心配性は女の子に多い? 怖がりな子どもが安心する接し方【コソダテフルな毎日 第70話】
Woman.excite / 2018年4月26日 12時0分
小学校の懇談会で先生がおっしゃいました。
「親心としてはつい『もう四年生だし』と思いがちですが、『まだ四年生』でもあります。自立へ向けてサポートしつつ、しっかりと目は離さず、今一度気にかけてあげてください」
「特に教科書や持ち物の準備は、お子さま1人に任せていると、どうしても大事な時に大事なものを忘れてしまって、授業がスムーズに進みにくいという事もございますので、ちょ~~っっと気にかけていただけると助かります」
あ……あああ。耳が痛い。まるで私に向けてのメッセージかと思いましたよ。
たしかに、私も持ち物の準備は低学年の時ならまだしも、中学年にもなると普段は全然気にかけていません(新学期や、長期休み明けには持ち物が多いので一緒に用意するぐらい)。
息子もいい加減なのに、親の私もいい加減なものだから、もしかしたら大事な時に大事なものを忘れてしまったことも一度や二度じゃないかもしれません(確証はないけれど)。
忘れ物のないように私もフォローしていかなければ……と今一度気を引き締めたところで、先生のお話を聞いた感想をわが子の話に絡めながら一人ずつ発表していくという企画が催されました(わぁぁん! 苦行!!)。
その中で特に印象的だったのが、
「(先生は、子ども任せにしないでくださいとおっしゃったけれども)逆に子ども自身がものすごく心配性で、ランドセルの中身を何度も何度も確認したり、忘れ物がないか一緒にチェックしてほしいと頼んできたり、『大丈夫よ』と声をかけても本人は毎日すごく心配している。こういう子にはどう声掛けすればいいのか」といった意見。
しかも、同じような悩みを抱えているお母さんが複数いたのです。
「うちの子もすごく心配性で……」と悩むご家庭のお子さんは全員女の子でした。
いい加減な男子の親の私にとっては抱えたことがない悩みだったので、すごく新鮮だったのですが、このお話を聞いてふと思い出しました。
私自身にも思い当たる節があったんです。私も小学生の頃一時期、同じように忘れ物がないかものすごく心配で眠れなかった時期がありました。
寝る前に明日の用意を済ませて、その時点でしっかりと確認したはずなのに、布団に入ると「あれ入れたかな……」「あそこにちゃんと入ってるかな?」と不安になってくるのです。
勉強机に置いてあるランドセルの中を確認しに行くためには、布団を抜け出して別の部屋に行かなければなりません。
ドアを開けるとガラガラと音がする引き戸だったため、布団から抜け出したことが音ですぐに分かってしまいます。
寝なくちゃいけない時間なのに、布団から抜け出しているところを母親に見つかると叱られるんじゃないかな。でも明日の用意がきちんと出来ているか、やっぱり気になるし……。今やらなくても明日の朝チェックすればいいんじゃないのかな。 でも今確認しないと落ち着いて寝れない……ドキドキドキドキ。
布団から抜け出すことについてドキドキするし、なんとか落ち着かせようとするのですが、暗闇の中で考えれば考えるほど不安になってきて、結局なんとも言えない気持ちでランドセルを確認しに行きます。
そうするとやっぱりちゃんと用意はできていて、ホッと安心して布団に戻るのですが、今度は別のものがきちんと入ってるかどうかが気になって不安になってくるのです。
どうしてこんな心配性になったのかは残念ながら覚えていませんが、ある時急に極度の忘れもの心配性になったのです。
私の個人的な感覚ですが、女の子の方が小さいころは怖がりな気質な子が多いように思います。実は私、男の子3人を子育てしていく中で、女の子の感覚の繊細さに驚かされる事がよくあります。
例えば、アニメの一場面にしても少し暗い画面になると「こわい」と言ったり、少し高いところに登っても「こわい」と言ったり、「え!? これのどこが怖いの!?」と思うことでも怖がるのは女の子の方が多いように思います。
恐怖や危険を察知する感覚が男の子に比べてすごく繊細な気がします。
ケガや事故に遭う確率が男性のほうが高いと言われていますが、その理由は女の子の方が「怖そうなもの」を察知する能力がより繊細で、少しでも危なそうだなと思ったらその時点で止めるからじゃないかとも思います。
私も、とても怖がりな女の子でした。
