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『コード・ブルー』山P演じる藍沢は、名医にはなれない!? 大切なものを失った葛藤

Woman.excite / 2017年8月28日 4時0分

『コード・ブルー』山P演じる藍沢は、名医にはなれない!? 大切なものを失った葛藤


© kelly marken - Fotolia.com


大人気ドラマ『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~』で、山下智久が演じる主人公・藍沢耕作。感情を表に出さず、外科医としての腕も一流。だが、ふとした瞬間に見せる優しさと温かさが、観る者を惹きつける。

藍沢とはどのようにしていまの医師になったのか。そして30代となったいま、彼は自身が目指していた「名医」となったのだろうか。藍沢の過去と現在の行動、セリフから、彼が戦い続けた軌跡をたどってみたい。

■患者に感情移入しない「生まれながらの外科医」


© tinyakov - stock.adobe.com


藍沢は、2008年に放送された1stシーズンで「普通の病院の1年の経験をフライトドクターなら1ヶ月で経験できる」という理由で翔北救命センターにフェローとしてやってきた。

初フライトの事故現場で、負傷した19歳少年の右腕を何のためらいもなく切断。さらにその状況を「おもしろかった」と言い放ち、「患者は練習台」と言い切るなど患者に感情移入しない。指導医だった黒田(柳葉敏郎)からも「生まれながらの外科医」と称されるなど、技術も外科医として突出していた。

「ピアニストやスポーツ選手と同じように、外科医は練習がすべて」――。過去に藍沢は、そう語ったことがある。たしかに間違ってはいない。だが、一般的な感覚からすると、ゾクッとするようなセリフである。

■藍沢の厳しすぎる生い立ちと、強気な発言の裏にある優しさ

「だれよりも早く、名医になる」と意気込んでいたが、それはけっして自分だけの名誉や名声のためではなかった。藍沢は、幼い頃に母親が他界。父親もなく、祖母に育てられた。

1stシーズンでは、そんな祖母が救命センターに搬送されてくる。そして藍沢は、事故の後遺症で一時的に認知症を発症していた祖母が、どんな状況でも孫である自分を思いやる姿に涙した。

「婆ちゃんは、自分のことはいつも後回しだった。俺のために、自分の人生を犠牲にしてきた」と、噛みしめるように語った藍沢。“自分がしっかりしなくてはいけない”そんな思いから、だれよりも早く一人前になることを目標にひたすら走り続けてきたのだろう。

2ndシーズンで、藍沢は父親が生きていたことを知る。そして母親は、研究者として高い能力をもちながらも、妊娠・出産によって第一線を退いたことなどから心の病を患い、自ら死を選んだと明かされる。

両親がいない状況を祖母に「僕のせい?」と問いかけてきた藍沢。小さなころから自分を責め、家族に甘えることもせず、すべてを一人で抱え込んできたせいで、自分の感情を表すことが極端に下手になってしまったのかもしれない。

しかし先日、冴島(比嘉愛未)の流産に落ち込む藤川(浅利陽介)を励ますシーンが話題となった。思い起こせば、2ndシーズンで冴島の恋人・田沢が亡くなった際、藤川が田沢のお別れ会にたくさんの友達が訪れていたことを引き合いに話した「俺なんか、たぶん誰も来ねぇよ」という言葉に、「少なくとも、俺は行く」と返すなど、以前から仲間への情も深い。感情を表に出すタイプではないため冷たい人間だと思われがちだが、藍沢は元来温かな心の持ち主なのだ。



■空白の7年間の藍沢の成長。しかし医師としては…


© chachamal - stock.adobe.com


放送中の『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』では、2ndシーズンから現在までの7年間の出来事は、まったくといって良いほど描かれていないため、たしかなことはわからない。だが、第1話で白石(新垣結衣)が藍沢に伝えた「あなたは絶対、命から逃げない」という一言が、7年の間も、彼がまっすぐに患者や医療と向き合ってきたということを物語っている。

脳外科から救命センターに戻ったこともまた、人手不足に悩む白石、藤川、緋山(戸田恵梨香)の思いに応えてのこと。ポーカーフェイスの裏に優しさがあるからこそ、医師やナース、そして患者からも信頼される医師に成長したのだろう。

そういった意味で、人間として大きく飛躍した藍沢。だが、判断力が肝となる医療現場では、感情移入ともいえる寄り添い方は仇となりかねない。

■藍沢の心持ちが変わることで、立ちはだかる葛藤

3rdシーズンで藍沢は「俺は救命で覚えるべきことはひと通り覚えた。今は脳外(科)のほうが刺激が多くておもしろい…それだけでいいのか」と悩んでいた。以前の藍沢であれば、「刺激が多くておもしろい」それだけで満足だったはずだ。だが、7年の時を経て、藍沢の心持ちは大きく変わっていた。

後遺症を恐れて手術を拒否する天才ピアニスト・天野奏に「大丈夫だ」と声を掛けたことも、藍沢の医療に向かう姿勢の変化の象徴と言えるだろう。命を最優先させる。その考え方に、今も昔も変わりはない。だが、そこにたどり着くまでの葛藤は、歳を重ねるにつれて大きなものとなっているようだ。

第6話のラストシーンで藍沢は「命を救ったのは俺じゃない。俺はただ、約束を破っただけだ」と白石に告げる。奏の緊急手術で、一体何があったのか。そして、人として成長したからこそ訪れる苦悩に、藍沢はどう立ち向かっていくのか…。

過酷な現場に挑み続ける医師である以上、今後も落胆・苦悩することはあるだろう。だが、藍沢の周りには彼を慕う仲間がいる。“ひとりで背負い込まなくていい”、かつて藍沢が白石に述べた言葉が彼自身に届くと信じ、藍沢耕作の歩みを見届けたい。


【『コード・ブルー』おさらい】







(nakamura omame)

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