その靴が足をダメにする?! アラフォーからの正しい靴の選び方
Woman.excite / 2016年2月4日 12時0分
靴の役割を考えたことがありますか? 靴はファッションの一部ではあるけれど、洋服と違って「流行だから」「クールに見えるから」「細く見えるから」など、単に感覚だけで選んではいけないもの。
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なぜって、靴を正しく選んで正しく履くことは、足をさまざまなトラブルから守ることにつながるからです。
「ハイヒールが楽」という人の足は、危険信号!
「『私はハイヒールのほうが楽! ぺたんこ靴は履きにくい』という人は、あたかもカッコイイ女性に見えるかもしれません。でも、長時間ハイヒールを履いていても平気ということは、足にトラブルが起きているサインなんです」と警告を発するのは、表参道「足の診療所」院長、桑原靖先生。
アラフォー世代だから気をつけたい靴の選び方や、靴による足のトラブルについてアドバイスをいただきました。
靴の役割、それは足を保護して衝撃をやわらげたり、本来の足の機能を引き出して歩行の補助をすること。靴を正しく選ぶこと、正しく履くことは足をさまざまなトラブルから守り、健康を保つことにつながります。
「足の構造から考えて、ハイヒールが体に良いわけはないんです。重心が前にいくだけでなく、骨盤が前傾したままになるので身体に負担がかかります。何より、アキレス腱が拘縮(動きが悪くなること)してしまうんです。
10代20代の若い体はまだ柔軟性があるので、たとえ長い時間ハイヒールを履いてアキレス腱が固く縮まったままでも、脱いでいる間にもとに戻りやすかったもの。これが年齢を重ねるにつれ、縮こまったままになっていくわけです」(桑原先生)
アキレス腱は足底筋膜とつながっているため、そうなるとヒールを脱いで地面に足をついたとき、今度は足裏の腱のほうが伸ばされてしまい、逆につらいと感じます。ひどいと足裏が痛む「足底筋膜炎」や「ヒールペイン(かかとの痛み)」を引き起こすことがあります。
ハイヒールの形は靴の役割を果たしていない(後で説明)ため、さまざまなトラブルにつながる可能性大。ハイヒールが楽だと感じる人、フラットシューズのほうが苦手だという人は、既にアキレス腱が拘縮しているサインかもしれません。
ハイヒールを履くなら、必ず「アキレス腱」のストレッチを!
さらに、桑原先生は続けます。
「アキレス腱が伸びないことは、短趾屈筋(足指を曲げる筋肉)に負担がかかることにもなります。足の指で地面をつかもうと頑張るのです。
すると、ハンマートゥやマレットトゥ、クロートゥなど、指が変更してしまう病気になることも。ハイヒールを履く人で、変形はしていないけれど指の動きがなんだか悪いと感じたら、一度診察を受けたほうがいいでしょうね」
ここで、桑原先生の考える、健康な足を保つ「理想の靴の条件」を紹介します。
靴と地面の接地面積が広く、靴底が固いもの。
▼かかとと靴が一体化する
「靴はかかとで履く」もの。かかとが深くしっかり作られていること。
▼足と接する面積が広い
特に、足の甲を覆う面積が多いほど安定しやすい。
▼アーチをきちんとサポートしてくれる
内側、外側、横の3つのアーチを支えて衝撃を吸収すること。
▼足が曲がってよい場所で靴も曲がる
曲がってよいのは指のつけ根だけ。他では曲がらない。
▼つま先に1cm~1.5cmの余裕があること
そしてそれ以上、つま先が前にすべってしまわないこと
これらをすべて満たす靴は、限りなくスニーカーに近いものになってしまいます。オシャレを考えるとそうもいきませんね。靴を購入する際、ひとつでも多く上の条件に当てはまることを目標にしましょう。
それでもやっぱりヒールの高い靴を履きたい人、履かなければならない人もいるでしょう。そんな人は、以前にも桑原先生が紹介されたアキレス腱ストレッチが必須。毎晩これをやるだけで、トラブル予防につながります。
1) 両腕を真っすぐに伸ばし、壁に両手をつけます。
2) 伸ばしたいほうの足を後ろに引き、前の膝をゆっくり曲げていきます。つま先は斜めにしたりせず、壁に対して垂直に。かかとは必ず床につけておきます。
3) アキレス腱が突っ張る程度の状態で、ゆっくり気持ちよく伸ばします。20秒ほど動かずに。反動をつけずに行うのがポイントです。
4) 反対側の足も同じようにストレッチします。
痛くない! 迷わない! アラフォーからのパンプス選び
では、現実的に、足の健康にもよくファッション性も考えたら、私たちはどんな靴を選んだらいいのでしょう?
「ヒールの高い靴は、オススメできないんです。足の変形リスクを大きくして、カチコチのふくらはぎを作り出しているようなもの。でも、どうしても履かなければならない時は、ハイヒールはまず履いている時間をできるだけ短くして、先のアキレス腱ストレッチで毎晩メンテナンスすることです。
会社でヒール付きパンプスを履く人は、通勤時はスニーカーに。立ちっぱなしの方は、休み時間だけでもフラットシューズに履き替えるなど、工夫をして。
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また、特にサンダルなどに多いようですが、合わない靴を買ってしまって、履いているうちに楽になる…というのもオススメできません。 “足が靴に合ってしまう” のは決してよくない。買うときは、試し履きをじっくりと。普段の速度で店内を歩いてみます。そして痛くならない自信のある靴を選ぶのが基本ですよ」(桑原先生)
通販で靴を買うのはオススメできませんが、試着がOKな通販も増えてきているので、賢く利用したいもの。
そして、最近充実してきたインソールにも注目を。インソールはゆるい靴に入れるもの、という認識を持っていたらそれは間違いです。インソールを入れることで足をホールドし、フィット感を高めます。足にきちんとフィットするパンプスは、ストライド(歩幅)が広くなり、歩数が少なくなるため、同じ距離を歩いても疲れにくいメリットがあります。
では最後に、靴選びのポイントをまとめておきます。ぜひ覚えておきましょう。
1)ヒールの高さはできれば、4~5cmまでに。
これ以上高さのあるヒールは百害あって一利なし。
高ければ高いほど、特に足指のつけ根への負担が高くなります。
2)ストラップ付きのものがベター。なければパンプスベルトを付ける。
足首の曲がる部分にストラップが付いたデザインは、
前すべりを防止してくれるだけでなく、かかとの脱げ防止に!
3)甲をできるだけ覆うデザインのものを。
脱げにくく安定性があるのは、肌を覆う面積が多いデザインです。
指のすき間が見えるような浅い靴は脱げやすく、オススメできません。
4)底がある程度固くしっかりとした素材のものを。
靴の底を中から押したとき、曲がってしまうような柔らかすぎる靴底は
着地の衝撃を抑えることができません。厚く固めのほうがGOOD。
5)ヒールは太め、もしくはウエッジソール。
足と地面の接地面積が広いほど、安定しています。ピンヒールよりは
断然太いヒール、またはウエッジソールのほうがよいでしょう。
6)インソールを賢く利用する。
アーチを支えるのは靴よりむしろインソール。先にしっかりと作られた
インソールを選び、それにあった靴を購入するのも賢い選択。
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