日本の子育ては、子どもを「幸せな大人」にできるのか?【世界一幸せな国デンマークの子育て Vol.1】
Woman.excite / 2018年4月18日 11時0分
人生をプラスに変える世界一幸せな国の子育て
突然ですが、子育てをしていて、幸せですか? 「毎日、子どもを叱ってばかりで子育てが、苦しい」。そんな気持ちを経験したママも多いかもしれませんね。「もっと違う子どもの育て方があるはず…」 そんなことを感じたことがあるママたちに、「世界一幸せな国」の子育て事情をお届けします!
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■40年以上も世界一幸福な国はどこ?
「世界一幸せな国」に、デンマークは、1973年から40年以上ほぼ毎年選ばれています(OECD(経済協力開発機構)が選ぶ「世界一幸福な国」に選出)。
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デンマークは北ヨーロッパに位置する小さな国です。日本人にとっては、「童話作家アンデルセン」と、「レゴ®」くらいしかなじみがないかもしれませんね。しかしデンマークは、国際連合の「世界幸福度調査」の2017年度ランキングでも世界第2位。ちなみに、日本は51位です。
■日本の「子育ての価値観」は世界的に正しいのか?
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世界幸福度調査は、「人々の心理的な幸福度こそが重要」という視点で分析されているそうです。「心理的な幸福度って、何?」 そう思ったのは私だけでしょうか? 「いい学校に入って、いい会社に就職する」とか「結婚して、子どもを産む」とか…。
幸福=枠から外れない人生をきちんと歩むこと。それくらいしか思い浮かばない私は、「そもそも幸福について、真剣に考えてみたことがないのかも」と思いました。でも、これが日本の現実(世界幸福度調査51位)かもしれませんね。
今回、ご紹介させていただく『デンマークの親は子どもを褒めない』の著者は、「親として大切なのは、まずは自分の『初期設定』を確認することです」と、言っています。
多くのママたちが、「普通の日本の価値観」の下で育ち、これが初期設定となっていることでしょう。「日本で『正しい』とされている子育ては、そもそも『未来の幸せな大人』になるために必要なことなのか?」 そんな疑問を持ってみることが、「未来の幸せな大人」を育てる子育ての第1歩です。
■ママを楽にする「デンマーク流子育て術」
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では、デンマークの子育てで大切にされているのは、どんなことなのでしょうか? 「PARENT(親)」の各文字を使って、キーワードを整理してみます。
『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』よりウーマンエキサイト編集部にて作成
<日本の“普通”の子育て>
・1週間の中のスポーツ、習い事を親が準備している
・学習の先取りや知育玩具を与えている
・遊び中で起こりそうな危険を排除している
<デンマーク流ヒント>
自由に遊ぶことは、人が生きていく上で大切な『心』や『能力』を育ててくれる。たとえば折れない心(レジリエンス)、自分の人生は自分でコントロールできると感じていること、ストレスに対処する能力…これが幸福感の基盤になる
<日本の“普通”の子育て>
・親が無理に笑顔を作って「大丈夫」と自分をだましている
・大きい家や新車を買うことを目標としている
・子どもに「頭がいいね」「賢いね」とほめている
<デンマーク流ヒント>
ありのままを見ることは、自分の感情を信頼する気持ちを育む。あらゆる感情を抱いて良いことを、忘れないで! 自分に正直になることを学べば、自尊心が生まれる。子どもがそんなふうに育つよう、親はプロセスを褒めてあげよう
<日本の“普通”の子育て>
・「娘はわがままだ」「息子は数学が大の苦手だ」と言ってしまう
・決めつける言葉「私は●●が嫌い」「私はこんな人」と言っている
<デンマーク流ヒント>
「リフレーミング=視点を変えること」の技術を教えることは、親が子どもに与えられる最高の贈り物! ネガティブな情報に目をつぶるのでなく、良い面に意識を向ける「リフレーミング」は訓練で習得できる
<日本の“普通”の子育て>
・ママ友にわが子の問題を正直に打ち明けたことがない
・「母乳育児しないなんて自分勝手!」など他人を批判する
・わが子に失敗させたくないと、あらゆる衝突を避けさせる
<デンマーク流ヒント>
良好な人間関係は、幸せを感じる上でもっとも重要な条件のひとつ。共感力のある人は、そうではない人より成功の度合いが大きいことも研究からわかっている。共感力は訓練で習得できるし、それを習うことで他人と自分自身を尊重できるようになる
<日本の“普通”の子育て>
・自分が疲れているときに、子どもが悪さするとキレてしまう
・しつけとして子どものお尻をたたいたことがある
・「次に言ってきかなかったら、もう知らないからね」と言ったことがある
<デンマーク流ヒント>
子どもに言うことを聞かせるために、親は怒鳴ったり、時にはたたいたりしてしまうこともあるかもしれない。支配型の子育てスタイルでは、恐怖を与えているだけ。短期的には効果があったとしても、長期的には悪影響が出る可能性も。
<日本の“普通”の子育て>
・わが子が何かで一番になって目立ってほしい
・困っているときに相談せずに困難に耐えようとする
・新米ママは、やることと睡眠不足で押しつぶされそうになっている
<デンマーク流ヒント>
大切な人とともに居心地よくすごすことを、『ヒュゲ』という。デンマーク人にとって、『ヒュゲ』は生き方そのもの。美徳でもあり、自尊心でもある。デンマーク人は個人も重んじるが、他者との関わりやサポートがなければ、人として真の幸福は得られない、という考え方なのだ
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「デンマーク人が、子育てをする上で優先していること」が、日本人の私の感覚とかけ離れていることに驚きました。「でも、デンマークの子育てエッセンスを自分の生活に取り入れてみたら、毎日が少し楽になるかもしれないな」と、感じています。
次回は、「困難に負けない「折れない心」を育てるために、親ができること」で、「リフレーミング」スキルについてのお話です。
『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』
ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)
ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさん
アメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。
イーベン・ディシング・サンダールさん
ナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。
翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん
国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。
(楢戸ひかる)
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