ワンオペ育児「心が折れそう…」心理カウンセラーに聞いた、そんな時はどうする?
Woman.excite / 2018年4月10日 6時0分
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夫に協力を頼めない、ほかに頼る人がいない…。自分1人で子育てのあらゆるタスクをこなしている状況を「ワンオペ育児」と呼ぶそうです。
そんな状況下では、1人の辛さや苦しさから気持ちに余裕を持てなくなったり、生活を切り盛りするのが難しくなったりする人も少なくないと聞きます。ワンオペ育児で心が折れないために、どうすればいいのでしょうか。
■ワンオペ育児は「自分劇場」? 女優魂で乗り切ろう
1人で子育てしていると「どうして私だけがこんなに辛いんだろう」と思ってしまうこともあるでしょう。でも、その「私だけ」という気持ちは心をもろく、折れやすくしてしまうものです。そんな時は、自分を主人公に見立て、「自分劇場、開幕!」としてみてはいかがでしょうか。
映画やドラマでは何かしら事件やトラブルが起こりますよね。それを解決するために主人公が立ち上がるわけですが、自分もそうした世界の主役であると想像してみましょう。「寝坊した! 子どもを園に送る時間まであと15分。やるしかない!」「明日のお弁当に使える材料がひとつも見当たらない。さあ、どうする…」と事件(!)の当事者になったつもりで、そのシチュエーションを楽しんでみるんです。
「私は“母1人子1人劇場”の主人公で、女優なの!」と思い込めば「さっきの演技、こうしたほうがもっとうまくいったかも」なんて改善点が見つかることもあるかもしれません。イライラする気持ちも生まれにくくなるのではないでしょうか。
しかし、子育ては長きにわたる大仕事。女優モチベーションがずっと持続できるか心配になるでしょう。もし、「もう自分劇場の主人公でいられない」と感じる時があったとしたら、それはほかに原因があるはず。自分の気持ちを見直す時間を持つようにしてみると良いですね。
■自分で自分を苦しめない「罪悪感」の解消法
「仕事で忙しく、子どもと過ごす時間が少なくて申し訳ない」「専業なのに、自分だけの時間を持ちたいなんて贅沢」なんて思ってはいませんか? 「時間はすべて子どものために使わなければ」という自己犠牲ともいえる思い込みが、ワンオペ育児をいっそう辛く感じさせてしまうものです。
だからこそ、積極的に自分だけの楽しみ、自分だけの時間を作るよう意識してほしいのですが、その邪魔をするのが「罪悪感」という名のモンスター。そんな罪悪感を解消する方法のひとつが、三者択一で自分の心の声に耳を傾けることです。
例えば、「1人の時間を持ちたいからといって、仕事もしていないのに子どもを誰かに預けるのは忍びない」と思っている人は、「私は1人の時間を持ちたい」「私は1人の時間を持ちたくない」「私は1人の時間を持たなくてもいい」の3つを思い浮かべてみましょう。どれが心にズキンと響くでしょうか。
この質問を自分に問いかけて、自分の心の声としっかり向きあい、3つの中で「私は1人の時間を持ちたい」が一番気持ちにフィットするのであれば、自分が楽しむのは、家庭のため! と発想を切り替えましょう。実際に、1人の時間を過ごしたり、自分が楽しむことにお金を使うことで、気持ちが軽くなりハッピーな気分になれば、それは子どもや夫にも伝染し、結果的に周囲との関係性も良くなっていくものです。
また、自分の子どものことを、周囲の人に対してむやみやたらと「忙しくてずっとそばにいてあげられなくてかわいそう」と言うお母さんがいますが、それは今回説明したものとはまた別物。その場合は、「子どもをかわいそうと思うこ とで得ることができる、なんらかの感情」を抱えているケースが多いです。
例えば、「今の状況は子どもにとってかわいそうと思うことで、(実際はともかく)自分は育児をしっかりこなしている、きちんと子どもを気にかけているお母さんなのだと周囲の人に思われたい」のかもしれません。もしくは「子どもはやはり母親がぴったりと寄り添って育てたほうがいいのだ」といった価値観に自分が苦しんでいるのかもしれません。
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■もっと育児を楽にする「思い込み・理想を手放す」
自分1人で子育てを続けていると、「この子のことをわかっているのは私だけ」という思い込みが強化されますし、どうしても視野が狭くなってしまいます。そのため、子どもを他人に預けることをためらってしまうこともあるでしょう。でも、それではお母さんと子ども、1対1の 関係は煮詰まるばかりです。
育児に関してほかの人と共有できる、もしもの時に頼れる人がいるというだけで、気持ちがずいぶんと楽に感じられるはずです。夫や父母が当てにならないとしたら、一時保育先の先生やベビーシッターさんなど何人かお会いしてみましょう。その中で「この人になら預けられる」と直感で信用できる人がいたら、思い切って短い時間からでも子どもを預けてみましょう。
お母さんから離れても、変わらず楽しんで過ごす子どもの様子を見れば、さまざまな人とかかわることが子育てのマイナスにはならない…と、自分の思い込みも変わっていくでしょう。
また「21時までに寝かさないと子どもは大きくならない」「お惣菜ばかりの食事では栄養がきちんととれない」など、“理想の育児”にとらわれて、目には見えないルールに毎日ががんじがらめになっていませんか?
そんな時は一度「これって、誰が決めたルールだろう?」と考えてみてはいかがでしょうか。そのルールが自分にとってストレスがなく「スッキリする」「楽しい」ものであればいいですが、そうではない場合、一度ルールを見直してみるのもアリだと思います。
もし、あなたがワンオペ育児を「辛い」と感じているなら、すぐに苦しみを解消していく方法を考えていきましょう。大変なこの状況を舞台設定として、女優気分で楽しむ。遠慮せず自分を楽しむ。思い込みのルールを捨て他人を信じる。ひとつでも意識することで、少しでも心を軽くしていけるでしょう。
(佐藤栄子)
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