教育資金はおトクに贈与してもらう! パパ・ママが「親のお金」をうまく生かす方法【知っている人だけトクする税金術 2017 第5回】
Woman.excite / 2017年4月14日 20時30分
![教育資金はおトクに贈与してもらう! パパ・ママが「親のお金」をうまく生かす方法【知っている人だけトクする税金術 2017 第5回】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/womanexcite/womanexcite_E1489128214201_0-small.jpg)
・一発でガツンと大きくトクする! 家計を元気にする税金のイロハ
・贈与税の裏事情でトクをする!? 親もママも税金対策できる “住宅購入” のコツ
・住宅ローン控除を利用できる人、利用できない人
・聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点
の続きです
税金制度が、じつはすごい勢いで変化しているということをご存じだろうか? 2015年4月に課税ラインが下がったことで、一部の裕福な人の悩みだった相続税が、多くの人に影響してくる時代となった。
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こんな時代にパパ、ママの親のお金をうまく生かす方法はないものだろうか。税理士の湊 義和(みなと よしかず)さんに、相続税対策について、そしてパパ、ママの親にとっての「孫への教育資金贈与」についてもお話を伺った。
■相続税対策は、大きくわけて2つ
2015年4月、相続税の基礎控除額(税金が免除になる境界ライン)が、ほぼ6割に切り下げられた。本格的な相続税対策のすべては説明できないが、方向性として相続税対策は、大きくわけて2つある。
対策2:生前贈与対策を検討する
前回の記事(聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点)では、対策1 についてお話をした。今回は、対策2の「生前贈与対策」について説明しよう。
■「生前贈与対策」のポイント まずは制度を知ろう
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親や祖父母などの個人から贈与を受けると「贈与税」がかかる。
贈与税には、次の2つの制度がある。
将来、間違いなく相続税がかからない人 ⇒ 相続時精算課税制度
相続税の課税ライン引き下げにより、「将来、相続税がかかる人」は増加すると予想される。他人事だと思っていると、もしかしたら損をするかもしれない。
なぜ、「将来、間違いなく相続税がかからない人」だけが、「相続時精算課税制度」を使うべきなのだろうか? そもそも「相続時精算課税制度」とは? 次ページから、そのポイントを説明する。
■そもそも「一度に多額の贈与」は、いったい何が問題なのか?
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通常、一度に多くの贈与を行うと多額の贈与税がかかってしまうが、「相続時精算課税制度」を利用すると、一度に2,500万円まで贈与しても贈与税がかからない。
しかし、この制度は、せっかく生前に贈与しても、相続税の計算のときには贈与した財産の金額が、また相続財産として扱われるので、相続税がかかる人にはメリットがあまりない制度だ。つまり、「相続時精算課税制度」は一度に大きなお金を贈与できるかわりに、実際の相続発生時には、その金額は相続財産として計算される。
一方で、「暦年課税制度」は、年間110万円までの贈与なら税金がかからない。子どもに贈与した財産は、相続発生時に「子どもの財産」として計算され、相続財産とはみなされない。
●「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」のメリット・デメリット
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(Woman excite編集部作成)
前述の通り、相続税の課税ラインが引き下がったので、「将来、相続税がかかる人」は増加すると予想される。それを考えると、「相続時精算課税制度」を使う人は少なくなっていくだろう。
■孫への教育資金の贈与は「コツコツ行う」のがおトク
ところで孫への贈与というと、「教育資金贈与」が話題となっているが、この制度は、「1,500万円までなら贈与時に贈与税がかからない」というものだ。教育に限ってしか利用できなく、また贈与した孫が30歳になるまでに使い切らなかった場合には、贈与税が課税されてしまう。
「将来、相続税がかかる人は、親に『暦年課税制度』を使って、コツコツと時間をかけて相続財産の移行を行うのが得策だと伝えてほしいです」(湊さん)
時間をかけて相続財産を移行させることで、パパやママの世代が教育資金など必要なときに役立ってくるのではないだろうか。
次回は、「身近な「医療費控除」も新制度がスタート! 家計を元気にする節税のきほん」です。
この記事は2017年1月の取材に基づいて書いています。
![](https://s.eximg.jp/expub/feed/Woman_woman/2017/E1489128214201/1490179155_4.jpg)
『家計を元気にする 税金活用術 「節税」から「活用」へ』
湊 義和 / 中央経済社 ¥1,600(税別)
湊 義和さんプロフィール
中小企業を応援する政府系金融機関のサラリーマンから一念発起して税理士になった経歴の持主。とかく難解な税金の世界の水先案内人として、一般の方の税金相談から独立開業、二代目の事業承継などさまざまな相談に乗るのが生きがい。趣味は最近少し人気が回復してきたスキー。
(楢戸ひかる)
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