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プロカメラマンからみた、大人の女性の美しさとは?

Woman.excite / 2016年1月21日 15時0分

写真

左:写真家 伏見行介さん右:伏見行介写真展 “Old fashioned portrait”全国巡回中

「女性の美しさ」とは何でしょう? 広告やファッションの世界で、これまで多数のモデルたちを撮影し、女性の美しさには一家言ある写真家の伏見行介さんに、プロフェッショナルな視点からみた女性美について、インタビューしました。


photo by Yukisuke Fushimi


1月21日から4月にかけて、東京、仙台、札幌、梅田のキヤノンギャラリーでは、伏見行介写真展 “Old fashioned portrait” が巡回中。そこでは、1960~70年代、カトリーヌ・ドヌーブら女優たちを、フィルム時代の写真家たちが撮影したポートレートへの尊敬を込めて、現代のモデルたちをモノクロームで撮影した写真が展覧できます。これこそ、まさに究極の女性美! 「そんなふうに自撮りしてみたい」という難問(?)も伺ってみました。

左:写真家 伏見行介さん右:伏見行介写真展 “Old fashioned portrait”全国巡回中

photo by Yukisuke Fushimi


やりたいことを一生懸命やっている女性が美しい
 
―― 女性の美しさは年齢で左右されると思われますか?

「いや、年齢じゃないですね。頭の中の問題が大きいと思います。学歴とかじゃなくて地頭のいい人は魅力的です。外側を飾ることは、女性はみんな熱心ですけれど、でも、それだけじゃつまらない。やはり内面が出る。心の持ち方で全然表情が違うんですよ。

たとえば、今回の写真展に出している写真で、かつてジャンルー・シーフが撮影したカトリーヌ・ドヌーブのようなポートレートを意識して撮影しようと思った時に、モデルさんが20歳ぐらいで若過ぎて人生観が伝わってこない、と思ったことがありました。人生のいろいろな経験の蓄積があってこそ、人間としての存在感が出るんですよ。もちろん、ただ年を取ればいいのではなく、年齢の重ね方が大切だと思いますが…」


―― どんな女性がきれいだと思いますか?

「やりたいことを持っていて、それを一生懸命やってる人は美しいなと思いますね。子供が好きで、一生懸命子育てしているお母さんもきれいだと思うし、僕が一緒に仕事しているスタイリストさんとかヘアメークさんとか、やりたいことをがんばっている人はきれいですよね」

伏見さんは、「この業界にいると、年齢や性別には関心がなくなる。好きな仕事をしている人たちは、年齢がいっていても、みんな若いし、きれい」と言い切ります。


外見はきれいでも写真に撮るとつまらない人がいっぱいいる

―― では、究極の女性の美しさとはどういうものでしょうか?

「仕事柄、いろんなモデルさんを今まで撮ってきたけれど、3つのタイプに分けられると思うんです。もちろん、モデルさんにはきれいな人が多いですけれど、A. 先天的にモデルの人、B. 努力してモデルになる人、C. 努力してもだめな人、この3タイプです。

99%のモデルさんはBタイプで、みんな、努力してモデルになってると思うんですね。努力って、血のにじむような努力とかじゃなく、モデルという職業に関して、いろんな情報を集めて、動き方とか洋服のコーディネーションとか、学習するわけですよ。

でも、実は外見がどんなに美しくても、Cタイプの人がいっぱいいる。一般の女性でもそうでしょう。会って話すといいんだけど、写真に撮るとお人形さんみたいでつまらない人。自分を表現できないんですね」



photo by Yukisuke Fushimi


「本当に美しいのは、自分の意志クリエイティブなものを持っていて、それを表現できる人だと思います。

モデルさんであれば…、モデルというのはすごくクリエイティプな仕事なわけですが、どうしたらこの写真家が撮りたいと思っているものを表現できるかを理解して、そこに自分の世界さらにプラスできる人。クリエイティビティを持っているかどうかによって、作品はまったく違ってきますから」


―― 世界各地のどこかで、何も知らない美少女がたまたま発見されて、超売れっ子モデルになったりしますよね。そういう場合はどうなんでしょう。

「写真映りがいい人って、先天的にいるじゃないですか。Aタイプですね。そういう人こそモデルなんですよ。持って生まれたモデルの才能。自分では意識していないだけで…」



photo by Yukisuke Fushimi



美しく写真に撮られるためのコツとは?

―― 先天的に写真映りが悪い場合(笑)、どうしたらいいですか?

「もし自分は写真映りが悪いと思ったら、いろいろ工夫してみればいいんですよ」


―― 美しく撮られるコツを、ぜひ教えてください。

「一番いいのは、プリクラでいろいろな角度から撮って、どの角度がきれいか自分で確認すること。僕、プロのモデルさんにも、どの角度がいいかって聞きますよ。わからないっていうモデルには、やはり、プリクラ行けって言いますね。それは、自分で知っておいたほうが絶対いいから。

プリクラじゃなくても、自撮りでいいから、実際にいろいろ撮ってみること。プリクラがいいのは、プリントになるじゃない? それが大事。よく決め顔なんていうけれど、どういう角度が好きか自分で知っているだけでも違う。というか、自分で知らないとダメ」



―― プリクラは盲点でした。具体的には、何か注意すべきことがありますか?