私の場合、「忘れ物をしたら先生に怒られちゃう……」と不安に思ったり、「忘れ物をしたら、こうなって、こうなって、こうなっちゃうんじゃないか……」と一人勝手にシュミレーションをして緊張してしまっていたんだと思います。
実際には怒られたこともないのに、怒られたり恥をかくことを怖がっていたんだと思います。
先生に怒られたらどうしようと怯え、お母さんに怒られたらどうしようと怯え、当時はどうしたらいいのか、どうしてほしいのか自分でもよくわかっていなかったのですが、大人になった今ならわかります。
もし、今、当時の私に戻って気持ちを具体的に表現するならば(当時は気持ちを説明することができませんでした) 、言われたくない言葉があります。
言われたくない言葉 その1「また!?」系
何度も確認してしまう作業を「またやってるの!?」と言われるのはつらいです。「またやってる」なんてことは言われなくても自分でもわかってるんです。でも、自分でもどうしたらいいか分からないからやってしまうのであって、そこを「また?」と言われたら、気持ちを押しこめて一人で抱え込んでしまうことになります。
言われたくない言葉 その2「だから大丈夫だってば!」
きっと安心させたくて「だから大丈夫だってば!」と言ってくれてると思うのですが、これもちょっとプレッシャーになります。大丈夫だと思いたいのに不安になってしまう、この気持ちを汲んでほしいと思います。
ということで、周囲の大人がどう接してくれれば安心できていたのかと考えてみました。
■不安なときに、大人に言って欲しかったこと
まず1つ目に一緒に確認作業に付き合ってほしいということ。
お父さんでもお母さんでもいいから、不安に思う時には一緒に付きあってほしいのです。年齢や学年に関係なく、「一緒に付き添ってほしい」と望むうちは付き添ってほしい。
2つ目に大丈夫だと安心できる目に見える何がが欲しいということ。
例えば持ち物を一緒に確認するだけでなく、紙に持ち物をリストアップしてチェックしてほしいです。目で見て確認できる「チェックリスト」や「写真」があれば、わざわざランドセルまで行かなくても布団の中で安心できます。
3つ目に、助けてくれる人がいるんだという安心感を与えてほしいということ。
仮に忘れ物をしてしまったとしても、「お母さんが届けてあげるから大丈夫」とか「お母さんがかわりに謝ってあげるから大丈夫」という自分のかわりに誰かが何とかしてくれるっていう安心感が欲しいです。
自立する上で親がかわりに何かをしてあげるというのはよろしくないと思われるかもしれませんが、とにかく得体のしれない不安に駆られている時には、誰かがなんとかしてくれるっていう安心感が欲しいんです。
「大丈夫。忘れ物なんてしてないよ」と励ますよりも、「忘れ物をしていたとしても助けてあげるから大丈夫よ」という言葉をかけてくれたら、とても安心したと思います。
小さいうちに心配性だからといって、必ずしも大きくなっても心配性が続くわけではないと思います。
私の場合は大きくなってからは全然心配症ではありませんし、むしろもうちょっと心配したほうがいいんじゃないかと思うぐらいです。
またその逆で、小さいころは奔放だったけれど、大人になって心配症になったという人もいるでしょう。いずれにせよ、子どものころの気質がずっと続くわけではないと思うので、「こんなに心配性で大丈夫だろうか…」とむやみに心配することはないかな? と個人的には思います。
不安な気持ちになってしまう時期は誰にでもあると思うので、わが子が不安な気持ちになった時には、無理に前向きな気持ちにさせようとせず、不安な気持ちが和らぐように一緒に付き添い、「ママが助けてあげるよ、ママがかわりに謝ってあげるよ」と声をかけていきたいと思います。大人だって、一番大事な人に「かわりに謝ってあげる」「助けてあげるよ」って言われたらすごく安心すると思いませんか?
実際にはかわりに謝ってもらわなくとも、その言葉だけですごく安心できると思います。
「欲しい言葉が聞けた」。これだけでも、とても勇気が湧くものです。
【お知らせ】
前回の「どうか子どもの癖を否定しないで。爪噛みをしていた私が思うこと」の記事下アンケート「Q. これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?」のアンケート結果はこちら↓
(ちゅいママ)
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