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「みんなができることが、アナタはできないの!」と言ってしまうママへ【ママのプロになる! Vol.4】

Woman.excite / 2017年5月25日 22時0分

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イラスト:平松昭子



子どもを生んではじめて、ママとなる。でもママになった瞬間、自分自身もそして周りからも「プロ」であることを求められているような呪縛にとらわれることありませんか?

どうしたら本当の「ママのプロ」になれるのか? 木村 泰子先生からプロの極意である「ママたちに伝えたい20のこと」を教えていただきます。
<木村 泰子先生とは>
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』に出演して、不登校ゼロの公立小学校として話題を集めた大空小学校の初代校長。
話を聞くのは、「先生の言うとおりにできない自分がダメ」と小学校時代に思いこんで育ちながら、「枠からハミ出てしまう」わが子に対して、「世の中で生きていくためには、フォーマットの中にいれないと」という気持ちにもなってくるライター楢戸ひかる。

■みんなができることが、何でアナタはできないの!


© gamelover - Fotolia.com


木村親の視点で物事を考えているから、自分の価値観にはめよう、はめようとしてしまう。自分が子どもにかけた言葉を、いま振り返ってみてください。

楢戸:「ちゃんとして」「何で、そうなの?」「いい加減にして」などです

木村:こんな風に言わなかった? 「○○ちゃんをよく見てみなさい。アナタみたいなこと、していないでしょ」「みんなができることが、何でアナタはできないの

楢戸:「みんなができること、何でアナタはできないの」。それ、私も言われていました。

木村:みんなができることを、させようとする。ハミ出ている子を、普通にちょっとでも近づけようとする。これって、本人からしたらハタ迷惑な話ではなかった?

楢戸:私自身、「みんなができることができない」と言われ続けてきました。私は、「みんなができること」、いわゆる「普通」を目指したのですが、結局、「普通」にはなれなかった。

「『普通路線』は無理だ」と思ったので、自分が生き残る道として、得意な書くことを生かしたライターの仕事をすることにしました。

■子ども時代に受け止めてもらえなかったママの子どもは?
木村:もし30年前に「あなたは、あなたで、いいよ」と、先生や親に言ってもらっていたとしたらどうですか? 「みんなができることができない」で、楢戸さんは誰かに迷惑をかけたと思う? 

楢戸:「迷惑をかけている」ということになってしまうんです。先生からは「みんなと同じことができない、あなたが悪い」と言われる。親からも、「学校の先生に怒られたから、あなたは悪い」と言われてしまうんです。

木村:それは「親が自分の子どもを丸ごと受け入れて信じろよ!」っていう話でしょ。


© Monet - Fotolia.com


楢戸:「自分が受け入れてもらってきていないから、子どもを受け入れてやれない」ということに、最近、気がつきました。「息子が普通であって欲しい」と思う根にある問題は、私自身の問題だというところに行きつきます。

木村:楢戸さんの話は、「母が変われなかったから、子どもが二次障害(被害)を受けてしまいますよ」ということだと思うの。

同じように、このことを集団の場に置き換えて考えてみて。「教員が変わったら、子どもが苦しまない」。もっと言えば、「まわりの子が変わったら、その子は苦しまない」。まったく一緒の仕組みなんですよ。

■型にはまった教育を受けてきた苦しみ


© kai - Fotolia.com


楢戸:「型にはまった教育を受けてきた苦しみ」というものに、みんながそろそろ気がつき始めていると思います。私たちの世代が、心の傷を癒やすことができたのなら、うちの息子のような子も受け入れられていくのではないか? と思うようになってきました。

二次障害(被害)を防ぐためには、まずは母である私自身を癒やさないといけないということですね。

木村:もし、「自分の子どもとママが世界中で二人だけだったら、苦しまなかった」でしょ?

社会の価値観は、化石時代のままなの。だから、ママがこの社会で生きる中、「何が欠けているか?」という理屈に気がついてほしい。そうしたら、「いまのこの瞬間から、人に求めずに、自分が変わろう」ということを考えられるようになると思います。

楢戸:「息子と自分が世界中で二人だけだったら、苦しまなかった…」本当にそうかもしれません。

■発達障害の子は、ママには異質!?


© gamelover - Fotolia.com


木村:いまだに過去を引きずっている。いまの日本は大間違い。小学校によっては、子どもは分けられて、発達障害の子は別室に連れていかれてしまう。このことは、教室に残される子にとっても、ハタ迷惑な話なの。

楢戸:でも、「枠からハミ出てしまっている子」は、大多数のママたちにとって、迷惑な話ではないんでしょうか? 

木村:冷静に考えてみて。大人が出している「あの子がいると、迷惑よ」という空気を吸っている子どもは、めちゃくちゃ不幸でしょ。そんなことは、ママさんたちもわかっているんじゃないのかしら。

楢戸:でも、木村先生。ママさんたちはわかっていないんじゃないかと思います。大多数のママたちにとって、「枠からハミ出てしまう子(発達障害の子)」と、「普通の子であるわが子」が一緒に育つ良さについて、よく理解していないということを前提に、話をしていただけませんか?

次回は、「普通の子が評価される時代。個性的な子どもは「まとも」じゃないの?」 です。

■【木村先生がママたちに伝えたい20のこと】
12. 親が自分の子どもを丸ごと受け入れて信じてあげて!

13. ママがこの社会で「何が欠けているか?」という理屈に気がついたら、いまのこの瞬間から、人に求めずに、自分が変わろう

14. 大人が出している「あの子がいると、迷惑よ」という空気を吸っている子どもは、めちゃくちゃ不幸なの

≫「木村先生がママたちに伝えたい20のこと」についてはこちら


■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書


『不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力』
木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)

木村 泰子先生プロフィール
大阪市出身。大阪市立大空小学校初代校長として、「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめながら、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』が話題に。2015年に退職後、現在は、全国各地で講演活動を行っている。






【木村泰子先生 『みんなの学校』流 親子関係のつくり方】

【楢戸ひかる 「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら】

(楢戸ひかる)

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