脳医学者・瀧靖之先生が総監修! 賢い子どもは早くから〇〇を楽しんでいた
Woman.excite / 2018年4月30日 12時0分
赤ちゃんの頃は「元気に育ってくれれば、それで十分」と思っていたのに、子どもが成長するにつれ「あれもこれもできる子になってほしい」とついつい願ってしまうのが、親の常。でも、世の中にはさまざまな幼児教育があふれ、どれを選べば正解なのか、わからなくなりますよね?
そんなママのお悩みを、シンプルに解決してくれるのが、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文嚮社)が10万部を超えるベストセラーとなった脳医学者・瀧靖之先生。つねづね「子どもを賢く育てるには、図鑑が一番!」と話し、自らも図鑑を使った子育てを6歳の息子さんに実践している瀧先生が総監修した「MOVEはじめてのずかん みぢかないきもの」(講談社)が発売されました。
「図鑑を作るのが夢だった」と話す瀧先生の「こんな図鑑が欲しかった」のエッセンスがたっぷり入ってできあがった一冊。制作での思いや、図鑑の効果的な使い方などを瀧先生にお聞きしました。
1970年生まれ。医師。医学博士。 一児の父。
東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長・加齢医学研究所 教授。
東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIはこれまでに16万人にのぼる。「脳の発達と加齢に関する脳画像研究」「睡眠と海馬の関係に関する研究」「肥満と脳萎縮の関係に関する研究」など多くの論文を発表。学術誌はじめ新聞・テレビなど、マスコミでも数多く取り上げられ注目を集めている。『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は10万部を超えるベストセラーに。
■「はじめてのずかん」が子どもの好奇心の入り口に
まずは最初に、瀧先生が提唱する「どうして図鑑が脳にいいのか?」をご紹介しましょう。
・いろいろな情報に触れられる図鑑は子どもの好奇心を育てる。
・絵や写真があるので、言葉をつかさどる領域だけでなく、図形や空間を認知する領域など複数の脳の領域を同時に活性化できる。
・図鑑で見たもの(バーチャル)を実際に見る(リアル)ことが子どもの好奇心を広げ、知識を定着させる。
上記をふまえたうえで、インタビューはスタートしました。
── 今回、図鑑の総監修をしてみていかがでしたか?
瀧靖之先生(以下 瀧先生):小さな子どもでも楽しめるけれど、中身は本格的という図鑑があればいいのにとずっと思っていました。子どもは暗記力もすごいし、大人以上に好奇心が旺盛なので、はじめて触れるからこそ本物を見せたあげたいという気持ちを出版社と分かち合えました。
今回、まだ形のない段階から関わり、何度も何度も出版社とやりとりを重ね、かなりイメージ通りの「図鑑の入り口となる図鑑」ができあがりました。
── 「はじめてのずかん」というだけあって、図鑑に触れる入り口となる図鑑なんですね?
瀧先生:図鑑というと小学校入学のプレゼントというイメージがあり、そのくらいの時期に初めて手にするお子さんも多いと思います。今までは、小学校入学前後の子どもに向けた本格的な図鑑か、子どもっぽいおもちゃのような図鑑しか出ていませんでした。
昔の僕みたいに図鑑が好きな子どもは初めから本格的な図鑑から入ればいいけれど、そうではない子どもでも興味をもって手に取り、図鑑の入り口になる1冊があればと思っていました。ここから先は、恐竜や昆虫、動物などの図鑑につながっていける「初めての図鑑」を作りたかったんです。
そのためにも、ただ「チョウ」とか「ゾウ」とかではなく、「クロアゲハ」とか「アフリカゾウ」などきちんと名前を伝えて、興味を持ってもらえるようにしています。子どもは機会的な暗記力がすごいので、あっという間に覚えてしまいますから。そして、デザインもほかのシリーズとそろえ、本格的な図鑑にしました。
── 「2歳からの脳に効く!」と帯にありますが、2歳くらいでこの図鑑を手にするのがいいのですか?
