2歳からでも料理はできる! 始める前に伝えたい3つのこと【子どもに料理を教えたい! Vol.1】
Woman.excite / 2018年5月3日 18時0分
食育のためにも、子どもに料理のお手伝いをさせたいけど、具体的に何をどうさせたらいいかわからない、というお母さんは多いのではないでしょうか? 私も3歳の息子にときどきお手伝いをしてもらいますが、ついつい口や手を出してしまうことが多く、悩んでいる一人です。
そこで、2歳の子どもから通える料理教室「Little Chef Cooking」を主宰する武田昌美さんに、子どもが自分で料理を作れるようになるために、お母さんが気をつけるポイントと、一緒に楽しみながら作れるレシピを伺いました。
子供料理研究家。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2歳児から始められる料理教室を主催する。保有資格は、フードコーディネーター、スパイスマイスター、食品衛生責任者。
HP:http://little-chef-cooking.com
instagram: @littlechefcooking,@masamis__kitchen
ブログ: https://ameblo.jp/masamii0620/
■「入れる順番を間違えても、ケーキはできる」
4歳と1歳、2人のお子さんを持つ武田さん。子どもの頃からフランス料理の修行していたお父さまに、やさしく教えてもらったことが料理好きの原点なのだとか。
「両親は怒らない人だったので、楽しんで料理をすることができたんだと思います。私も子どもと一緒に楽しめることを、と考えて子どもが通える料理教室をはじめました。そこで、『野菜洗いと葉物ちぎりをさせてみたものの、危ない気がしてその先には進めない…』と、悩みを抱えているお母さんが多いことを知りました。
しかし、それではお子さんは料理らしいことをできず、不完全燃焼となってしまいます」
料理教室で一番伝えたいのは、「失敗しても大丈夫」ということだと言います。
「『なんでもできるよ、失敗しても大丈夫だよ』と伝えて、子どもたちには自信を養ってほしいです。料理は失敗しても、いくらでもリカバーできるのがいいところ。入れる順番を間違えてもケーキはちゃんとできるし、卵を割り損ねちゃっても、まだたくさんあるし、割ってしまった卵でもう一品何かできるよねって。プラスの発想ができるように、いつも考えています。失敗してしまっても、それが生かせるということを、実体験を通して感じてほしいと思っています。
もし卵を床に落としてしまったら、もちろん捨てるしかないですが、『大丈夫。今回はテーブルと離れていたから落としちゃったんだね。じゃあ今度はもっと近づいてやってみようか』と声をかけて、失敗とはみなさないようにしています。
『なんで割っちゃったの?』と言ってしまうとそこで終わり。“成功へ一歩、また近づいたね”というスタンスでいてあげることが一番大事です。教室はいつもと違う環境なので、お母さんもそう言ってあげようと思ってくださったら嬉しいです」
■料理を始める前に、最初に伝えたい3つのこと
そんな武田さんの料理教室では、最初に3つのことを必ず伝えるのだと言います。
「料理で怖いのは、怪我をしてしまうこと。真剣にやらないで、ふざけてしまったために起こる事故が一番危険です。包丁を振り回したり、大やけどをしてしまったり、手洗いを徹底せずにバイキンの温床を作ってしまったり…。料理を始める前に、まずお母さんが、火・刃物・ばい菌の3つのことを説明して、危険なものを理解させることが大切です」
「最初に、火の近くでちょっと手をかざして“熱い”を体感してもらったり、必要に応じて火事の画像を見せて、“火は怖いもの”だから、火を扱うときは真剣に取り組むこと、大人がいないときは絶対に火はつかってはいけないことを伝えます。
その代わり、火を使うといろいろなことができて便利だから、実際に使うときは「思い切ってやってみよう」と、危険性を伝えた後に信頼させる。『危ないからダメ』と遠ざけず、多少の怪我は覚悟で、小さいうちからどんどん慣れていってもらいます。
『怖いから嫌』という子は、もしかしたらまだ時期ではないのかもしれないので、やりたくなるまでその子の時期を待ってあげてください」
人気の「包丁レッスン」では、手作りの包丁を使って、しっかり教えるのだそう。
「まずこのダンボールで作った包丁で、“簡単に人を傷つけてしまう危険なもの”、“慎重に扱わなければいけない”ことを伝えます。
『こんなに危ないんだよ』『こうしたら手を切っちゃうよね」『人に向けちゃダメだよ』『置き方はこうだよ』とルールを説明するんです。
武田さんが作った包丁。見た目が本物に近いのでリアリティがある。
包丁は鉛筆やお箸と一緒で、持ち方が大切。まずは、切りやすい“押し切り”(包丁を前に押し出すように切る)の練習をします。
練習のときからひとりでやってみて、もし間違っていたら『それもいいけど、こっちにしてみようか』と否定はせずに、やりやすいやり方を教えます。子どもも考えてそうやっているので、小さな大人だと思って接することがポイントです」
「包丁レッスン」で使うカード。イラストで子どもにもわかりやすい。
火と刃物は、小さな怪我をしたとしても、そこから学んで大きな怪我を防ぐ、というおおらかな気持ちが大切なのだそう。
「いくら『触ったらダメ』だと言っても、触りたいものは触りたいんですよね。触ってみて、痛かったら『痛いね』って感じてもらう。大きな怪我になる前に危ないことに気づくためにも、自分で体験することが大切ですね」
調理は食材を直接手で扱うので、手を洗うこと<の大切さを伝えます。
「子どもはばい菌という概念もよくわからないと思うのですが、『汚い手で作った料理を出されたら嫌だよね』と伝えて、作り手として成長してほしいなと思います。
小麦粉をばい菌に例えて、手につけて物を触ってもらい、どのように移っていくのかを実際に体験してもらうと、一目瞭然で子どもにもわかりやすいですよ」
「しっかり説明をすると、料理をするときだけは『お母さんの言うことを聞かなきゃいけない』という、子どもなりの緊張感が生まれます。きっとすぐ忘れてしまうので、その都度、100回でも200回でも言えばいいと思います。
何度も言うのはイライラしてしまうと思うのですが、子どもに『この間言ったでしょ?』は通用しないので、大事なことだから何度でも言う。そのうちに身についていきますよ」と武田さん。
説明が終わったらいよいよ料理スタート! 次回は子どもにきちんと役割を作った、大人も子どもも大満足のレシピをご紹介します。
【子どもに料理を教えたい!】
(赤木真弓)
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