アルコール消毒も二日目カレーもダメ!? 間違いだけらの冬の食中毒対策
Woman.excite / 2016年11月20日 20時0分
梅雨時や夏に多いというイメージのある食中毒ですが、意外にも、もっとも発生率の高い季節は冬だといわれています。じつは、普段からやっているその予防法や食事作りに、食中毒発生の可能性も!?
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子どもの健康のためにも、「冬は気温が低いから菌も繁殖しにくいはず」などと油断せず、しっかり予防しましょう。
■冬に多い食中毒とは?
暑い時期に増加する細菌性の食中毒とは異なり、冬場の食中毒の多くはウイルス性。なかでも気をつけなければいけないのが、「ノロウイルス」と「ロタウイルス」です。
いずれも症状はおう吐や下痢、腹痛など。小さい子どもはとくにかかりやすく、感染力がとても強いため、子どもを看病しているうちに家族全員ダウン、なんていうことも。
ノロウイルスもロタウイルスも、そのほとんどが経口感染といわれています。ウイルスのついた手で調理や食事をすると、人から人へと感染が広がってしまいます。子どもが感染した場合、吐いたあとやオムツの後始末をしたママが同じ症状に…というケースが多いのも、排出物に含まれたウイルスが体内に侵入してしまうからなのです。
■アルコール消毒に効果がない?
除菌や消毒と聞いて、一般的に思い浮かべるのが、「アルコール消毒」。今の時期流行する風邪やインフルエンザの予防も兼ねて、普段からアルコール消毒を習慣づけているママも多いかもしれません。
しかし、ノロウイルスやロタウイルスには、アルコール消毒はあまり効きめがないといわれています。なぜならウイルスは、通常「エンベロープ」という膜で包まれていて、この膜は部分が脂質でできているために、これを破壊できるアルコールが有効とされています。しかし、ノロウイルス、ロタウイルスにはこのエンベロープがありません。
インフルエンザは、アルコール消毒が有効ですから、一概にアルコール消毒自体が効果がないわけではありません。でも一番の予防法は、石けんでの手洗い。爪の間や手首も忘れずに、しっかりと洗いましょう。細菌やウイルスが残ってしまうことがあるため、手を洗うときは指輪や腕時計は外してください。アルコール消毒する場合にも汚れた手につけても十分な効果がえられないので、やはり手洗いは大事です。
また、洗ったあとの手を拭いたタオルも注意。一度使ったタオルは水分がついて、雑菌が増えやすい状態になっています。せっかく洗った手に菌がつかないように、タオルはこまめに変えるようにしましょう。
■子どものおもちゃの消毒方法は?
家族がノロウイルスやロタウイルスに感染してしまったときは、床や家具、衣類などにウイルスが付着している可能性もあります。
この場合も、アルコール消毒は効きにくいため、消毒には次亜塩素酸ナトリウム液を使用しましょう。薬局などで購入できますが、家庭用の塩素系漂白剤を水で薄めて使ってもOKです。
子どもが口に入れがちな服やおもちゃなど、漂白剤を使いたくない場合は熱湯消毒を。85℃以上のお湯で、1分以上加熱するようにしてください。
■“二日目カレー”が危険だった!?
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冬においしいカレーやシチューなどの煮込み料理。とくに「二日目のカレー」のおいしさは定番となっており、大量に煮込んで翌日も食べる家庭も多いのではないでしょうか。
しっかり煮込んであるから安心と思いがちだが、食中毒リスクを考えるとNG。「一度しっかり加熱したから」「気温の低い冬だから」と油断していると、鍋の中で菌が増殖してしまう危険があるのです。
原因となるのが「ウェルシュ菌」。自然界や食品にも広く存在する菌ですが、増殖すると、腹痛や下痢などの食中毒症状を引き起こします。注意しなければいけないのが、このウェルシュ菌は熱に非常に強いこと。たとえ高温で加熱したとしても、芽胞となって活動を停止するだけで、生き延びてしまうのです。
鍋が徐々に冷め、45℃くらいになると、ウェルシュ菌は急激に増殖をはじめます。大量の煮込み料理は冷えるのも遅いため、一晩たった頃には菌だらけになってしまう危険性が!
このため鍋料理をひと晩置く場合は、決して常温で放置せず、面倒でも小分けにして冷蔵庫へ。温め直して食べるときは、電子レンジではなく、煮込み直してしっかりと加熱を。ウェルシュ菌は酸素を嫌うため、加熱の際はよくかき混ぜて空気に触れさせるのもポイントです。
寒いから大丈夫…と油断しがちな冬場の食中毒。正しく予防して、子どもや家族の健康を守ってあげたいですね。
(かとうともみ)
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