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【NHK「あさイチ」発達障害「当事者が語る、発達障害の子育てのリアル」】 行き詰まる子育て、負のスパイラルから抜け出すには?

Woman.excite / 2017年7月21日 8時0分

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© tatsushi - Fotolia.com


7月24日(月)、NHK「あさイチ」では、子どもの発達障害についての特集が放送される。「あさイチ」からの事前情報によると、「これまで番組に寄せられたメールやファックスの中でも特に多かった、発達障害の子どもを持つ親の悩みに徹底的に向き合う」とのこと。

じつは筆者にも、8歳になる娘(定型発達)と4歳の息子(自閉症スペクトラム)がいる。

5月のNHKスペシャルの放送から、ぜひ次回は、発達障害の子どもや子育て中の親にフォーカスした企画を! と思っていたので放送が楽しみだ。

■当事者が語る、発達障害の子育てのリアル
今回の放送では、3人(うち2人が発達障害)の子育て真っ最中の家庭を訪問し、発達障害の子育ての大変さや、それに対してどう向き合い、対応しているのかを伺っていくのだそう。

子どもが診断された時の気持ちや、夫や祖父母、周囲の反応、子どもの将来への不安など、様々な角度から、当事者たちに発達障害の子育てをリアルに語ってもらうそうだ。さらに、番組では、ペアレントメンターなどの親を支援する仕組みなど、当事者の親に役立つ情報も紹介する予定だという。

■娘とは桁違いの大変さだった、息子の子育て


© tatsushi - Fotolia.com


筆者のケースをお話しよう。定型発達児(娘)と発達障害児(息子)の両者を育ててみて思ったが、その子育ての大変さは、まさに桁違いだった。

もちろん娘だって、成長の過程では、当然大変なこともあった。イライラして頭が沸騰しそうになったことだって、多々ある。でも、娘の怒りや泣きのツボはだいたい理解できたし、コミュニケーションもしっかり通じたので、私の理解の範囲内で対処することができた。

ところが、息子の場合はまったく違った。

指示が通らない。言葉の説明を理解してくれない。急に走り出したと思ったら、今度はテコでも動かないなど、動きが読めない。保育園ではイベント事が大の苦手で、隙あらば逃走。歯磨きやお医者さんの診察では毎回大暴れ…。

何より困ったのは、コミュニケーションが通じないこと。変な言い方だが、言語も思考も違う異星人を相手にしているようで、本当にお手上げ状態であった(4歳過ぎた今では、ずいぶんマシになってくれたが)。

■3歳で確定。「だから大変って言ったじゃん!」
周囲に相談しても、「男の子なんてそんなもの」「上が女の子で楽だったんだよ~」などと言われ、なかなか理解してもらえなかった。

だから、3歳で息子が自閉症スペクトラムと診断された時は、もちろんショックではあったが、同時に、「だから大変って言ったじゃん!」と、周囲にちょっと毒づきたいような気持ちも生まれた。

今思うと、周囲は私が思い詰めないように、気を使ってくれていただけだろうに…。不健康な考え方に陥っていた当時は、ひねくれたとらえ方しかできなかった。
 
 

■周囲にガードを張っていのは、私の方?
息子は1歳半検診から疑いをかけられていたので、宙ぶらりんの期間が長かった分、私にとって診断は、腹をくくる良いきっかけになった。その頃には、この障害についてしっかり勉強して、一生向き合っていこう! という覚悟もできた。

また、さまざまな専門書を読んで勉強するうちに、息子の特徴や対処法が少しずつわかるようになり、突飛な行動にも笑えるような余裕も出てきた。周囲にも、息子のことを説明しやすくなった。



© hakase420- Fotolia.com


仲の良い園ママにはすでに話していたが、診断がおりるまでは、息子のことをクラス全体にどう説明したらいいのかわからなかった。

保護者会で息子のことを説明した時はちょっと緊張したが、幸い、クラスのママたちからの理解も得られ、温かい言葉もかけてもらった。私の方も、長年抱えた秘密(?)をやっと言えたような気がしてとてもスッキリした。

それまでは、保育園のイベントで息子が突飛な行動をするたびに、「他のお母さんにどう思われてるんだろう…」とビクビクしたり。お迎え時、他の子がお母さんと楽しそうにおしゃべりする姿を見るのが辛くて、園から逃げるように帰ったり。そんな日々の連続だった。

だが、今にして思うと、周囲に対して変にガードを張っていたのは私の方で、私は、勝手に傷ついていただけだったのかもしれない。

■自分の物差しだけに縛られない。意識して視野を広げること
こうして振り返ってみると、一番辛かったのは、息子のことを周囲に話せず、ひとりで抱え込んでいた時期だった。

そんな状況を変えてくれたのは、オープンにしたことと、やはり人との関わりであった。家族や両祖父母、療育の先生、取材で会った方々、そして、同じ悩みを持つお母さん仲間と繋がれたことはとても大きかった。

発達障害の子育ては、子どもに手がかかる分、心も生活も余裕をなくし、周囲が見えにくくなってしまう。自分の偏った考えだけに浸食されて、それがすべてのように感じてしまいがちだ。

でも、自分の物差しだけがすべて、なんてことは決してない。物事は、捉えようによって、どうにでも変わるし、世の中には変わった人(?)がいっぱいいて、いろんな考え方がある。発達障害の子育て中は、特に、自分とは違った考えを持つ人に会ったり、新しい考え方を学んだり、自分の視野を広げるという気持ちを、常に意識してもち続けた方が良いと思うのだ。

今回の特集に関して、担当ディレクターからは「外からは『見えにくい障害』と言われる発達障害の子育ての苦労や、当事者のリアルな姿や声を伝えることで、少しでも誤解を解いていきたい」という、力強いメッセージをいただいた。

また何か新しい発見があるかもしれないと、私も放送を心待ちにしている。

・NHK「あさイチ」 シリーズ発達障害 「“ほかの子と違う?”子育ての悩み」
 2017年7月24日(月)放送予定
 ※内容は変更になる場合があります


文:まちとこ出版社N

【発達障害についての連載一覧】
大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)

「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)

 
 
 
(まちとこ出版社)

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