堅実に貯金できる人とカツカツ家計の差は? 成果が出る強い家計の作り方【貯金感覚で始める3000円投資生活 Vol.4】
Woman.excite / 2017年8月31日 20時0分
日々の暮らしのなかで、「お金がなかなか貯まらない」と悩んでいる人は多いことでしょう。その場合には、投資よりもなによりも家計を見直すことが必要になってきます。
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ファイナンシャルプランナーの横山光昭(よこやまみつあき)さんは、「本格的な投資を始めるのは、月収の7.5ヶ月分の貯金」ができてから」と話します。それではつねに「お金の不安」につきまとわれている方は、どうやってお金が貯まる強い家計を作ればいいのでしょうか。
■貯まる! 強い家計を作る
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前回の記事で「投資の欠点」を知ったところで、ここであらためて3000円投資生活の「基礎部分」である「貯まる家計」についてご紹介したいと思います。
人には、それぞれにあった次のような「お金のステージ」があります。
家計簿を使ってお金の流れを把握する、ムダな支出をおさえる、少しずつ貯金を始めるなど、実生活に関わるお金をマネジメントしていく段階。
●第2ステージ:お金を学ぶ
お金を今後どう活用するか基本的な知識を学ぶ段階。
●第3ステージ:お金を活かす
投資を実践するのは、第3ステージです。
3000円投資生活を成功させるためにも、この段階をきちんとこなすことが大事です。とりわけ、第1ステージである「お金を管理する」をおろそかにしていては、けっしてうまくいきません。
「お金をきちんと管理し、ムダな支出をおさえ、強い家計を作ることができてはじめて、無理なく貯金と投資を行うことができるのです」(横山さん)
同じくらいの収入であっても、堅実に貯めていく人と、いつもお金を使いきってしまい、カツカツな気分で暮らしている人がいるのはなぜなのだろうか? 自分の軸を作り上げるためにも、「お金の使い方を3つに分ける」ということをぜひとも知っておいて欲しいと思います。
■お金の使い方の3分法
(1)消費
生活するのに必要なものの購入や、使用料としての支払い全般。生産性はさほど伴わない。
【例】食料や住居費、水道光熱費、教育費、被服費、交通費など
(2)浪費
生活に必要でないもの、今をひたすら楽しむためなどの、無意味な使い方のこと。いわゆる無駄づかいで、もちろん生産性もない使い方。
【例】嗜好品(タバコやお酒、珈琲)、程度を超えた買い物など
(3)投資
将来の自分にとって有効なお金の使い方。資産運用のことだけを指すのではなく、何かを学ぶ、本を読むなどもこれに当たる。
【例】習い事、本代など学ぶための費用、投資信託、貯蓄など
出典:「年収200万円からの貯金生活宣言」(横山光昭著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)より抜粋
まずはこの表を参考にして、家計の支出をあなたなりに「消費」「浪費」「投資」に3つにわけてみましょう。これだけでも十分、お金が貯められる体質作りへとつながります。
■月収の7.5ヶ月分は、まず「貯金」
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今回の連載では、「月々3000円」という無理のない金額で、金融商品への投資をスタートすることをおすすめしていますが、本来は、支出を管理して、「強い家計」になってきたなと感じてから、「投資」を視野にいれます。
では、投資というのは、家計全体の中で、どれくらの割合、するものなのでしょうか?
「収入を100とした時、『貯金15%』、『金融商品への投資や自分や家族への投資10%』となるのが理想です」(横山さん)
さらにつっこんで、「「貯金」と「投資」の線引きはどこにあるのでしょうか?」。ここで気になるのが、貯金の目標額です。いくらに設定したら良いのでしょうか?
横山さんはいいます。「貯金は、『目の前のピンチを切り抜けるためのお金』です。私はいつも家計相談に来られたみなさんに、『最低でも、使うための貯金(月収1.5ヶ月分)と、おろさない貯金(月収6ヶ月分)を持っていてください』」と、お伝えしています」。
<「使うための貯金」「おろさない貯金」>
●使うための貯金
生活費がたりなくなったときや、ちょっとした予定外の出費などに対応できるようにするためのお金
●おろさない貯金
病気やケガ、突然の退職などにより万が一収入が途絶えても、当面生活できるようにするための「生活防衛資金」
出典:『はじめての人のための3000円投資生活』(横山光昭著/アスコム刊)より抜粋
「本当は、おろさない貯金は6ヶ月以上あるのが理想ですが、まずは月収7.5ヶ月分の貯金をつくって欲しい」とのことです。反対にいえば、「3000円投資生活」を始めるにおいて、「投資」を本格的に視野にいれるのは、「月収の7.5ヶ月分の貯金」ができてからということになります。
■家族マネー会議のすすめ
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この記事を書いている私自身、投資を始めてみて思うのは、「キリがないな」ということ。ある意味、不労所得を得ることもあるので、投資スイッチが入ってしまうと、「もっと、もっと…」というような欲がわき起こってくるのです。
横山さんは言います。「投資をする目的やゴールをはっきりさせておきましょう」。目的やゴールがはっきりしている方がモチベーションも上がるし、「今月は少し余裕があるから、無駄使いせずに貯金や投資にまわそう」といった気持ちにもなるため、成果に大きな違いが出ます。
もし、「お金がないと不安」といった漠然とした不安から貯金や投資を始めてしまうと、いくらお金が貯まり、お金が増えても、不安は拭いきれません。そうなると、常にネガティブな気持ちでお金に向き合うことになり、貯金や投資が楽しく感じられなくなります。
そんな「事態」を避けるために、横山さんがおすすめしているのが、「家族マネー会議」。
子どもたちの要望をとりいれながら家族の価値観の共通化を図り、家族全員で楽しみながら、少しずつ節約を開始して、余ったお金を、貯金と投資に回していくのです。
この記事を書いている私自身、横山さんのご提案に従って「家族マネー会議」を開くことにしました。毎週日曜日、3人の息子たちは「今週の経費精算」をします。
経費として精算できるのは、「食費」「文房具」「書籍代」。経費の一覧表を家族みんなで見ながら、中学生の次男に「ジュースを毎日買っているけれど、これは経費では出せないね?」とか、高校生の長男に「おなかすく時期だから、この学食で買ったハッシュドポテトは経費で出すよ」などという会話をします。「家族マネー会議」を開くと、家族の価値観の共通化ができて楽しいです。
次回は、「ムダになる投資vs.成功する投資の違いは?」です。
『はじめての人のための3000円投資生活』
(横山光昭著/アスコム刊 ¥1,100(税別)
【年収200万円からの貯金生活】
(楢戸ひかる)
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