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「子どもの名前、どう呼んでる?」親の呼び方が“子どもの心”を育てる【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第2回】

Woman.excite / 2018年6月5日 15時0分

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ⓒ kazoka303030-stock.adobe.com


あなたは子どものことをどう呼んでいますか? 「◯◯ちゃん、◯◯ちゃ~ん」と呼ぶママ友を見て、甘やかしてそうだなあ…と思ったり、「◯◯◯っ!」と呼び捨てにするママ友を見て、怖そう…と思ったり。呼び方から親子の関係性がなんとなく想像できてしまいますね。

「人の呼び方が、人間関係においてとても重要ではないか?」、つまり「呼び方によって、相手との関係が決まるのでは?」ということを分析したのが、作家・心理カウンセラーの五百田達成さん。

・「人との距離感がわからない…」○○を変えるだけで人間関係も変化【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第1回】

・夫婦の満足度が急降下「夫をどう呼んでいますか?」【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第3回】

・ママ友つき合い「トラブルに発展しない」上手な呼び方【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第4回】

連載2回目は、子どもの“うまい呼び方”についてお話をうかがいました。


五百田達成さん プロフィール


作家・心理カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店→博報堂を経て独立。鋭い視点から「コミュニケーション」「人間関係」を分析し、そこから導き出す実践的なアドバイスは高い評価を受けている。「コミュニケーションのプロ」としてメディア出演多数。著書にベストセラーとなった『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(新潮文庫)など。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
著書:『あの人との距離が意外と縮まる うまい呼び方』
HP:五百田達成オフィシャルサイト



■『ちびまる子ちゃん』の“お姉ちゃん”の名前は?

――さまざまな子どもの呼び方があると思います。呼び方が母子関係をあらわしている典型的な例はありますか?

五百田達成さん(以下、五百田さん):子どもの呼び方は、呼び捨て、くん・ちゃん呼び、あだ名呼び、お兄ちゃんなどの役割呼びなどがあります。また、ひとりっ子ときょうだいの場合でも、呼び方は変化します。上の子と下の子を呼び分ける典型的なお母さんといえば、人気アニメ『ちびまる子ちゃん』のお母さんです。

ちびまる子ちゃんの姉妹の名前は、姉がさくらさきこで、妹がさくらももこ。でも、お母さんは常に姉さきこを“お姉ちゃん”と呼び、妹ももこを“まる子”とあだ名で呼びます。母親にもあだ名で呼ばれる妹のももこは、いつも自由奔放で楽しそう。対象的に役割呼びをされる姉は、いつも冷静沈着で好き勝手している妹をプリプリ怒っています。

「お姉ちゃんなんだから、しっかり妹をみていてね」「妹が何かしでかしたら、お姉ちゃんの責任でもあるんだから」と母親からの静かな重圧が“お姉ちゃん”という呼び方に集約され、姉のさきこはまるで“小さなお母さん”みたいですよね。

――でも、下にきょうだいが生まれるとたいていの場合が、上の子は“お兄ちゃん”“お姉ちゃん”と呼ばれる気がしますが…。

五百田さん:下の子から見れば、役割呼びは有効です。でも、たまには、上の子を名前で呼んであげると、想像以上にうれしそうな反応を示すと思いますよ。

上の子は、下の子が生まれると愛情がとられたと感じ、さらに役割呼びをされます。最初は、役割呼びをうれしく感じるかもしれませんが、徐々に甘えたくても甘えられないなどのフラストレーションを感じるはず。

そんなそぶりを察知したら、上の子と向き合う時には、きちんと名前で呼んであげましょう。ただそれだけで、子どもは「今日は私のことを見ていてくれる」と感じるはず。時間が許せば、ふたりだけの時間を作って名前で呼んで「いつもありがとう」と伝えたいですね。
 
 

■タイプ別・子どもの“うまい呼び方”は?

――子どもの“うまい呼び方”をタイプ別に教えていただけますか?

五百田さん:まずは、下の子が生まれて、上の子が赤ちゃん返りしたり、スネたり、自信をなくしているように見える時。この場合の“うまい呼び方”は、呼び方を定期的に更新することです。

例えば、カップルを想像してみてください。ユウコさん→ユウコちゃん→ユウコリン→リンリンなど時間や親密度とともに呼び方が変化していきますよね。これは、呼ばれる側にも、常に相手から注目されているという心理が働きます。

それは、子どもも同じ。役割呼びから名前呼び、あだ名呼び、さらにあだ名も定期的に変えると効果的です。呼び方を変えるだけで、「ママはあなたをいつも見ているよ」というサインを子どもに送ることができるはず。まずは、お兄ちゃん・お姉ちゃん呼びを卒業することから始めてみましょう。

――逆に、上の子にしっかりしてほしい時はどうでしょう?

