「保育園落ちた」自分が終われば他人事? 待機児童・保活問題を終わりにするために【コソダテフルな毎日 第58話】
Woman.excite / 2018年2月1日 12時0分
待機児童問題が叫ばれてもう何年経つでしょうか。
いつまでたっても進んでいないような気がするのは、私だけではないはずです。
幼児教育無償化もいいけれど、希望者がみんな入園できるようになる全入をなんとか実現させてほしいものです。
しかし現実に目を向ければ…保育園全入時代が実現するときなんて、永遠に来ないような気すらしてきます(気が遠くなるほど問題山積みですね)。
待機児童問題については、私ごときが語れないほどさまざまな問題が複合的に絡み合っているのは重々承知の上で、私なりの意見を提示したいと思います。
■待機児童が減らない要因のひとつ「他人事」問題
この問題がなかなか解決しないことの原因のひとつに「喉元過ぎれば他人事になってしまう」側面があるからなんじゃないかなと思うんです。
あくまで一因ですよ。
箱の問題や、保育士の待遇面の問題は周知の事実だと思いますので、私があえてここで述べることはしません。
今回は、あまり気づかれていないけれど実は問題の根幹をついているんじゃないかな? と思う「喉元を過ぎれば他人事・待機児童問題に対する温度差」を取り上げます。
どういうことかと言いますと、待機児童問題ってピンポイントな世代が直面している問題だと思うんです。
世の中の0~90歳の世代のほとんどが、言い方は悪いですが関係ない問題で(本当は社会全体に関わる問題なのですが)、特に若者や中高年にとっては「へぇ~そんなに保育園に入れないんだ~」ぐらいの認識だと思います。
そして同じ20代30代だとしても、子どもがいる人といない人では「関係ある人」と「関係ない人」でわかれます。
少子高齢化社会ですから、介護の問題か子育ての問題かでいうと人数的に介護の問題で困っている人のほうが多くなります。
ただでさえ人数の少ない子どもに対する福祉が後回しになるのは、当然のことなのかもしれません。
■子育て世代でも「自分の問題」ではなくなると関心は薄れる
ましてや同じ子育て中の年代だとしても、子どもの年齢によっても関心の高さは変わってきます。
わが子がまさに待機児童問題に直面して保育園に入園できず、苦労している時には「なんとかしないと…!」と関心も高くなるし意欲的になりますが、いざ、子どもが希望の保育園に入園できると、ホッとしてその後関心が薄れてしまいがちです。
待機児童で苦労している後輩ママに「うちもそうだった!!」と共感することはできても、「あとに続く世代のためになんとかこの問題を解決したい!」と持続的に主張し続ける人は少ないように思います。
直球で表現するなら「私たちは問題から抜け出したから、あとはよろしく」といったところです。
誤解のないように言っておきますが、このような方たちが悪いと言いたいわけではないです。
かくいう私もまさにそのうちの一人です。
■「地方なのにまったく手ごたえなし!」の私の保活
私は三男が1歳になるまで、わが子を保育園に預けたいと思っていませんでした。専業主婦でしたので幼稚園の3歳入園まで自分で見るつもりでした。
当然その頃から待機児童問題は知っていましたが「へぇ~~そんなに入れないのか~」と完全に対岸の火事でした。
まさに他人事だったのはこの私です。
このように同じ子育て中でも、専業主婦でいるつもりのママと、育休中だったりこれから働きだそうとしているママとでは認識の度合いにも開きがあります。
そんな私ですが、三男が1歳になった頃、急にやりたい仕事を見つけ思いきって自営業を始めようとしたのです。
自分が働こうとするなんて…ましてや自分で仕事を始めるだなんて全く思ってもみなかったことなのですが急にパチンとスイッチが入りました。
いざ仕事を始めようと動き出したものの、思っていた何倍も現実は厳しいものでした。
甘かったですねぇ~~。
地方の田舎なので、言ってもどこかしら入れるだろうとたかをくくっていました。
両親も義両親も近くに住んではないし、夫の仕事は忙しいし、状況的には点数が高い部類に入るだろうから、どこかしら入園できるだろうと。
がしかし、1歳代での入園って一番入りづらい年代らしく(後から知りました)。
まっっったく手応えなし! かすりもしません。待機人数も教えてもらいましたがどこもかしこもものすごい人数です。
自分が待機児童問題に直面してよーーーうやく現実の厳しさを思い知ったのです。
どこかしら入れるだろうなんて、無知ゆえの楽観的観測でした。
都会であろうが地方であろうが関係ありません。こんなにも厳しいものかと驚きました。
■八方ふさがりの子育て…「どないせーっちゅーねん!」
でも結局こういうことなんですよね。
みんな自分が問題に直面するまではどこか他人事で、自分がその立場になってようやく問題の深刻さに気づくのです。
私はそのとき、「専業主婦でいるつもりだから」と待機児童問題に他人事と感じていたそれまでの自分を深く反省しました。
当時の私は、自分の意志で急に働き始めたいと思って動き始めましたが、急に夫が倒れて私が働かざるをえなくなることだってあるでしょうし、人生何が起こるかわかりません。
急に働くことを決めたのはいいものの、肝心の子どもを預ける場所がどこにもないわ、さらには仕事を探すために子どもを預かってほしいのにそれすらもないわで、一体どないせーっちゅーねん! ですよ。
こんなにも真面目に税金を払ってきているのに恩恵を受けたい時には受けれない。
怒りが沸いてきました。物議を醸した「保育園落ちた日本死ね」。自分が経験してみてこれを投稿した人の気持ちがよくよくわかりました。
結局どうしたかというと、三男が2歳になるまでは一時保育を利用したり、その一時保育も満員で入れないときには子連れで仕事をしたりしていました(子連れ出勤、いいように思えますが大変でした。自分にとってもお客様側にとっても)。
2歳になった4月にこども園に入園することができ、無事預け先が確保できたのでした。そして3歳の今は幼稚園に在園しています。
かつて自分が問題に直面したときには「一刻も早くなんとかしてほしい!」と強く思っていたのに、子ども全員が小学校・幼稚園に入って落ち着いた今は、当時の自分より明らかに待機児童問題に対する温度は下がってきています。
■私たちの苦労を次の世代では減らしていきたい
保育園に入れるまでにはあれだけ困っていたはずのに、入園できたら後に続く世代を助けてあげたいという気持ちが薄れてしまう。
私が言う「喉元過ぎれば~」というのはこういうことです。
「私たちはあれだけ苦労したんだから、このくらいの苦労は当然よ」とするのではなく、私たちがした苦労をどんどん減らしていきたい、これからママになっていく人たちが自分の選択肢を自由に選べるようにしてあげたいと思うような人でありたいです。
子どもが既に大きくなった人にとっても待機児童問題は決して喉元すぎた出来事ではありません。
また、子どもが今はまだいない人にとっても待機児童問題は未知の世界の出来事ではありません。
自分の望むライフスタイルを柔軟に実現できるように、少しでも多くの人が関心を持ち続けることが大事だと私は思います。
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(ちゅいママ)
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