豪華客船が熱い! 通だけが知っている「子連れこそクルーズ旅」の理由
Woman.excite / 2017年10月30日 12時0分
クルーズ、豪華客船
テレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)や『陸海空 地球征服するなんて』(テレビ朝日系)などで大きく取り上げられ、大型客船のクルーズ旅行が流行の兆し。最近は、日本発着の外国船で神戸や金沢、北海道、台湾、韓国などを巡る、手頃なプランも増えているようです。
でも、「家族みんなで楽しめる」「意外と価格も安い」という評判に惹かれる一方で、船酔いなどの不安もあり、なかなか一歩が踏み出せないのが現実。そこで、娘さんが1歳の頃から毎年1〜2回のペースでクルーズ旅行に出かけている、イラストレーターのくぼこまきさんにインタビュー! クルーズ船の魅力や娘さんの反応を聞いてみました。
■移動費・食費・エンタメ込み込みだから、実はコスパ優秀のクルーズ旅
——クルーズといえば「シニアが優雅に楽しむもの」というイメージでしたが、最近は違うんですね。
くぼこまきさん:「毎年クルーズ旅行をしている」と話すとお金持ちだと思われてしまいますが、全然違うんです! クルーズは移動費やホテル代、食事代、船内エンターテイメントがすべて込み込みなので、トータルで考えると一般的な旅行よりも実はお得。夏休みなどのピークシーズンを外すと安くて、3年前に参加した和歌山や済州島を巡る1週間のクルーズは、親子3人で合計18万円でした。クルーズは1年先まで予定が出ているので、私はいつも1万〜3万円引きになる早割で予約しています。たいていのプランは出発100日前までキャンセル料無料ですから。
——料金は、客室のランクによっても細かく分かれているようですね。初めてだと、どの部屋がいいかわからないんですが、おすすめはありますか?
くぼこまきさん:クルーズの醍醐味が味わえるのは、海側バルコニー付きの部屋だと思いますが、私は、窓のない内側の部屋に泊まることも多いですね。利用できる設備やエンターテイメント、食事は高い部屋も安い部屋もほぼ同じですし、眺めを楽しみたい時には船上デッキやラウンジに行けばいい。「部屋は寝るだけ」と割り切って、浮いたお金は次のクルーズ代に回しています。
——確かに! 家族旅行なら、安い部屋で十分でしょうね。私もいくつかパンフレットを取り寄せてみたんですが、アルコール以外は食べ放題・飲み放題というのも魅力に感じます。
くぼこまきさん:船内にはコース料理、ブッフェなど多彩なレストランがあって、アルコール類や一部の有料レストランを除けば、どこで何を食べても無料なんです。子どもが小さいときは、ブッフェで好きなものを選び、部屋に持ち帰って食べることも多かったですね。ルームサービスを無料で利用できる船も多いので、子どもが寝てしまったときやゆっくり過ごしたいときに便利です。アレルギーなどの情報も、事前に伝えておけば特別メニューを用意してもらえますよ。
——離乳食を終えたお子さんなら、食事に困ることはなさそうですね。でも、経験上、「退屈」と「疲れ」が原因で子どもが旅行先で不機嫌になることが多い気がします。移動時間が長い船旅は、退屈しないんでしょうか?
くぼこまきさん:退屈なんてありえませんよ! 船の中では朝から晩までミュージカルやライブ、マジックなどのショーが行われていますし、ダンスレッスンやクラフト教室などもある。毎朝その日の予定が書かれた船内新聞がもらえるので、「どれに参加しようかな」と悩みながらスケジュールを組み立てています。体を動かしたくなったら、船を一周するジョギングコースを走ったり、プールでひと泳ぎしたりと、時間が足りないくらいです。
■大人は安心、子どもは超楽しい! 無料で子どもを預かる船内託児施設
——お子さんの反応はいかがですか? 「降りたい」なんて言われたらどうしようかと心配なんですが……。
くぼこまきさん:うちの7歳の娘は毎回「降りたくない」と言ってますよ(笑)。私が乗ったクルーズ船には、キッズクラブと呼ばれる無料の船内託児施設があり、3歳以上の子どもは預かってもらえるんです。迎えに行くと「もっと遊びたい! 早すぎる!」と怒られてしまいますよ。キッズクラブのスタッフは幼児教育を学んだプロや子ども好きの人が多く、子どもを喜ばせるツボを心得ているんでしょうね。
——でも、キッズクラブのスタッフも外国人ですよね? 英語が話せない子どもでも大丈夫なのでしょうか。
くぼこまきさん:娘も英語はほとんど話せませんが、問題ありませんでしたよ。子どもは順応性が高いですし、表情や動きなど何となく分かるみたい。事前に「トイレに行きたい」など、必要な英語だけは教えているんですが、通じるのがうれしくて英語が好きになってきたようです。外国人に対するアレルギーがまったくないのも、クルーズ旅のおかげだと感じています。
——英語教育にもつながるんですね! 子どもだけで楽しく過ごしてくれると、ママやパパも自由に過ごせてありがたいです。
くぼこまきさん:子どもが遊んでいる間に、夫婦でバーに行ったりスパを楽しんだりと、大人の時間が持てます。ただ、アルコールやスパなどは別料金なので、ほどほどにしないといけませんが(笑)。
——親子ともに退屈する心配はなさそうですが、もうひとつの敵である「疲れ」はどうでしょうか?