瀧先生:言葉を吸収し、周りに対する好奇心もどんどん出てくるのが2歳くらいですが、もちろん、0歳からでも1歳からでも、3歳、4歳でも図鑑を楽しんでもらって構いません。ただ、「好き嫌い」がまだあまり出ていない早い時期からいろいろ見ておくと、大きくなってからも好奇心の対象を広く保てます。できれば早い時期から図鑑でいろいろな情報に触れていただきたいと思っています。
■図鑑が苦手な親子だから楽しめる“しかけ”が満載
──「読み聞かせ図鑑」というのもおもしろいですね。図鑑というと見るイメージがありますが、読み聞かせができるんですね。
瀧先生:子どもが楽しむためには親がまず楽しむことがとても大切なのですが、世の中のお父さんお母さんがみんな図鑑好きというわけではないと思うので、今まで図鑑にあまり触れてこなかった方でも気軽に子どもと楽しめる工夫にこだわりました。
── それは世の中のパパママにとてもありがたいですね。
瀧先生:好奇心だけではなく、乳幼児期に愛着形成をすることは、その後の精神安定に非常に大切だと言われています。ぬくもり、声、笑顔など親子の愛着掲載がとても大事な時期なので、子どもひとりで読むのではなく、親子でコミュニケーションをとりながら楽しめるようになっています。
── 具体的にはどのようなしかけがあるのでしょうか?
瀧先生:ほかの図鑑ではあまりないと思うのですが、写真の動物が吹き出しで話しています。もともとMOVEシリーズの特長である動きのある写真も子どもを引きつけますが、生き物が話すことで子どもの興味をよりひきつけやすくしています。そして、その吹き出しを読めば、誰でも簡単に読み聞かせができるんです。
それ以外にも、親子の会話のきっかけづくりになるコラムがあったり、子どもが大好きなクイズが載っていたりして、親子の愛着形成や言葉を覚えるコミュニケーションが簡単にできるようになっています。
── たしかに「ゾウの足音ってどんな音」というコラムなど自分も知らないことが載っていておもしろかったです。
■知的好奇心を育てるのは「図鑑で見たアレ」を「実際に目にする」
── 親子のコミュニケーションのほかにこだわったことはなんでしょうか?
瀧先生:図鑑に載っていた動植物を目の前で見られたら「これが図鑑で見たアレなんだ」と興味が深まりますね。知的好奇心をいかに伸ばすかを考え、あえて身近なところを前半に取り上げました。
── パッと目をひきそうなパンダやキリンなどではなく、ダンゴムシとかチョウなど「まちのいきもの」から始まっているところに挑戦を感じます。
瀧先生:あまりにも遠い世界のことを入れてもつながらないので、図鑑を見た後に身近なところで本物を見る、あるいは本物を見て「これは何だろう」と図鑑を見る、ということを双方向で繰り返すことで、知的好奇心は伸びるんです。そして題材は身近だけど内容は本格的。子ども扱いして幼稚じゃないことが大事です。
■図鑑の正しい使い方、NGな使い方
── ついつい、脳への効果を期待してしまいますが、この図鑑はどうやって使ったらいいでしょうか?
瀧先生:一番大切なのは、親自身が楽しむこと。「子どもに興味を持たせなければいけない」と重荷を感じる必要はまったくなくて、親自身が興味を持つところをパラパラめくって、ペンギンが好きならペンギンを、猫が好きなら猫をと興味をもったページを楽しんでいれば十分です。
── 大人が楽しんでいれば、子どもも「楽しそう」と思ってくるわけですね。反対に、NGな使い方もありますか?