「朝のテレビ番組のニュースキャスターを見ても、ただ立っている人と、脚をちょっと前後にしている人とでは、伝わってくる美しさが全然違う。後者のほうがO脚をカバーできるしね。仁王立ちはダメですよ(笑)。あと、真正面で立たないほうがいいですね。体は斜めにして、顔は正面で、足先は斜めに揃える。

それから、の処理。手をダラーッと垂らしてるんじゃなくて、指先にちょっと力を入れてニュアンスを持たせる。

プロのモデルさんでも、手の処理が上手いと、撮るほうはすごく楽なんです。一番いいモデルさんというのは、僕らの言い方で、『スクッと立つ』っていうんだけど、スッと立ってるだけで絵になるモデルさんは、最高です」


―― 姿勢も大事ですよね?

「もちろんそうですが、きれいに撮られたいという意識でなく、自分の生き方に対する意識の高さが反映されるのだと思います。生き方、美意識が出る。シャネルを着ていても、ハイヒールの歩き方がガクガクしてたらきれいじゃないでしょう。たとえば、立ち食い蕎麦屋で、一人で蕎麦を食べてて決まってる女性、かっこいいと思いますね」


―― この写真展のような女性美が際立つモノクロ写真を、ぜひ撮ってみたいのですが。

「モノクロームの写真には、削ぎ落とされたシンプルな美しさがあります。チークを塗っても色が出ませんから、アイラインの引き方とかラインが勝負。コントラストが単純なだけに、丁寧にラインを引かなくてはいけないとか、そういう注意点はありますね。今、インスタグラムなどで、色を変換したりコントラストを強くしたり、自撮りした写真を思い通りに変えられるでしょう。いろいろ試して、ぜひ自分を一番きれいに写せる方法を見つけてください」

そして、「自分でするメイクのセンスを磨いてほしい」と伏見さん。確かに、モノクロだとのっぺりしてしまいがちな日本人女性の平面顔には、太めのアイラインやつけまつげが役立ちそう。

凛とした潔い生き方研ぎ澄まされた立ち居振る舞いを意識しつつ、美しく映されるコツは知っておきたいもの。そして何より、伏見さんの写真展を訪れて、究極の女性美に触れる感動を味わって美意識をもっと高めたい、と強く思うのでした。


伏見行介写真展
Yukisuke Fushimi Old fashioned portrait
オールド ファッションド ポートレート 先達へのオマージュ


2016年1月21日から4月にかけて、東京、仙台、札幌、梅田のキヤノンギャラリーで開催。展示される写真はすべてモノクロームのポートレート写真。シンプルで美しく、癒される女性美に触れてみては。

Model:滝沢カレン/スターダスト 佐野帆波、梓媛/グルーヴィー・エアー、Mutsue/free、Maina/free、 Tomomi/Satoru Japan 、Gabriera,So,Katherine,Katrina/dxim、TEN/Bellona、Mayara,Susie,Simone,Tayorama,Gabriera,Yuki,Barbara/Urban agency

Hair stylist:Kazuto 、Makeup artist:下田美香/MASHmanagement、Hair & Makeup:森哲也、長聰、YOCO/MASHmanagement Ina,守屋Kスケ/Ari・gate、Stylist:Inari,水嶋依子/MASHmanagement 、椎名桔平、宮崎智子、石橋めぐみ/office YKP、Retoucher:寺尾さやか/MASHmanagement

・銀座 キヤノンギャラリー
2016/1/21(木)~1/27(水)10:30-18:30(最終日15:00まで)日・祝 休館
東京都中央区銀座3-9-7 トレランス銀座ビル1F  tel.03-3542-1860
・仙台 キヤノンギャラリー
2016/2/4(木)~2/16(火)10:00-18:00 土・日・祝 休館
仙台市青葉区一番町1-9-1 仙台トラストタワー15F tel.033-217-3210
・札幌キヤノンギャラリー
2016/3/10(木)~3/22(火) 10:00-18:00 土・日・祝 休館
札幌市中央区北3条西4-1-1 日本生命札幌ビル1F tel.011-207-2411
・梅田キヤノンギャラリー
2016/4/14(木)~4/20(水) 10:00-18:00(最終日15:00まで) 日・祝 休館
大阪市北区梅田3-3-10 梅田ダイビルB1F  tel.06-4795-9942

伏見行介(ふしみ・ゆきすけ) プロフィール
写真家。和光大学人文学部人間関係学科卒 大学在学中より、長友健二氏アシスタント、卒業後杉木直也氏、ケン・モリ氏、シー・チー・コウ氏 熊谷晃氏のアシスタントを経てフリー 現在 株式会社マッシュ代表 多くの広告写真、SP写真、Web,雑誌等の撮影に携わる。近年はアマチュア写真家の指導も始める。
[写真展]2009年 Episode 鈴木礼央奈、禿恵の場合 キヤノンギャラリー銀座他、2007年 Time for a test shooting キヤノンギャラリー銀座他、
公益社団法人 日本広告写真家協会会員・常務理事、公益社団法人 日本写真家協会会員

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