人生の先輩から学ぶ 「40代で考えるべきこと」とは?
Woman.excite / 2016年3月1日 12時0分
「人生は短い」いつもそう思いながら日々暮らしてきたけれど、ある出会いをきっかけに「人生は長い」というポジティブな考えが浮かび、長いからどうしようかと真剣に考えるようになりました。
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先日自分の研究ワークの一部で健康な高齢者の方と多くコミュニケーションを取るチャンスがあり、これをきっかけに私の人生観やこれからの計画を考えなおすことになったのです。
今回お会いしたのは60代~80代の健康な高齢者の方々。どの方も地域のため人のために働いておられる方々です。私の人生設計では60歳でリタイアしその後は仕事のことはあまり考えていなかったのが本音でした。しかし今、医学の進歩や予防医学が進み、平均寿命は世界一を誇る日本! 60代からの人生が20年以上もあるのです。さて60歳からどうする…?
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お会いした70代、80代の方がなんとお元気なこと。健康面だけではなく、ちゃんと自分の能力を発揮できるところに身をおき、自分らしく生きるアイデンティティを保っているのです。そして服装や身なりがとてもおしゃれで清潔感に溢れています。私は自分の仕事の内容を忘れ、話を聞くことに夢中になりました。落ち着いた貫禄と相手を優しく包む包容力。そんなに慌てなくて大丈夫ですよ、と声をかけられ、「そうですよね」と思わず涙ぐんでしまいました。
長い人生を “元気に楽しんで” 過ごすためには?
ITに翻弄される毎日、スピードが命の現在。研究職もスピードがものをいいます。そんな中でふと穏やかでアナログな時の流れを感じた瞬間でした。戦後の日本を立て直し、日本の高度成長を支えてきたこの世代。乗り越え、経験してきたからこそ持つこの余裕感。今の私、現代の人たちに彼らの意見や空気感は必要であると感じました。
話も自らの経験をもとに話をしてくださいました。どう感じたか、どう見てきたか、話の興味はつきません。そして最も興味を持ったのは、「どうしてこんなにお元気なのか、どうして楽しそうなのか」ということ。
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今も活発に活動されているが、それは今に始まったことではなく、若い頃から活動的であるということ。習慣というのは年齢を重ねてから変えるのは難しい。今でさえ、自分の生活の傾向をなんとか変えようとしてもかなりの努力が必要になります。
今回お会いした高齢の方がたは、日常的に運動をすること、人とたくさんコンタクトを取り、趣味を楽しみ、おしゃれをして外へでかけることを億劫に思わず、それらは日常的なことであるようでした。
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シンプルな食事で人を家に招き、残りの布でさっとお裁縫をしブラウスを作る、自転車に乗り風を感じる。楽しくて仕方がないという。ゆるやかな時間を感じるけれど、次の予定を聞くと、ポケットからスマホを取り出しスケジュール表をチェックする。ちゃんと時代の波にも乗っているのです。
認知症予防にも? 日々の生活で大切なこと
認知症である人と健常者の脳内を比較したこんな論文(※)があります。認知症の原因としてamyloidβ(Aβ)やTau (タウ)という異常なタンパク質が脳内に沈着し、それが神経細胞を脱落させることが考えられています。その凝集は特に記憶や情動に関連した脳部位に起こるのです。
しかし高齢者の中には健康で、記憶力や認知機能の低下がみられず元気に楽しく暮らしている方も多くいます。健康で認知機能を維持したまま亡くなった方の脳を剖検したところ、Aβが著しく沈着しており病理学的にはアルツハイマーと診断される状態であったといいます。アルツハイマーと診断されて亡くなった方とどこに差があったかというと海馬の体積であることがわかったのです。
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つまり病理学的、組織学的には差はないけれど、アルツハイマー病では海馬の体積の減少が認められたのです。海馬の体積を維持することで、予防も可能であるということを示した研究の1つです。そして海馬は唯一、神経を再生させる能力があり、それは運動や食事、日々の生活で大きく変化をします。ライフスタイルが大きく関与していることは間違いありません。
人生は長い。だから健康=楽しく=一生現役でなくてはいけません。考えさせられる40代、今から準備が必要だと感じた出会いとなりました。
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