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理想の家族は都市伝説⁉ 思想家に学ぶ子育てのヒント<内田樹 編>

Woman.excite / 2016年3月14日 6時15分

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スーツケースと物思いにふける人


© maccc - Fotolia.com


今やメディアに引っ張りダコの思想家・内田樹さん。『街場の教育論』(ミシマ社)や『14歳の子を持つ親たちへ』(名越康文との共著/新潮新書)など、家族や教育に関する著作も数多く世に送り出しています。

一緒に過ごす家族との問題に、日々頭を悩ませている人も多いはず。家族の人間関係は、距離が近いだけになかなか客観的に考えられませんよね。どうすれば良好な家族関係が築けるのでしょう? 内田樹氏の主張をわかりやすく紹介します。

何よりもまず、「儀礼」が大事
みなさんは家族において最も大事なことは何だと思いますか?「愛情」や「理解」?あるいは「価値観」?
内田樹氏は、家族においてもっとも大事なことは「儀礼」だといいます。

家族の条件というのは家族の儀礼を守ること、それだけである。
それがクリアーできていれば、もうオッケーである。
朝起きたら「おはようございます」と言い、誰かが出かけるときは「いってきます」「いってらっしゃい」と言い、誰かが帰ってきたら「ただいま」「おかえりなさい」と言い、ご飯を食べるときは「いただきます」「ごちそうさま」と言い、寝るときは「おやすみなさい」と言いかわす。
家族の儀礼のそれが全部である。
それができれば愛も理解も要らない。
私はそういう意見である。




愛情と思いやりがあふれる家族は都市伝説
では、なぜ内田樹は「儀礼」こそが大事なことだと主張するのでしょうか。それは、内田氏の以下の発言に表れています。

「愛だの理解だの共感だの思いやりだのとよけいな条件を加算するから家族を維持することが困難になってしまったのである」




家族みんなが全員への愛情に溢れ、その胸中の隅々まで理解しているような家族というのは一種の理想に過ぎなく、それを追い求めるがゆえに不満が生まれるという現状があると、内田氏は言っているのです。

家族みんながお互いへの愛情や思いやりにあふれている――そのような家族は理想でしかなく、なかなか存在しうるものではありません。それは、ある種の都市伝説のようなものです。フィクションに近いと言っても過言ではありません。

家族というものに「愛情」や「理解」や「価値観の一致」を条件付けるのは、あまりに要求が高すぎると内田樹氏はいうのです。高すぎる理想は、自分の首を絞めることになります。


「家族」をもっと気楽に考えよう
内田樹の指摘はつまり、「家族については、肩肘張らずにもっと気楽に考えよう」ということだと思います。家族同士の愛情が薄いと感じたり、理解が足らないと感じたりすることがあっても、挨拶などの「儀礼」さえきちんとできていれば、それはとりあえず「よい家族」なのだと思ってよいのではないでしょうか。

高い理想を追うがゆえに不満顔で生活する人と、現状にある程度満足し、ニコニコして暮らす人。どちらが家族によい影響を与えているかを考えてみましょう。それが内田樹の言いたいことなのだと思います。

(サカマキ貝<フォークラス>)

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