「たっぷりのお湯」にはワケがある! 青菜の栄養を逃さないコツ
Woman.excite / 2017年3月26日 7時0分
茹でたほうれん草
野菜は毎日たっぷり食べるように心がけたいものですが、調理法が間違っていると大切な栄養素が壊れてしまったり、失われたりすることも。また、味や見た目も、調理法に大きく左右されます。
野菜の中でも特に不足しがちな、ほうれん草・小松菜などの青菜は、調理する際に気をつけたいポイントがたくさんあります。バランスの良い食生活には欠かせないので、上手に調理して、効率良くその栄養を摂取しましょう。
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■茹でるときは、なぜ「たっぷり」のお湯?
レシピ本などを見ると、青菜を茹でる工程ではかならずといって良いほど「たっぷりのお湯で」と書かれています。青菜を茹でるためだけに、大きな鍋にたっぷりのお湯を沸かすのは面倒。できれば少量で済ませたいですが、なぜ「たっぷりのお湯」なのでしょうか?
実はこれ、重要なポイントなのです。青菜を入れたときにお湯の温度が下がってしまうと味・色・栄養が落ちてしまうため、「たっぷりのお湯で茹でる」必要があります。
お湯の温度が下がると青菜に含まれている酵素が活性化し、変色してしまうそう。また、茹で時間が長くなると栄養分が逃げてしまい、食感や味も落ちます。そのため、青菜は「たっぷりのお湯」でサッと茹でることが大切。お湯の量は、調理する青菜の重量の5倍程度が目安とされています。
青菜を茹でる際には塩を加えることが多いですが、これは塩が酵素の活性化を妨げる働きを持っているから。お湯の0.6~1%程度の塩を加えると、変色を防ぐ効果が期待できます。
■色止めのコツ
ほうれん草や小松菜の緑色は、食卓を華やかにしてくれます。そんなキレイな緑色をキープするためには、ちょっとした工夫が必要。それが「色止め」です。
たっぷりのお湯で茹でた青菜はすぐに冷水に入れ、冷やして色止めします。冷水の量が少ないと、青菜が含んでいるお湯によって温度が上がってしまうため、大きめのボールにたっぷりの冷水を準備しましょう。氷を加えて、冷水の温度が下がらないようにする方法もおすすめです。
色止めした青菜はボールから取り出して、使用するメニューに合わせて適度に水気を絞ります。
■根元についた土に注意!
ほうれん草や小松菜といった青菜は、株の状態で売られています。株の根元を切り落としてしまうとバラバラになって扱いにくいため、下茹でまでは株をつけたまま調理することをおすすめします。
ただし、株の根元の部分には土がたまりやすいため、大きめのボールに水をはり、その中で振り洗いして土を落としてから調理しましょう。
株のお尻に十字の切り込みを入れて水に浸けておくと、自然に株が開いて土が落ちてきます。そのあとに軽く振り洗いすると、より簡単にしっかり土を落とすことができます。
■下茹では絶対に必要?
下茹では面倒ではありますが、その主な目的は「アク抜き」です。
特にほうれん草はアクが強いため、下茹でせずに調理するとエグ味が気になる場合があります。そのため、おいしく仕上げたいと思ったら、やはり下茹での一手間が必要です。
しかし、小松菜は比較的アクが少ないため、生の状態で炒め物に使っても、エグ味などはそれほど感じません。下茹でが必要かどうかは、その青菜のアクの強さで判断すると良いでしょう。
下茹でするときには「サッと茹でる」とよくいいますが、「サッと」とはどの程度の時間なのか? 適切な茹で時間は、どのようなメニューに使うかによって異なります。
たとえばおひたしのように、茹でた青菜に味を付けて食べるメニューの場合は、2分程度が目安。炒め物などに使う場合の下茹でなら、30秒から長くても1分程度にとどめましょう。
■噂の「50度洗い」とは?
「野菜はお湯で洗うと良い」
そんな噂を耳にしたことはありませんか? 50度前後のお湯で野菜を洗うことで、しなびた葉が復活したり、アクが抜けたりと、さまざまなメリットが得られるのだとか。甘みが増す、香りが良くなるなどの味の面でも良い効果が期待できるそうです。
恥ずかしながら我が家の冷蔵庫にシナシナ・ヘナヘナ状態の小松菜があったので、実際に試してみました。
ボールに50度前後のお湯を入れ、その中で小松菜を20秒ほど振り洗い…。すると確かに、葉・茎の張りが戻りました。そのまま少しかじってみると、食感もシャッキリ。これは覚えておくと役立ちそうです。
ただ、お湯の温度が40度以下に下がってしまうと、雑菌の繁殖につながる可能性もある様子。また、お湯の温度が高すぎると野菜がべチャッとしてしまうこともあるようです。
そのため、お湯の温度には注意が必要。温度計を使ってこまめに湯温をチェックする、途中でお湯を足すなどの工夫をすると良いでしょう。
洗って土を落として、さらに下茹でと色止めを…と、ちょっと手間がかかる青菜。しかし、その手間こそが、おいしく食べるためのコツなのです。
(森川ほしの)
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