五百田さん:甘えん坊の上の子をしっかりさせたい時は、あえてお兄ちゃん・お姉ちゃんと役割呼びを強調するのがおすすめ。普段、名前やあだ名で呼んでいるママが、突然、役割呼びに切り替えれば、ママの気持ちの変化を子どもも敏感に察知します。

家庭内だけではなく、ママ友など第三者の前でも本人がいるところで役割呼びをすることがポイントです。


ⓒ siro46-stock.adobe.com


――「お兄ちゃんなんだからしっかりして」と言葉にしていても、まったく成長を感じられない…なんて悩みをもつママもたくさんいると思いますが…。

五百田さん:そんな時に有効なのが、肩書き呼びです。「片付け隊長! そこのおもちゃを片付けていただけますか?」という具合に、肩書き呼びで格上げ+敬語で子どものやる気に火を付けましょう。

上の子を動かしたい時には、隊長! リーダー! キャプテン! など肩書き呼びが効果的。特にレンジャーものが大好きな男の子には響くと思いますよ(笑)。

――なるほど。それは効果がありそうですね! 逆に親が子どもにベッタリになりすぎない“うまい呼び方”はありますか?

五百田さん:友人に娘さんのことを“さん付け”で呼ぶパパがいます。「◯◯さん、今度はこっちのおもちゃで遊びませんか?」なんてやりとりを見ていると、父と娘が自立した人間同士、ほどよい距離感で向き合っている感じがして、とても好感がもてます。

もしかしたら、娘さんは“さん付け”で呼ばれることで、パパにうまく甘えられない一面もあるかもしれませんが、大人と対等に扱われている感覚は、教育上、良い効果もあると思います。そして、何より娘への溺愛ぶりをコントロールするという意味で、パパにとっても効果があると思うんです。

“さん付け”は距離を遠ざける呼び方になりますが、この場合は、ほどよい距離感をキープする呼び方として有効といえます。

■シーン別・子どもの“うまい呼び方”は?

――子育てのさまざまなシーン別に“うまい呼び方”を教えてください。まずは、ほめる時はいかがでしょう?

五百田さん:前述の肩書き呼びが効果的だと思います。運動会で1位になったら「よっ、天才ランナー!」、「よっ、メダリスト!」という具合に、肩書きで呼びかけてみましょう。家族みんながそろったところで呼んであげれば効果大で、子どもはうれしさ倍増でしょう。

―― 叱る時は、どう呼ぶのがよいでしょうか?

五百田さん:叱る時は、やはり呼び捨てでしょうね。普段、ちゃん呼び、あだ名呼びしている母子であればなおさら。「◯◯ちゃん、お友だちのおもちゃとっちゃダメでしょう」では、ママが本気で怒っているとは思えませんよね。本気で叱って教えたい時は、母子の上下関係や距離感を明確にするためにも呼び捨てで呼びかけましょう。

――なぐさめてあげたい時はいかがでしょう?

五百田さん:アメリカのドラマのようなノリで「子猫ちゃん、どうしたの?」「こぐまちゃん、元気ないね?」と呼びかけてみるのはどうでしょう? さすがにそれは気恥ずかしいというママは“姫”や“王子”くらいなら呼べるのでは? いつもより甘く呼びかけて、距離をぐっと近づけ悩みを聞いてあげたり、抱きしめてあげたりすれば効果的だと思います。
 
 

■子どもの“うまい呼び方”これさえ覚えておけば大丈夫!


ⓒ kazoka303030-stock.adobe.com


――いろいろな呼び方を教えてもらいましたが、忙しいママたちに究極のコツを教えていただけますか?

五百田さん:確かに毎日多忙なママにとって、子どものタイプやシーン別に呼び分けるのは難しいですよね。そんな時は、3パターンの呼び方を用意してみませんか? 

例えば、ナオキくんという男の子の場合なら、「ナオキ」「ナオくん」「ナンナン」の3パターンを作り、子どものテンションやシーン別に使い分けてみましょう。叱る時やしっかりしてほしい時は「ナオキ」、ニュートラルな状態が「ナオくん」、ほめたり甘えさせてあげたい時は「ナンナン」と呼んでみる。

距離感が異なる3パターンの呼び名を用意し、距離を遠くしたい・近づけたい時に合わせて使えば、自然に呼び分けられるようになりますよ。


五百田さんが考える子どもの“うまい呼び方”がわかったところで、次回は「夫の呼び方」についても、具体的なメソッドをご紹介いただきます。

参考図書:
「あの人との距離が意外と縮まる うまい呼び方」(サンマーク出版)


「あの人のことをどう呼ぶかで、距離感は変わる」。コミュニケーション・人間心理の専門家として数々のメディアに出演し、ベストセラーをたくさん世に送り出す「対人関係のスペシャリスト」である著者が、コミュニケーションについてのさまざまな理論や方法論を分析した結果たどり着いたのが、「『話の内容』や『伝え方』以上に、『どう呼ばれるか』で人の心は決まる」という境地。巻頭にはスペシャル対談として、2016年に日本一を成し遂げた北海道日本ハムファイターズ・栗山英樹監督との「呼び方」対談を収録。


取材・文/山田裕子
 
 
(ライターチーム123)

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