PTA「やって良かった」の声も! 悪い面ばかりに目を奪われないために【はじめてのPTA 第4回】
Woman.excite / 2017年5月26日 19時0分
笑顔の子どもたち
さて、連載3回目までは主に、PTAの問題点についてお伝えしてきました。
でもじつは、PTA活動にもいいところはあるのです。「本当に?」と思われるかもしれませんが、そういうところもないと、さすがに70年は続いてこないでしょう。
それは何かと言うと、保護者同士の横のつながりができる、近所に知り合いが増えるというところ。それが一番ではないかと思います。筆者自身もPTAにかかわってきて、それはありがたかったと感じます。
(c) paylessimages - Fotolia.com
■いたらいたでありがたい、近所の知人や友だち
ネット全盛期のいま、近所に友だちがいなくたって、SNSなどでいくらでも人と交流できますから、とくに近所づきあいの必要性を感じない人も多いかもしれません。
でも実際に近所に知り合いができてみると、意外とこれが悪くなかったりもします。買い物に出たとき、ちょっと顔を合わせて立ち話できるような知り合いがいることは、それ自体単純に楽しいことですし、また安心感につながるところもあります。
もちろん嫌なヤツだったら話は別ですけれど(それなら知り合わないほうがマシです…)、まれに気の合う友人が見つかる場合もあるので、あなどれません。
(c) Monet - Fotolia.com
知り合いが増えると、自然と情報も入ってきやすくなります。近所の医者や塾の評判、進学先の情報、学校の様子、お友だちや先生のこと、などなど。とくに上のお子さんがいる親御さんの情報は、一人目育児中の親にとって、かなり有用なことがあります。
もちろん、こういったつながりは、PTAでなければ得られないものではありません。子どもの習い事やスポーツチーム等々、保護者がつながれる場はほかにもいろいろあります。でもPTAも現状、つながりを得られる場のひとつであることは事実でしょう。
近所の知り合いというのは、いなければいないで別に困らないかもしれませんが、いたらいたでありがたい、というものではないかと思います。
■PTA本来のメリットを見失わないために
(c) paylessimages - Fotolia.com
というわけで、PTAにもじつはいい面もあるのですが、なかなか注目されることがありません。なぜかといえば、これもやはり、強制的にやらせていることが多いから。
現状、子どもが学校に入れば保護者はPTAに自動加入することが大半で、「入るか、入らないか」という選択肢を与えられません。そのため「PTAに入ったら、自分にとってどんないいことがあるか?」を考える機会がないのです。それでは当然、PTA活動のメリットに目が向きづらくなります。
またPTAでは、よくクラス役員や委員長決めの際、じゃんけんやクジ引き、欠席者への押し付けなどといった状況が起こるので、そのイヤな印象が強すぎて、せっかくのいい面がかすんでしまうところもあるでしょう。
だからもし、PTA活動のよさを他の人にも知ってもらいたいと思うのであれば、まずは「無理にやらせない」ということが必須だと思うのです。
あとは、活動の目的をはっきりさせることも必要でしょう。「その活動を、何のためにやるのか?」と考えること。「学校の手伝いをしたいのか?」「保護者の交流の場をつくりたいのか?」等々、目的をはっきりさせて活動していれば、少数でも参加したい人は自ずと出てくるはずです。
いまのPTAでは、しばしば「本来の目的」が忘れられています。そのために、「前年どおりにやること」や「ひとり残らず全員がかかわること」が優先されがちです。それでは、「やってみたいな」と思う人が出づらいのは当然のこと。
■「みんな同じでなければいけない」という呪縛から逃れる
(c) Monet - Fotolia.com
それからもうひとつ、いろんな人が参加しやすいように活動全般を見直していくことも必須でしょう。
活動する時間や場所をフレキシブルに設定して、たくさんの人がかかわれる機会を用意しないと、参加したくてもできない人が出てきてしまいます。「平日の日中に学校に集まる」という一択しか用意せずに、「参加者が少ない」と嘆くことは不毛です。
保護者のなかには、いろんな状況の人がいます。そもそもお母さんだけでなくお父さんもいるわけですし(忘れられがちですが)、また子どもを見てもわかりませんが、ひとり親、祖父母や親戚、あるいは同性カップルで育児をしている家庭もありますし、施設で子どもを育てていることだってあります。
私たちはつい「全員が同じようにPTAに参加・活動しなければいけない」と思い込みがちですが、実際にはみんないろんな状況なのですから、そうはいかないのです。
その事実を認めていくことが必要でしょう。
そして、「PTAにかかわるか、かかわらないかは、それぞれの保護者が決めればよいことだ」という前提に立つことが、一番必要ではないかと思います。
これまで私たちが長年身につけてきた「みんな同じでなければいけない」という呪縛から、逃れていけるといいですよね。
『PTAがやっぱりコワい人のための本』
(太郎次郎社エディタス/¥1,620)
そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
(大塚玲子)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
思わぬ形で夫にバレました… 女性たちが忘れられない「夏の不倫エピソード」
ananweb / 2024年8月8日 20時45分
-
「校内スマホ禁止」は絶対か?動き始めた生徒たち 生徒主導の「校則見直し」西武文理の場合ー前編
東洋経済オンライン / 2024年8月3日 8時30分
-
子どもが通う小学校からPTA会費「5000円」を請求されました。PTA会費って具体的に何に使われているのですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月26日 9時30分
-
「大学の友だち」は一生の友だちになりうるか Z世代を通して見えてくる「友だち作り」の変化
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 11時30分
-
「親が勉強を教える必要はない」中学受験に挑戦する親子にとって決定的に重要な「2つのポイント」
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
ランキング
-
1高齢の患者を長年診てきた医師・和田秀樹が「もっともなりたくない」と恐れている"身近な病気"の種類
プレジデントオンライン / 2024年8月12日 15時15分
-
2「AT“限定”免許」で「MT車」を運転… 「無免許運転」になる!? 「どうしてもMT車に乗りたい」場合どうすればいい? 意外と知らない「免許の条件等」のルールとは
くるまのニュース / 2024年8月12日 18時10分
-
3Q. 紫外線吸収剤入りの日焼け止めは危険ですか? 体に悪いのではと心配です
オールアバウト / 2024年8月12日 20時45分
-
4「筋トレ」「有酸素運動」どっちが痩せる?2つの違い、効率的な痩せ方
ハルメク365 / 2024年8月12日 18時50分
-
5トイレあるのに…なぜ使わない? キャンピングカーに備わるも…未使用な場合も! 後処理どうする? 意外な問題点とは
くるまのニュース / 2024年8月11日 14時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください