受験の結果、気にしなくて大丈夫! 落ち込むママたちに伝えたいこと
Woman.excite / 2017年2月25日 21時30分
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桜の下で手を取り合う親子
春は出会いと別れの季節ですね。この3〜4月にお子様の卒園・卒業や新入学を迎える方も多いと思います。
子どもたちが新しい環境でどんな風に成長するのか、これからがとても楽しみですが、もしもあなたが今、そんな気持ちになれていないとしたら…。
私はカウンセラーの仕事を始めて9年になりますが、毎年11月後半から春の終わりごろまでに一気に増える相談が「子どもの受験結果が希望どおりでなかったことへの落ち込みをどうしたらいいか」です。
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■幼稚園・小学校受験で落ちてしまった場合
幼稚園や小学校の受験は、親の意向で決められるうえ、受験対策の教室では「幼稚園・小学校受験はそれまでの子育ての総決算! ご両親の資質が問われます」などといわれることも。
すると「受験に合格=親として優良、正しい子育てをしてきたと世間から認められる」ような感覚に陥り、結果が思わしくない場合は「親としてダメ」と烙印(らくいん)を押されたような気になってしまいます。
そんな時「一生懸命子育てをしてきたのに、どこがいけなかったのか」と落ち込んでしまうお気持ちはすごく理解できます。
しかし、我が子の受験はもちろん、友人知人、ご相談いただいた方々のお子様の受験後の成長を多数見聞きした今、「最終的にはその子にとってよりフィットする、的確な道に進むのだから、何も心配しなくて大丈夫!」と実感しています。
それは、たとえお子様の目の前の進学先が希望と違ったとしてもです。とくに幼稚園・小学校受験では、うまくいかなかった場合、親は自分を責めてしまいます。しかしあとで振り返ると、「ここにたどりつくために、あの受験結果があったのだ」とおっしゃるお母様がほとんどなのです。
■受験は就職活動やオーディションに近いもの!?
幼稚園・小学校受験は、受験というより就職活動やオーディションに近く、その合格基準は「親としての優劣」ではなく「“その年の”学校の二―ズにたまたま合致したかどうか」ではないかと感じます。
一般的におとなしめで真面目なお子様が受かりやすいといわれる某女子校にお嬢様を通わせていたお母様が、以前「学年によって全体の雰囲気が違う。とても静かでこの学校らしい学年もあれば、こんな子がいるの!? というような活発な子が多くて騒がしい学年もある。学校全体でバランスをとっているのかも」とおっしゃっていました。
だとすれば、「うちの娘はおとなしいからこの学校に合っている」と思って受験した年、たまたま「元気な子優先」の方針だったとしたら、校風に合っていてもご縁がない可能性が高くなるでしょう。
こういったことが往々にして起こりやすいのが幼稚園・小学校受験なのだと思います。ですから、「うちの子が、もしくは親の自分たちが何か至らなかったからダメだった」などと考えることはないのです。
そして、そのような「たまたまニーズ」にお子様が合致せず別の学校に進学したとしたら、おそらくそれは「そちらのほうがお子様の未来にとっては良かった」のだと思います。親の希望する進学先よりも、実はより子どもに合っている学校が他にあったのだと後でわかるケースも多いのです。
■中学受験の失敗をどう考えるか
中学受験は、ある程度お子様ご自身の学力が必要ですが、そこは若干12歳、まだまだ精神的な成長に個人差があります。
私は、中学受験の勉強の成果は、子どもの精神的成熟度合に比例するように思います。本人が「勉強」の必要性を認識し、自分を律して努力できるようになる時期が、中学受験の時期よりもう少し後だったということは十分ありえます(そして、もちろん早ければいいということでもありません。大人になるスピードが子どもにより違うだけです)。
とりあえずは親のコントロールが効いて、なんとか勉強して難関校に入ったとしても、オトナな同級生のなかで子どもが自分を見失ってしまうケースもご相談事例としてはよくあります。
■あるご家庭の場合
あるご家庭で、お嬢様を受験で苦労させたくないからと、幼稚園からエスカレーター式で大学まで行ける女子校を受験させました。とてもきちんとしたご両親・お子様でしたが、意外なことに幼稚園・小学校ともにご縁がありませんでした。
ご両親はその学校の校風がとても気に入っていたので、中学受験でもう一度チャレンジと思っていたそうです。一方お嬢様は「女子校よりも男女共学の学校に行きたい」と主張。現在は別の大学付属の共学校に通われていますが、毎日とても楽しいそうです。
お母様も「幼稚園、小学校で希望がかなわなかったときはとても落ち込んだけれど、あの学校に行けなかったから今の学校を選択できた」と、今では喜んでいらっしゃいます。
■まとめ
たとえ今は前向きに捉えられなくても、子どもは日々成長します。いくらでもやり直しはききますし、子どもに合った進学先は必ずあるはずです。
だからこそ、目の前の進学先を「色眼鏡」で見ないでいただきたいです。心理用語では「認知の歪み」といいますが、人は目の前の事実を「自分が見たいように見る」もの。「こんな学校ダメだ、イヤだ、ホントは○○に行きたかった、○○ならこうだったはず」と思っていると、その学校でいいことがあったとしても、全てダメでイヤなことに思えてしまいます。そうなると、せっかくの子どもの成長の機会を親が奪ってしまうことにもなりかねません。
どんな場所であっても、未来につながる学びはあります。その思いがあれば、きっと「あの時はどうなるかと思ったけど、こうなってよかったね」と笑って過ごす日が訪れます。
ですから、子どもの日々の成長力を信じて見守ってあげてください。桜が咲くころ「新しい学校楽しみだね!」と笑顔でお子様に声をかけて、充実した未来に向けて一歩を踏み出してくださいね。
(佐藤栄子)
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