「食べてくれない子ども」は、苦痛と戦っているのかもしれない【前編】【コソダテフルな毎日 第39話】
Woman.excite / 2017年9月21日 12時0分
こんにちは。コソダテフルな毎日のちゅいママです。
長男(小3)次男(年長)三男(年少)の3兄弟の母です。
■偏食・小食のわが子に悩む日々
次男は離乳食を全く食べない子でした。
そしてそれは幼児食期に入っても変わらず好き嫌いが多く、食べられないものより、食べられるもののほうが圧倒的に少ないいわゆる偏食っ子です。
長男はなんでもよく食べる赤ちゃんだったので、食べない次男は衝撃的でした。
離乳食の頃は、どの食材をどのような調理法でチャレンジしてみても一切受け付けず、匙(さじ)を口に運ぼうもんなら泣いて嫌がり、しまいには涙を目にいっぱいためてオエェ! とえづいてしまう始末。
本気で嚥下(えんげ)障害じゃないかと心配したほどです。
私自身は好き嫌いがなく、なんでも食べられるタイプなので「偏食」に対するイメージもあまりよくなく、親の教育次第だとさえ思っている節もありました。
そんな私のもとに次男という偏食・小食っ子が生まれたもんですから、数年は理解できずに悩み、悪戦苦闘しました。
しかし、私の「偏食は努力すれば治まる」という考えを根本から変え、好き嫌いの多い次男に歩み寄れる時が来たんです。
そのきっかけは乳幼児検診でもなく、育児相談窓口でもなく、「かつて好き嫌いが激しい子どもだった大人が、当時何を考えていたのか」を聞いた時でした。
■「食べさせる方法を見つける」よりも必要だったこと
私は子どもに健康でいてほしい、大きく育ってほしいという気持ちから、とにかく食べさせようと苦戦していました。それが母親として間違っているとは今でも思っていません。
でも偏食・小食な元子ども(すなわち大人)の思いを聞いた時は、おもわずこみあげるものがありました。
子どもとはいえ心の中ではいろいろと考えています。それを表現できる語彙(ごい)を持ってないから、黙るか泣くかゴネるかしかないだけで。
これを読んでるママたちの中にも、かつての私のように「どうして食べてくれないの!!」「この子はこんなに食べなくて大丈夫なんだろうか」と、不安と苛立ちの中にいる方がいらっしゃるかもしれません。
食べてくれない子どもに悩む保護者目線からの相談、体験談はわりとよく目にします。
私も何とかして食べさせれる良い方法はないだろうかといろいろと探しましたが、「食べられない子どもだった張本人たちが、どう感じながら生活していたのか」を、私は目にする機会がありませんでした。
食べさせる方法を見つける前に、食べられないその気持ちを知る。これが私にとって必要だったんです。
きっと私のように自分自身が好き嫌いがない人にとっては、我が子の好き嫌いはなかなか歩み寄れずに葛藤してしまいがちだと思います。
同じようなママたちに少しでもヒントになればと思い、私の経験と元子どもたちからの意見をご紹介したいと思います。
■「食事の時間が苦痛だった…」元子どもたちの声
これらは私のブログに寄せられたコメントなのですが、偏食・小食だった元子どもたちは、以下の2パターンに分かれます。
・無理強いはされなかったという人
この中で、好き嫌いが許されない環境で育った人に共通しているのは「食事の時間が苦痛だった」ということでした。
口をそろえて「食事に関していい思い出がない」と言うのです。
「どうしても食べられないのに『わがままだ』と言われ、給食では食べ終わるまで教室のすみに残され、家でも学校でも理解されない」
「大人になった今でも、子ども時代の食事にまつわる思い出は怒られた記憶か、ひとりで寂しかった記憶か、楽しくない記憶しか残っていない」
この意見が多かったんです。
私、次男に今まで何度口にスプーンを突っ込んで「食べなさい!」ってやってたことか…。
偏食っ子からすると、「得体の知れないもの(たとえばミミズのようなもの)を無理やり口に押し込まれてるような感覚」らしいです。
次男のことを思って突っ込んでいたスプーンが息子からしたら苦痛以外のなにものでもなかった。
口に入れることさえできたらごっくんできるはずだ! と思っていたのですが、彼らからしたら「飲み込むどころか、自分の意志とは裏腹にえづいてしまう」んだそうです。
私は次男になんてかわいそうなことをしていたんでしょう…。
かつて教室の隅でミニトマトが食べられなくて泣いていたクラスメイトも、食事がつらいな、楽しくないなと思いながら毎日食べていたのかと思うと、彼を思い出して胸がぎゅーっとなりました。
■嫌いなものを食べさせるか否か…親としての葛藤
今の私は、「食事はまずは楽しく!」が基本です。
離乳食教室に行ってもまず最初に教えられるのは「楽しく」ということですし、給食も掃除の時間まで残して食べさせるということもしていません(おそらく)。
しかし「楽しく食べること」と「好き嫌いなく食べること」はある意味対極にあるような気がします。
この両方を叶えるって実はすごく難しいんじゃないかと。
楽しく食べている延長で好き嫌いなく食べられるようになるのが理想ですが、嫌いなものを好きにさせるために楽しく食べるのは、偏食っ子には相当難しいような気がします。
「どうしても食べられない」「口に入れたらえづいてしまう」レベルの子たちにとっては嫌いなものを食べずに済む食事こそが楽しい食事なのですから。
それを許せるか、押し付けずにいられるかが親の最初の葛藤だと思います。私は自分が好き嫌いがないがゆえに、ここが許せずに随分と戦ってしまいました。
元好き嫌いっ子たちの何十年たっても今なお残っている「食事が楽しくなかった」という思いを聞いて、ハッ! とさせられました。
■食事中は「心の栄養」を大切にしたい
「食事」の目的は”栄養””健康””しつけ”にとらわれてはいけないなと。
体を大きくするため、健康に育つため、お行儀よく食べるよりもその前に、まずは、この子の食事の思い出を明るい色に包まれたものにしてあげたいと思いました。
このとき、私はようやくスタートラインに立てました。今私は次男に無理強いはしていません。
苦手なものは「一口食べたら?」ぐらいは言いますが、それで「いや」というなら無理に食べさせていません。頑張ってひと口チャレンジしたら喜びます。
幼稚園のお弁当も基本的に好きなものを詰め、食べきれるものを食べきれる量で入れています。
おかげで冷凍食品や既製品まみれです(次男の好みに合わせたらこうなりました)。
栄養もバランスもあったもんじゃありませんが、おいしかった! 全部食べられた! また明日も食べたい! そう思えることが心の栄養になるんじゃないかと思います。
後編(9/27UP)に続きます。
(ちゅいたんママ)
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