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フランスの子育ては「バカンス疲れ」してしまう?

Woman.excite / 2016年3月13日 7時15分

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© kasiati2012 - Fotolia.com


バカンス好きのフランス人。思い通りに休みが取りづらい日本の職場環境から考えると、「うらやましい!」と感じる人も多いはず。でも子持ちのフランス人にとって、バカンスは単に休めることばかりではありません。

休暇はどこかに行かないといけない
フランスの学校は、およそ2ヶ月に1回、バカンスがやってきます。12月から1月にかけてのクリスマス休暇の次は、2月のスキー(冬季)休暇、4月は復活祭の休暇、7月から8月は夏休み、そして10月から11月の万聖節の休暇と続きます。その休みごとに、親は子どもをどこかに連れて行かねばなりません。そのため金銭的にもバカンス疲れするフランス人が多いのです。

日本人からすれば、「毎回、遠出せずとも家の近くで遊ばせていればいいのに…」と思いますが、休暇が終わって学校が始まると、子どもたちの間では「バカンスどこ行った?」という話題で持ちきりに。その時に「どこにも行っていない」となると、その子の家は「バカンスに行けないくらいお金がない…」と周囲から見られてしまうのです。

フランスのすべての家庭が裕福なわけではありません。彼らはどうやって、子どもたちをバカンスに連れて行っているのでしょうか? 


ホテルに泊まるわけじゃない
「バカンス」という言葉から、どこかリゾート地のホテルなどに滞在するイメージを持つ人も多いと思いでしょう。しかしフランス人のバカンスは、ホテルなどに泊まる滞在ばかりではありません。例えば「地方に住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんの家にパリから泊まりで行く」というのも立派なバカンスです。

子どもの友達も一緒に連れて行き、数人の家庭でバカンスごとの担当を回す、といったこともあります。例えば「夏休みは、私たちが借りたロッジに一緒に連れて行くから、次のバカンスはお願い」といった感じに。輪番にすれば、バカンスごとに子どものためにどこかへ出かけなくても済みますし、親も自分の時間を作れます。また、子供だけサマースクールなどに参加させることもあります。

加えてバカンスは、「旅先で何かをする」というより「そこでゆっくり過ごす」ことが主な目的です。そのため、滞在中に色々なアクティビティをぎっしり詰め込んで、そのための出費が大幅にかさむ、という滞在スタイルではありません。

職場で休みはどうやって取るのか
フランスでは年間5週間の有給休暇の取得が法律で定められています。フランス人はそれら権利を存分に使います。同じ期間に一斉に休んでは、当然仕事に支障が出るため、子どもがいる人は学校の休みに合わせて、一方で子どもがいない人はそこを外して取るなど、お互い調整しながら順番に休暇期間を回すことが多いです。

日本では、周囲に配慮して休みを取りづらいという職場も多いです。しかし休暇は法律で定められ、就労前に労使間で合意しサインした契約書に記された項目の1つですから、フランス人にとってはそれを使わないことの方が不思議がられます。

こうやってフランス人は子どものために休暇を取りつつ、(日本人の感覚からすれば、すぐやって来るそれらバカンスとともに)1年が過ぎていきます。
(加藤亨延)

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