でもありません。判決を下さない。禁止や命令ではなく『~したら?』と提案してあげる」

それなら、子どもが考えたり判断したりする余地があります。

「このように、大人が子どもの主体性を大事にした関わり方をすることによって、子どもが自分で考える自律的思考力や創造的想像力が育つのです。

教育学者のグルーナーは、教育者や親が子どものためにできることは足場をかけるところまでだと言っています。その足場を登るかどうか、登って何をするか、決めるのは子ども自身です」


五十の文字を覚えるよりも、百の「何だろ?」を育てたい

「そもそも『頭がいい』とは、文字が書けるかどうかではありませんよね。
大切なのは、文字で表現したくなるような内面の育ちです」

その通りですね。
では、豊かな心と知性を育むには、どうすればいいのでしょうか。

「第一には、絵本の読み聞かせ習慣。小学生になった子どもには読書を勧め、親子で図書館通いをするといいですね。

第二に、家族の団らん。何でも話せる雰囲気をつくり、親子で会話をたくさんしてください。

第三に、遊びを通して、楽しい経験を一緒に共有すること。遊ぶことと遊ばせることとは違います。何かをさせることは強制することと同じ。そうではなく一緒に楽しんでください」

ただし、ひとりで何かに熱中する時間も大切ですから、お子さんが夢中になっているときには、そっと見守ってあげることがいいそうです。

これまでご紹介したことを意識して子育てをしていけば、将来、学校の授業や教材からはもちろん、遊びや家族との時間の中からも、さまざまな学びを得る力が育っていることでしょう。

「子育てに『もう遅い』はありません」と内田先生は言います。
今からでもいいのです。
お子さんが伸び伸びと能力を伸ばし、自分の力で幸せになることができるよう見守りながら、お子さんと一緒の時間を楽しんでください。

(佐々木月子)

今回取材に協力してくださったのは
内田 伸子先生
内田伸子先生

十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。
専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。

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