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電力自由化で自然エネルギーの電気って選べるの?

Woman.excite / 2016年4月1日 6時15分

電力自由化で自然エネルギーの電気って選べるの?

再生可能エネルギー イメージ

4月からの電力自由化で、ついに私たち一般の消費者が電力会社を選べる時代になりましたね。どのように選ぶかについてはさまざまですが、「できれば自然エネルギーで作られた電力を買いたい」という基準で選ぶ方もいるのでは? 今回の自由化で、自然エネルギーで発電された電力を購入するために、知っておきたいことをまとめてみました。


© imacoconut - Fotolia.com


100%自然エネルギーで作った電気だけを買うことはできない
自然エネルギーとは、太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマス発電などのことで、再生可能エネルギー(以下再エネ)とも呼ばれています。日本では、今のところ約12.6%がこうしたエネルギーによって発電されています。(2014年度 大規模水力発電含む)(注1)

風力や太陽光は、天候次第で発電量が大きく変動するから不安定といわれますが、電気の質が変わったり、停電しやすくなったりといった心配はあるのでしょうか。

電力会社は、需要と供給の電気の量をつねに一定にしなければいけません。風力や太陽光発電などの大きく変動する電力は、発電量の微調整が可能な火力発電と組み合わせるなど電力会社で調整がおこなわれます。
万一、発電所などにトラブルがあった場合も、地域電力会社(東京電力など既存の電力会社)との間で契約しているため、停電の心配はありません。

電気の質は原発でも太陽光でも、発電方法に関わらず同じです。2020年に発送電分離が始まるまでは、これまで通り、地域電力会社の送電線を使って送られてきます。
電気は送電線で混ざってしまうため、実際には再エネ発電の電力だけが必ず家庭に届くというわけではありません。ですが、再エネ発電事業を行っていたり、再エネ発電の電気を積極的に購入したりしている会社から電力を購入することで、再エネの比率の高い電気を購入することができます。



(注1)内訳 水力8.2% 太陽光2.2% バイオマス1.5% 風力0.5% 地熱0.2%
出典:自然エネルギー白書2015 サマリー版 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所




自然エネルギーで調達した電気=「FIT電気」をチェック
電力会社がどういった電力を供給するのかを調べるときは、「電源構成」を調べればわかります。電源構成をみると、「FIT電気」という見慣れない言葉があるかもしれません。この言葉、何のことだかわかりますか?

FITは2012年7月にスタートした固定価格買取制度(Feed-In-Tariff)の略称です。
「FIT電気」は、この制度によって交付金を受けた再エネ発電による電力のこと。「自然エネルギー」とか「クリーン電力」といった環境にやさしいイメージの言葉を使ってはいけないと決められています。なぜでしょうか。

固定価格買取制度(FIT)では、再エネで発電した電力は、電力会社が一定期間、固定価格で買い取らなければなりません。
私たちが月々電力会社に支払っている電気料金には、使用した電気料金のほかに「再エネ発電賦課(ふか)金」が課せられていますよね。(平成28年度は2.25円/kWhに決定)
利用者全員から徴収した賦課金と、電力会社が発電をしないですんだとみなして算出される「回避可能費用」をもとに、その年の買取価格が決まるというしくみになっています。

「国民全体から集めたお金で売買されるFIT電気を、それぞれの会社が環境によさそうな付加価値をつけて販売するべきではない」ということで、「FIT電気」もしくは「FIT(太陽光)」などの表示の仕方が義務化されました。

交付金によってまかなわれている電力という意味の「FIT電気」に対して、「再生可能エネルギー」と書かれているものは、FIT制度を利用しないで調達した電力ということになっています。

なお、東京新聞の調査によれば、首都圏でホームページなど消費者がみられる形で公表している電力会社は、3割にとどまっているとのこと。(2016年3月26日)今のところ、電源構成の開示は義務ではないため、載せていない電力会社のほうが多いのが現状です。契約を検討している電力会社が開示をしていなければ、問い合わせてみましょう。

再生エネの電気代は高くつく?
今後どうなっていくのかはわかりませんが、現時点ではこれまでの電気代と同じくらいか、少し安い価格設定が中心で、再エネだからといって特別高いわけではありません。

現在の日本のエネルギー自給率はたったの6%。残りの94%は海外からの輸入に頼っているのが現状です。原子力や、CO2排出量の多い化石燃料に頼らず、自然エネルギーで電力を自給自足できるようになれば、社会のしくみも大きく変わっていく…そう考えて未来に投資するつもりで、自分に合った電力会社を探してみるのもひとつの手です。


新電力会社で再生可能エネルギーを重視している会社
家庭向け電力プランの申し込み受付を始めている、再生可能エネルギーの発電や買取に力を入れている新電力会社をいくつか紹介しましょう。(2016年3月時点の内容です)

Looopでんき
再生エネ6% FIT電気20% その他74%
2016年5月31日申し込み分まで基本料金0円

みんな電力
ホームページ上での電源構成の公表は準備中
FIT電気(太陽光)55% 非FIT電気(太陽光)15% 常時バックアップ30%(2016年2月実績概算)
応援したい再生エネ発電所を選ぶと料金の一部が支援される

ソフトバンクでんき(SBパワー) FITでんきプラン
FIT電気57% リサイクル発電5% 卸電力取引所5% その他14%
メガソーラー発電所あり

株式会社生活クラブエナジー
生活クラブ生協に加入する組合員世帯対象。2016年10月~本格運用開始
風力発電所、メガソーラー発電所設置 バイオマス発電提携。
再生エネ30~60%予定 

生活協同組合コープさっぽろ(トドック電力)
コープさっぽろに加入する組合員世帯対象。FIT電気60%の「FIT電気メニュー」あり。

エコスタイルでんき
※現状非公開。ホームページ上での公開を検討中。

再生可能エネルギーの生産比率は現状12.6%
再生可能エネルギーは日本全体で12.6%しか作られていないので、供給量の多い会社ほどFIT電気の比率は低くならざるを得ません。また、現時点では再エネ100%の会社もありません。常時バックアップ用の電力が必要なためです。今後、バイオマスや地熱発電などでバックアップが可能になれば、100%再エネを供給する会社も出てくるかもしれません。

ほかにも今後、家庭向けへの配電の準備を進めている電力会社はありますが、地域電力会社による接続保留の問題や、FIT制度の変更によって、苦戦を強いられているところも多いようです。再エネ発電に関心を持つ人が増え、再エネ発電の市場が活発になっていけば、今後もっと選択肢が増えていくことでしょう。
(KANA)

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