夫が急死! まず妻がしなければいけない3つのこと【夫を亡くしたとき 妻が知っておきたいお金のこと 第1回】
Woman.excite / 2016年11月16日 21時0分
働き盛りの夫が突然死んでしまった!
考えたくないことだが、万が一のときに、すべてを取りしきらなければいけないのは、妻である私たち。「人にはなかなか聞きづらいことだけれど知っておきたい大切なこと」という思いが、今回取材にいたった背景だ。
© sharaku1216 - Fotolia.com
今回は「夫が突然死亡したときのお金」について、『夫が亡くなったときに読むお金の話―あなたの生活を守る届出と手続き』(東洋経済新報社)の著者でフィナンシャル・プランナーである内藤浩介さんにお話を伺った。内藤さんは現役の生命保険会社の社員で、長年、夫を亡くした妻にアドバイスを行っている。
■その1 夫にまさかの事態! 万が一のときセットの用意
朝、夫を「行ってらっしゃい!」と送り出した数時間後、救急車や病院から電話がかかってくる。
実は、この記事を書いている私自身が、救急隊から「旦那様が脳内出血を起こしている可能性があります。すぐに病院に来てください」と連絡をもらったという経験がある。
さいわい大事にはいたらなかったのだが、実際に「夫の命が危ない」という当事者になってみると、あたり前だが、尋常ではない程気が動転してしまった。そこで最初に、この話から初めてみよう。こんなとき、妻はどうすれば良いのだろうか?
「『ここは冷静に行動し、●●を用意した上で病院に駆けつけましょう』と解説している本が多くあります。けれども、ひとまず財布と携帯だけ持って行けば大丈夫。いちばん大切なことは、子どもの安全の確保です。子どもの迎えには身内や親しいママ友などに頼み、幼稚園(学校)には『○○が迎えに行きますので、それまで幼稚園(学校)で待機させてください』と先生に必ず連絡を入れましょう」(内藤さん)
冒頭の事態の際にはわれながら、「よく病院にたどり着いたな」と思っている。それくらい気が動転していて、記憶がない。それが現実だ。
だからこそ『万が一のときセット』を事前に用意するというのはアリかもしれない。普段から用意しておきたい持ち物は、次のとおりだ。
●夫に万が一のことがあったとき、病院に持っていくもの
1)夫の健康保険証
2)夫名義の貯金通帳
(夫が死亡すると口座が凍結されるため、その前にまとまったお金をおろすために必要)
3)夫のアドレス帳やメモ帳
(夫の親類や友人・知人に連絡する際に使用)
4)自分用の数日分の着替え
(病院の泊まり込みを想定)
出典:『夫が亡くなったときに読むお金の話―あなたの生活を守る届出と手続き』(内藤浩介/東洋経済新報社)より抜粋
■その2 病院で亡くなってしまったとき 最初にすること
病院に駆けつけたものの、祈りむなしく夫が亡くなってしまったら、どうしたらよいのだろう。
「妻のあなたは頭が真っ白になり、ショックを受けることでしょう。ですが、現実問題としてはショックを受け入れる間もなく、さまざまな手続きや届け出に追われることになります」(内藤さん)
最初にやるべきことは、葬儀社を決めること。なぜなら、病院は基本的に遺体を安置してくれないから。ゆえに、遺体を自宅に運ぶか、葬儀を行う葬儀社に運ぶか、すぐに決める必要があるのだ。
「遺体の搬送は自家用車でもできますが、葬儀社に頼んだほうが安心でしょう。葬儀をどこで行うか決めていない場合でも、遺体の搬送だけを頼むこともできます」(内藤さん)。
■その3 自宅で亡くなったとき してはいけないこと
「注意が必要なのは、夫が自宅で亡くなったとき。死亡したかどうかの判断は医師にしかできないので、必ず検視が必要となります。医師が死亡を判断するまでは家族が布団などへ動かすことも、葬儀社が遺体に触れることもできません。現場はそのままに保存しておく必要があります」(内藤さん)
●現場をそのままに保存しておく必要がある場合
・溺死、事故死、災害死、自殺などの場合
・生前にかかりつけの医師がいない場合
・病死(自然死)であるか不明の場合
・指定された感染症による死亡、または中毒死などの場合
・殺人、過失致死などの犯罪死、あるいはその危惧がある場合
出典:『夫が亡くなったときに読むお金の話―あなたの生活を守る届出と手続き』(内藤浩介/東洋経済新報社)より抜粋
死亡が診断されたあとは、葬儀となる。次回は、葬儀社の選び方と費用の目安についてのお話です。
『夫が亡くなったときに読むお金の話―あなたの生活を守る届出と手続き』
(内藤浩介/東洋経済新報社 本体1,400円+税)
Facebook:内藤浩介さんFacebook
(楢戸ひかる)
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