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双子を妊娠! うれしいけど、喜びだけではないんです

Woman.excite / 2016年2月11日 4時15分

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双生児は「卵生」の違い以外に「膜性」による違いもあります


© fabioderby - Fotolia.com


3年にいたる不妊治療の末、やっと着床した赤ちゃん。それは軽いつわりから始まりました。ようやく妊婦生活がスタートできる と思い始めた妊娠7週の診察日のこと。エコーを見ながら先生がひとこと。
「双子」
「えっ?」
びっくりした私は思わず聞き直してしまいました。

「ほら、ここを見てください。2つ丸いのが見えるでしょ?」
エコーには、先生の言うとおり、小さい2つの丸が見えました。そのときはとにかく気が動転して、あいさつもそこそこに内診室から出たことを覚えています。

双生児にも違いがある
双生児、いわゆる双子は大きく分けて「一卵性」と「二卵性」があることは一般によく知られています。
1つの受精卵から生まれるのが「一卵性」。2つの受精卵から生まれるのが「二卵性」です。一卵性は受精卵が細胞分裂を繰り返す際、何らかの原因で2つに分かれることにより、2人の赤ちゃんが誕生します。二卵性はそれとは違い、2つの受精卵がそのまま、ママのお腹の中で育ちます。そして、2人のきょうだいが同時に育ち、生まれるのです。

なので、一卵性は性別も血液型も同じで、顔もよく似ています。二卵性は性別や血液型が異なることもあります。ただし、性別・血液型が同じ二卵性は顔もよく似ることがあります。

双生児は「卵生」の違い以外に「膜性」による違いもあります。
絨毛膜(胎盤)と赤ちゃんを包む羊膜、この2つの膜を共有しているかどうかによって、胎児のリスクが変わってくるのです。

二卵性の場合、絨毛膜も羊膜もそれぞれの赤ちゃんに1つずつ用意されていますが、一卵性の場合は受精卵が分裂する時期によって

・二絨毛膜二羊膜双胎 (DD 双胎)
 └胎盤も羊膜も、2人の赤ちゃんにそれぞれ用意されている

・一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)
 └羊膜は1つずつあるが、胎盤を2人の赤ちゃんで共有している

・一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)
 └羊膜も胎盤も1つしかない状態

という複数の膜性パターンに分かれます。


喜びだけではないけど、でもやっぱりうれしい
私は、赤ちゃんがそれぞれ羊膜で包まれているものの、1つの胎盤を共有しているMD双胎でした。妊娠中はMD双胎特有の病気のほか、多胎妊娠ならではのトラブルにも悩まされていました。たとえば、以下のような症状です。

・TTTS(双胎間輸血症候群)
2人の赤ちゃんが胎盤を共有するため、血流移動がアンバランスになり、赤ちゃんたちに危険が及ぶ、MD双胎特有の病気です。発症はMD双胎全体の2割に満たない数と言われていますが、早ければ16週あたりから発症し、出産直前に発症する場合もあります。そのため、MD双胎だと判明したら、もっとも注意を払う必要のある病気です。

・貧血
胎児に多くの血液が必要なため、単胎妊娠より多く発生します。最初は食事に注意をしながら様子を見ますが、ひどくなった場合は鉄剤が処方されます。

・むくみ
多胎妊娠による負担で、ママの体が急速な変化に耐えられず、起こることが多いそうです。安静、食事療法で様子を見ます。出産後は、利尿作用のある漢方が処方されることもあります。

・切迫早産
急に子宮が大きくなり、お腹の張りも出てくるため、早産になりやすい傾向があります。

双子を授かるということは、妊娠・出産中のリスクが単胎妊娠よりはるかに大きくなるということ。手放しで喜べるものではありません。私は最初、不安から双子だということをなかなか周囲に打ち明けられなかったほどです。でも、胎動を感じ始めて子どもたちの居場所がわかるようになってくると本当に愛おしく、「早く会いたい、でも1日でも長くお腹で成長してほしい」と思うようになりました。

また、双子の場合、医療機関の受診頻度も高くなるので、不安なことは受診の度に解消できて、むしろ安心なくらいでした。

出産を終えたいま、2人が同時に笑いかけてくれると、何物にも代えがたい喜びを感じることができます。双子を妊娠するということは、たしかにうれしさや喜びだけではありませんが、乗り越えた苦労以上の幸せを運んでくれると思っています。現在、双子を妊娠中で不安な人が、この記事を読んで少しでも気持ちがラクになってもらえれば幸いです。

(田中かなた<フォークラス>)

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