「しーっ」しないと楽しめない秋の音を教えてる? 自然を五感で学ぼう
Woman.excite / 2017年9月3日 22時0分
![「しーっ」しないと楽しめない秋の音を教えてる? 自然を五感で学ぼう](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/womanexcite/womanexcite_E1504155392201_0-small.jpg)
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昼間はまだ暑い日が続くとはいえ、夜には涼しい風が吹くようになりました。どこからともなく虫の声が聞こえるようになり、秋の訪れを感じています。
都心部ではすっかり影を潜めつつある秋の虫。今年の秋は、虫の音色を探しに出かけませんか?
■身近な場所で楽しめる虫の音
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田畑に囲まれた私の実家では、お盆過ぎになると夜には虫たちの大合唱が響き渡ります。窓を閉めていても聞こえるほどなので、おそらく数えきれないほどの虫たちが合唱を繰り広げているのでしょう。
しかし上京してみると、夜でも騒がしいこともあってか、虫の音をなかなか聞くことができないことに気づきました。本当に虫はいないのか? 気になって探しに行ったことがあります。
そのときに虫を見つけたのは、やはり緑の多い公園でした。都や区が運営する大きなところだけでなく、近所にある小さな児童公園でも、植え込みのあたりから鈴虫の鳴き声が聞こえます。
これをヒントに近所を歩き回っていたら、意外なところで虫の音が! それは、スーパーの植え込み。夕方くらいから鳴き始め、夜通し声が聞こえます。
残念ながら、わが家の近くでは鈴虫以外の虫の音は聞けませんでしたが、場所によってはマツムシやキリギリスなどの音色を楽しめるかもしれません。夕方になったら子どもとこうした場所に出かけて、耳を澄ませてみてはいかがでしょう。
ただ、虫たちは非常にデリケートで、近づくとすぐに鳴くことをやめてしまいます。静かにしていると聞こえる音、季節によって味わえる自然の音楽があることを、ぜひ子どもに教えてあげましょう。
■江戸時代の風流な遊び
こうした虫たちの声は風情があり、とてもいやされますよね。虫の音色を楽しむのは、平安時代からあったといわれ、江戸時代には「虫聞き」として、庶民の娯楽に定着していたようです。江戸時代の「虫聞き」の名所は、いまでいう鶯谷から西日暮里の丘のあたり、上野の不忍池だったとか。
この伝統を子どもたちにも引き継ごうと、現在でも各地で「虫聞きの会」が行われています。東京では、向島百花園で「虫ききの会」が毎年実施されています。
※2017年の向島百花園の「虫ききの会」は終了しています。
こうした江戸時代の自然の音を、音楽のように親しみ、音色に聞きほれる風流な遊びは、ぜひ現代でも引き継いでいきたいですね。
■童謡と比べてみよう
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ところで童謡『虫のこえ』の歌詞と虫の音は、本当に一致しているのでしょうか?
たとえば、都会でも比較的遭遇しやすい鈴虫は、童謡では「リンリンリンリン」とうたわれています。これを実際に聞くとどうでしょうか。リーンリーンと響くように鳴く虫がいれば、リリリリリ…と小刻みに聞こえることも。
歌詞と比較することで違いを楽しめます。また歌を口ずさんでみると、「ガチャガチャ」という音がすれば、姿は見えなくてもそこにクツワムシがいたことを知ることができます。
また、鈴虫の音色は周波数の問題で電話越しには聞こえないんだとか。知っていましたか? もし鈴虫を見つけたら、携帯電話を2台用意して、実際に体験してみるのもおもしろそうですね。
子どもが自然と触れ合うことで、想像力や感受性が豊かになるといわれます。テレビや図鑑だけではなく、虫の音色を聞いたりする体験も大切にしてあげたいですね。
(藤井蒼)
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