くぼこまきさん:疲れたら、部屋に戻って寝ればいいんです。旅行に出かけると「子どもがぐずったら迷惑がかかる」と心配になりますが、クルーズならいつでも部屋に戻れるから気楽。また、私が声を大にして言いたいクルーズのメリットは、移動するたびに荷ほどきや荷造りをする必要がないこと。初日にスーツケースを空っぽにしたら、最終日まで自分の家のように過ごせるんです。クルーズ旅に慣れている常連さんは、ダンボールにふだん使っているものを詰め込んで、直接クルーズ船に送っているそうです。飛行機と違って荷物の重量や大きさの制限がないので、ふだん使っているものをなんでも持ち込めますから。
——確かに、荷ほどきと荷造りは地味にストレスですよね。寄港地では荷物を置いてお財布ひとつで出かけられる、というのも魅力ですが、観光の時間が足りないのでは?
くぼこまきさん:寄港地で過ごす時間は7時間から12時間程度ですが、少ないとは感じません。最近はクルーズ船の誘致に力を入れている自治体が多く、港から町の中心まで無料のシャトルバスで運んでくれたりもします。見どころは十分にまわれますし、陸路だと行きづらい場所に行けるのもうれしい。以前、ハワイの離島をめぐる4島クルーズに参加したんですが、断崖絶壁の海岸線やむき出しの岩肌など手つかずの自然を見ることができて感動しました。
——クルーズならではの観光スタイルがあるんですね。個人的には揺れも心配なのですが、実際に乗ってみていかがですか?
くぼこまきさん:私も揺れには弱い方ですが、気持ち悪くなったことは一度もありません。最近の大型船にはフィンスタビライザーという揺れ防止装置が付いていますし、たとえ揺れても気づかないレベル。テーブルに置いているワインがこぼれたり足元がふらついたり、といった激しい揺れは経験したことがないですね。心配なら酔い止めを持っていくといいと思います。また、船内でも日用品は手に入りますが、外国船の場合はほとんどの商品が外国製。生理用品やオムツ、レトルトの離乳食などは普段使っているものを持ち込むのがおすすめです。
■12歳以下は無料! 家族旅行には大型の外国船がおすすめ
——船の種類が多くて迷いますが、初めての子連れクルーズにはどれがいいのでしょう?
くぼこまきさん:日本船よりも、子ども向けのサービスが充実した外国船がおすすめです。2014年に東京発着で台湾や香港を巡る「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」に乗ったんですが、エンターテイメントの質がハイレベル。ブロードウェイ顔負けのショーが毎日開催され、アイススケートリンクやロッククライミングの壁まであるんです。キッズクラブでは6カ月から年齢ごとに分かれたプログラムが組まれていて、夜遅くまで預かってもらえます。
——コスパの面からでは、どうですか?
くぼこまきさん:コスパの良さなら、大人2人と同室の子ども(6カ月〜13歳未満)料金が無料になる、「ロイヤルカリビアン」や「コスタクルーズ」といった船会社のクルーズ船がベスト。イタリアの船なのでクルーが陽気で、カジュアルな雰囲気です。
■子どもと一緒のクルーズ旅、究極はやはりディズニークルーズ
——あの「ディズニークルーズ」にも参加されたそうですが。
くぼこまきさん:娘が4歳のときに参加しましたが、まさに「船上のディズニーランド」でした。
——こちらもかなり楽しそうですね。
くぼこまきさん:ディズニーのオールスターが出演するショーやグリーティングがたくさんあって、しかも混雑とは無縁。日本では見かけないレアなプリンセスやキャラクターもいますし、ファンにはたまりません。キッズクラブはモンターズ・インクやピーターパンなどをモチーフにした凝ったつくりで、アクティビティもアニメ制作やゲームなど盛りだくさん。有料ですが、衣装やメイクでプリンセスに変身できるサービスもあります。ディズニーが所有するプライベート・アインランド「キャスタウェイ・ケイ」に立ち寄ってシュノーケルをしたり隠れミッキーを探したりと、夢のような時間でした。娘もよく覚えていて「また行きたい!」と連呼しています。フロリダ発着でかなり高額なので、なかなか再訪はできないですけどね。
——お話を聞いていると、すぐにでもクルーズに参加したくなります。本日はありがとうございました。
くぼこまきさん プロフィール
クルーズとビュッフェを愛するイラストレーター。これまでに100泊以上を船上で過ごす。著書はコミックエッセイ「おトクに楽しむ豪華客船の旅 クルーズをはじめました」(JTBパブリッシング)、「まんぷくごほうびビュッフェ」(幻冬舎)。
・くぼこまき公式サイト
(まちとこ出版社)
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