「保育園に入りたい」は欲張りなんかじゃない。全入化への第一歩はコレだ!【コソダテフルな毎日 第59話】
Woman.excite / 2018年2月8日 12時0分
待機児童問題という果てしない課題。
前回の記事では、待機児童問題が解決しない要因のひとつとして、保活に苦労した人でも「喉元を過ぎれば他人事」になってしまう点が挙げられるのではないか、ということに触れました。
その解決のために私たち1人ひとりに何ができるかというと、自分の立場や状況に関係なく、「保育園全入化を実現させたい」という気持ちで同じ方向を向くことなのではないかと思ったのです。
どういうことかと言うと、物事を大きく動かすためには、みんなが思いを一つにすることが大事だと思います。
そのためには、それぞれの主義・主張・目的の違いなどを細かいところまでつついていたら話が進まないんです。
暗いトンネルの中で、全速力で走る人もいれば、立ち止まってしまう人もいるし、ズルをして楽しようとする人もいると思います。
でも1人ひとり「あなたのそれはおかしい」「あなたも全速力で走りなさいよ」と言っていては歩みが遅くなってしまいます。
それぞれ違うけど、みんなまとめてガサァァァっと同じ出口を目指そうよ!! そうなれば、出口は近いような気がします。
なぜ私がそう思ったのかというと、とある出来事があったからです。
■保活ママに向けられる厳しい声
私が急に働きたい! と思い保育園を探し始めた時(約2年半前)、いざ探してみると「保育園がこんなにも見つからないものなんだ…」と厳しい現実にぶち当たりました。
そのジレンマをブログで呟いたのですが、そうすると応援の声もある反面、一定数の批判の声もあったんです。
「向こう見ずに見切り発車をするあなたが悪い」といったものや、「まだ三男も小さいんだし、今働きに出なくてももう少し大きくなるまで待ったらどうか」というもの。
「みんな産休育休中から保活して、それでも入れないんだからそんな簡単に入れると思うほうがおかしい」というものもありました。
このとき初めて知ったのです。
政治家が子育ての政策を整えてくれない間に、世のママたちには潜在的に「保育園に入るのは難しいこと」という意識が根づき、気軽に「保育園に入りたい」と発言することにすら、否定的な声があがるようになっているんだなと。
同じ女性、子育て世代同士でもこんなに感覚の差があるし、足並みも熱量もそれぞれ。
働こうとするお母さんを応援する人もいればそうじゃない人もいるし、女性だから子育て世代だからといって、みんなが同じ方向を目指すことすらできなくなっているのだから、そりゃ一筋縄では解決しないなと正直思いました。
■仕事も子育ても大事にしたいと思うのは、ごく自然なこと
たしかに私の見通しが甘かったことも事実なのですが、育児に専念していたママが「社会復帰したい」と思い立ち、保育園に入れたいと思うのはごく自然な気持ちだと思います。
1年前から保育園を探している人も、一昨日から保育園を探している人も、保育園に入れなくて困っているという状況は皆同じはず。
「私はもっと前から準備してるのに」と誇示したり、「今すぐ働かなくてもいいんじゃない?」と働きたい人を否定していては話しが進みません(もちろんこういう方は少数だと思いますよ。みんながみんなそうだ と言っているのではありません)。
現在も待機児童問題で苦労している友人がいるのですが、その友達が「保育園に入れない…」と呟くと、「入りやすいところに引っ越したらいいんじゃない?」とか「幼稚園に入れる年齢まで仕事をやめたら?」といったアドバイスをいただくそうです。
もちろん、それで解決したケースもあるだろうし、保育園に入れない現実を受け入れて働くことを断念したママも多いのは事実です。
しかし、誰だって働きたいと思ったら今すぐ働きたいし、今の仕事を続けたいと思っていいんです。今住んでいる場所に住み続けたいし、自分の仕事も子育ても両方大事にしたい、それをベースに「保育園に入りたい」と言っていいと思うんです。
家族の生活をより豊かにしたい、自分の人生もより有意義なものにしたいと願うのは、人としてごく自然なことです。
どうしてこれがこんなにも叶えづらいのだろう、と悔しくなります。
■「保育園に入りたい」のは育休明けママだけじゃない
育休産休明けで復帰するママもいれば、 私のように急に社会復帰したいと思って仕事を始めるママだっています。
仕事の形態もさまざま。フルタイムの人もいれば、数時間のパートの人もいるし、私のように自宅で仕事をしている人もいます。
一億総活躍社会というならば、政府にはいろんな選択肢、生活スタイルを実現できるような受け皿をつくってほしいものです。
そして、その実現を少しでも早く進めるためには、当事者同士が批判し合っていてはいけません。
特に、私たち女性は、細かいところまで目配りしたり、周囲を見渡し器用に動くことに長けていると思います。
しかし、それは良いところでもあるのですが、細かい個々の差にとらわれて話が進みにくいという側面もあります。
保育園問題においても、それぞれ事情は違うけれど「今のこの状況なんとかならないの!?」と思う気持ちはみな一緒です。
「私たちの頃はもっと苦労したのよ」という人でも、「意外となんとかなった」という人でも、「私は待機児童問題解決に向かって熱心に活動しています」という人でも、「解決するかしないかだったらそりゃ解決したほうがいいよね」程度の人でも、個人のスタンスや活動は、もはや重要ではありません。
この際、1人ひとりの主義・主張・目的・活動状況など細かいところまで合致させようとせず、とにかく「保育園全入化を実現させたい」という気持ちを声に出していきませんか?
そして、「働くお母さん」に注目が集まる一方で、 子育てに専念するために仕事を辞める・もしくは辞めざるを得なくなった母親=専業主婦もいます。
■専業主婦の苦悩
専業主婦は子どもをどこへ預けるかというとだいたい、3歳か4歳になった頃に幼稚園に預けるのが一般的だと思います。
幼稚園は保育園と違って母親が働いていなくても入れますし、おそらく世間のイメージだと、専業主婦の家庭の子どもが通っているイメージではないでしょうか。
(幼稚園ママというと、お受験だったり、セレブママやマウンティングといったイメージがありますが、こんなのほんの一部です。実際私の周りはこんなことありません(笑))
かくいう私も子どもを幼稚園に通わせている幼稚園ママです。
私だけなのかもしれませんが、幼稚園に通わせている母親からすると待機児童問題にがっつり切り込んでいきにくいというか、畑が違うような気がしてなかなか積極的に発言してはいけないと思う瞬間があります。
なにか積極的に発言しようと思っても、どこか気後れしてしまうところがあるんですよね。
だって、最終的に子育てに専念することを選んだのは私なのだから。
しかも、専業主婦だと無自覚のうちに自分を責めがちで、どこか「生活させてもらっている」という意識が植え付けられてしまい、これ以上のことを望んではいけない、とか、何かしらどこかは我慢しないといけないみたいな意識が知らず知らずのうちに積もってしまうのです。
しかし、わが子を幼稚園に通わせている母親である私でもほんとの本音のところでは「こうだったらいいのにな」と大きな声では言えない気持ちを持っているのです。
長くなりそうなので、その理由は次回(2/15UP)に続けたいと思います。
【お知らせ】
前回の「「保育園落ちた」自分が終われば他人事? 待機児童・保活問題を終わりにするために」の記事下アンケート「Q. 子育てで罪悪感を感じることはありますか? 」のアンケート結果はこちら↓
(ちゅいママ)
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