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子どもの「理想的な睡眠時間」は〇時間! 寝ない子どもを寝かせるには?

Woman.excite / 2018年1月14日 21時0分

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ⓒ Daniel Nimmervoll-stock.adobe.com


21時に寝かせるつもりだったのに、気付けばもう22時! 就寝時間を徹底できず、ヤキモキしてしまうことはありませんか? 子どもはたっぷり眠らせたほうが良いとよく耳にしますが、実際、子どもに必要な睡眠時間はどのくらいでしょうか。

■子どもの睡眠時間「理想」は?

お話を伺ってきたのは「子どもの早寝・早起き」の大切さを伝え続けている医学博士の鈴木みゆき先生です。

――私の息子は今、小学2年生なんですが、幼稚園のときから寝るのが遅くて遅くて…。夜でも目がギラギラしてるんですよね。21時に寝かせたいのに、結局、いつも22時をまわることが多くて…。睡眠時間が足りているか不安でした。

「OECD(経済協力開発機構)のデータによると、日本は『睡眠時間が短い国』上位なんです。日本の場合、寝ること=怠けるっていうイメージがあるのかもしれません。でも、昭和11年のデータでは2歳児の半数が19時台には寝ていたんですよ。それと比べ、24時間化というか、夜明るいし忙しくなりすぎていますよね。

ヨーロッパの話をすると、大人の時間、子どもの時間というのがはっきり分けられているように思います。カナダあたりだと16時半~17時半くらいが通勤ラッシュで働く時間も短いですし、帰ってきて子どもとクッキングしたり、ガーデニングしたりして。子どもは大体20時には寝かせるそうです。」



引用元:「必要と考えられている人間の年齢別睡眠時間(2015 米国国立睡眠財団公表)」
早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来~睡眠リズムを調えよう!~(文部科学省)冊子



――8歳の息子の場合、上のデータに沿うと9~11時間の睡眠が望ましいことが分かりました。9時間ならギリギリ寝てるかなと思うのですが、11時間となると20時に寝かせないと…!(焦)

「データでは『望ましい睡眠時間』は上のとおりですが、これには個人差もあります。誰しもがこの時間分寝なきゃいけない、というわけではありませんよ。」

■「うちの子、夜寝ないんです」そんな時は早起きで改善

――ヨーロッパみたいに大人と子どもの時間がはっきりしているのは、うらやましいです! すんなり早めに寝てくれれば、同じような生活ができるかもしれないけど…。

「それなら『朝、早く起こす』ことで前倒しをしてみてはどうでしょう。私たちの体内時計は地球のリズムより若干長く、後ろにズレるのが楽。だから人は夜更かしするほうがそもそも体に合っているんですね。

そこを、いつもより早く起きてみる。すると、夜はいつもより少し眠くなってきます。早起きのほうが1日長く使えるし、小学生なら今日は何しようってスケジュールを考えるだけでもだいぶん違いますね。小さい時からの生活習慣は大人になっても続く傾向があります。」

――なるほど! いつもより早く起こす。灯台下暗しでした(笑)。シンプルに考えれば良かったんですね。今日からやってみたいです。できれば生活習慣も規則的にしていきたいなと思っているのですが、成長するにつれて言うことを聞かなくなったりもしていきそうで。

「生活習慣は、できればわが家のルールを決めていきましょう。でも、家族でルールを決めて実行するのは、小学校低学年くらいまで。中学年くらいになると、ギャングエイジといわれる『友だち大好き』な年代に入ってくるので、友だち同士で『ゲームは20時まで』みたいに決めごとを作るといいですね。」
 
 


■寝不足が引き起こすこと

――睡眠不足って漠然と「良くない」と思っている人も多いかと思うのですが、具体的に子どもの睡眠不足はどんな影響がありますか?

「世の中には5時間睡眠で平気な人もいるし、7時間寝ないとダメな人もいます。そこは個人差優先でいいと思います。でも、子どもは寝ないと脳が回復しません。長い目で見た時、睡眠は子どもの意欲や感情のコントロールに影響します。気持ちをコントロールできるのは『前頭前野(ぜんとうぜんや)』と呼ばれるところですが、ここは睡眠不足にいちばん弱い部分なんです。だから睡眠不足が続くとイライラしたりするわけですね。」

――大人もそうですよね。

「眠りを充実させるには、日中の活動も充実していないとダメです。今、眠りをおろそかにしているなら、習いごとや勉強が大事と考えているのと同じように眠りの優先順位をもうちょっとあげてほしいなと思います。」

■寝相よりも考えたい「子どもの生活リズム」

――早く寝かせようと思っても、実際に行動に移すのは簡単なようで難しいですよね。「もう少しでパパが帰ってくるから起きてる!」なんて言われたり、夫に子どもをお風呂に入れてもらいたかったりで。

「ヨーロッパの子どもの寝る時間が、なぜ遅くならないのかを考えてみると『子ども』と『大人』の時間をしっかり分けているからなんです。子どもを寝かすためにベビーシッターをやとって、大人は外に食事に行く。大人の楽しみは大人のもの、そういう文化があるんですね。

子どもが寝るときはベビーシッターでいい。子どもは寝なきゃいけない。大人は大人の楽しみを満喫する、そういう文化。でも、日本ってお父さんが帰ってきてお風呂にいれ、『川の字』になってみんなで寝る。そういう文化ですよね。」

――文化の違いもあるんですね。

「現代は、子どもの睡眠への優先順位が下がっているように思えます。優先度を上げたいのは、子どもの生活リズムです。」

――食事も寝るのも毎日、家族そろって…。子どもの睡眠を優先的に考えれば「この生活スタイルを守らねば」と無理に縛られなくていいのかもしれませんね。


今回は、子どもの睡眠時間から、夜に眠くならないときの対処など、具体的な方法まで聞くことができました。

印象的だったのは「子どものことも大事だけど、お母さんもがんばるために寝てくださいね」という鈴木先生の言葉。日本の女性は本当に短眠なんだそうです。「今日もよく寝たな~」と毎日言えるくらい、お母さんこそしっかり睡眠をとっていきましょう!

<取材先>


医学博士 鈴木みゆき先生

独立行政法人 国立青少年教育振興機構 理事長
日本睡眠学会所属。前和洋女子大学こども発達学類教授。2001年「子どもの早起きをすすめる会」を小児科医2人と設立し、「子どもの早寝・早起き」の重要性を広める活動をおこなっている。3人のお子さんを育てあげ、現在はお孫さんが2人。日本音楽著作権協会正会員。趣味は「遊び歌をつくること(作詞)」でNHK「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」等に詞を提供。


 
 
(すだ あゆみ)

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