瀧先生:子どもに押しつけることは避けたいですね。勉強もそうですが、「やりなさい」というと子どもは嫌になりますから。
あとは、本棚の飾りにせず、テーブルなどいつでもパッと手に取れる場所に置いておくことです。そうすれば、外でチョウを見かけたり水族館に行ったりしたら、帰ってから「なんだろうね」とすぐに調べられます。
本棚にしまいっぱなしでは、「なんだろうね」と疑問を持ちながらも調べずに終わってしまうので、せっかくの好奇心が伸びずにもったいないですよね。
── やはり「疑問に思ったことを調べる」ということが大切なんですね。忙しい時などつい子どもの「なんだろう」を聞き流してしまう自分としては反省します。
瀧先生:疑問に思ったことを調べる、というのは一生使える勉強の基本ですよね。「調べようね」と言って調べるのは、子どもにとってとても楽しいことです。まだ「勉強を勉強と思わない」小さな頃から調べる習慣がつくと、勉強しなければいけなくなった時に自分からどんどん調べることに抵抗がなくなります。
── 最後にこの図鑑をぜひ手に取ってほしい、乳幼児のお父さん、お母さんにメッセージをお願いします。
瀧先生:いろいろなことに好奇心を持てるようになると、将来どんな道に進んでも、きっと役立ちます。身近な動物や植物にもちゃんと名前がついていて、おもしろい特徴があったりする。そんなことを教えてくれるのが図鑑で、図鑑は世の中の広がりを知り、世の中に興味を持つ最初の一歩になります。その「最初の一歩」として楽しめる図鑑が完成したので、ぜひ親子で楽しんでみてください。
総監修に脳研究者・瀧靖之先生、生きものの監修に動物学者の今泉忠明先生をむかえ、読みきかせできる図鑑として親子で楽しむこともでき、小学校低学年のひとり読みにも最適です。 ファースト図鑑として、小さなこどもが出会う身近な生きものを網羅。 カブトムシ、ダンゴムシ、ゾウ、キリン、ドングリ、はっぱ…子どもたちの好きなものが詰め込まれています。 クイズやコラム、巻末には生きものが登場する昔話も! はじめて出会う自然の世界を、季節を感じさせる本格的なイラストとダイナミックな写真、NHKの貴重なアーカイブ映像で紹介します。
文・取材/まちとこ出版社 石塚由香子
(まちとこ出版社)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【脳医学者・瀧靖之先生監修】あそびを通して“地頭を鍛える”知育シールパズル発売! 恐竜を完成させながら集中力や空間認識力を養える一冊
PR TIMES / 2024年9月13日 11時15分
-
「英語がペラペラな子」に育てるはずだったのに…英才教育で子供を潰す「教育熱心な親」の悲劇的な結末
プレジデントオンライン / 2024年9月8日 10時15分
-
「80点とれたらゲームを買ってあげる」は逆効果…小中学生4万人調査で判明した子どもを伸ばす声かけ
プレジデントオンライン / 2024年9月1日 9時15分
-
学習塾、習い事に通わせるよりも効果的…「頭のいい子」が育つ家庭に共通する"幼児期のある習慣"
プレジデントオンライン / 2024年8月31日 8時15分
-
脳がヨボヨボになる原因は「老化」ではない…1万人の脳を診た脳内科医が「45歳の危機」に警鐘を鳴らすワケ
プレジデントオンライン / 2024年8月27日 7時15分
ランキング
-
1不動産会社の女性経営者が教える! 間取りでわかる「選んではいけない賃貸物件のNG特徴」5選
ananweb / 2024年9月21日 20時0分
-
2「和牛」と「国産牛」は何が違うのか…高級な「A5ランクの和牛」がおいしいとは限らないワケ
プレジデントオンライン / 2024年9月21日 16時15分
-
3ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
4「やってみますじゃないんだよ!」糖尿25年の男性が医師の"最終激怒警告"3カ月後に迎えた「まさかの結末」
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 10時15分
-
5黒板の「書き写し」、教科書に「蛍光マーカー」は意味がない…最新研究でわかった「頭がよくなる科学的な勉強法」
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください