外遊び、子どもの年齢別でどう変わる?【発達の専門家に聞いた外遊びの効果 第3回】
Woman.excite / 2018年7月11日 13時0分
外遊びについて発達の専門家に聞いてみた
外遊びが大好きな子どもたちですが、発達するにつれて、その遊び方は変わっていきます。発達に合わせて遊び方はどのように変わっていくのでしょうか。そしてその発達に親はどのような対応をしていけばいいのでしょうか。
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前回までは、外遊びが子どもの発達にもたらす効果と、親のかかわり方について聞いてきました。今回は引き続き、年齢別の外遊び方法について東京成徳大学の石崎一記教授にお話を伺います。
■0~1歳の子が自然に触れる意味とは
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――0~1歳の赤ちゃんが、外で時間を過ごすことに意味はあるのでしょうか?
発達にはもちろん影響がありますよ。3歳の子は0歳から1歳、2歳を経て、3歳になる…つまり連続性がありますから、必ず何か影響してくるはずですよね。
この時期は、自然のある世界を味わうということだけでいいと思います。いっしょに木陰で気持ち良い風に吹かれる、鳥の声を聞く、気温の変化を肌で感じる、光を感じる、花を見る、水を触るなど、それだけで十分です。
――家族で自然のなかで過ごす時間を楽しむだけでいいということでしょうか?
そうです、家族で美しい自然の中で過ごすことによって、お母さんやお父さんたちに癒やされてほしいんですよね。
0~1歳は一人では遊べないので、外遊びでは親子でいっしょに過ごしますよね。平日働いて忙しいお母さんたちも増えていて、なかなか家族でゆっくりと時間を過ごせないと思います。だから週末に1時間だけでも幸せで穏やかな時間を外で過ごしてもらいたいです。1週間のなかでそういった時間が少しでもとれるかどうかというのは、重要だと思います。
■2〜4歳の「なぜ?」に親はどう受け止めればいいのか
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――2歳から4歳の子どもの外遊びには、どのような特徴がありますか?
2~4歳の子どもたちは、「なんで?」とよく聞いてきますが、その不思議な気持ちにどうやって付き合うかが大切なんです。
子どもたちが「なんで?」と聞いてくるのには、2つ理由があります。
1つ目は自分が不思議に思ったということを知ってほしいから。
2つ目は、本当になぜなのか答えが欲しいからです。
1つ目の知ってほしいという気持ちは、必ずきちんと受け止めてもらいたいですね。そして、2つ目については、“本当に正しい答え”を教えてあげる必要はじつはないんです。
――なぜ、正しい答えを教える必要はないのですか?
子どもたちにとっては、本当の答えを知ることより、答えが出るまでになぜなのかを考えることが大切だからです。
「なんで?」と聞かれたら、「何でだろうね、何でだと思う?」と聞き返してしまえばいいんです。そのあと子どもからデタラメな答えが返ってきたとしても、否定はせず、親もその答えを楽しんでしまえばいいんですよ。
子どもたちのなかに不思議だなという穴のようなものがたくさん開いていると、知りたいという欲求につながり、理解できたときの喜びも大きくなります。長い目で見て、この時期に自然をいっぱい体験して、不思議な気持ちをたくさん持つことは大きな意味を持っていると思います。
■5歳以上になると外遊びは変化する
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――では5歳以上の子どもたちは、どういった遊び方に変化していきますか? また、親のかかわり方は変わってくるのでしょうか?
5歳以上になると、何かに挑戦するという遊び方が増えてきます。この時期になると、親がいっしょに遊ぶことは次第に減ってきて、寂しいと感じる人もいるかもしれませんね。安全確保はしっかりととり、共感してあげることも重要です。
子どもに自分を重ねてしまい、ついつい心配しすぎてしまう人もいるかと思いますが、子どもには子どものやり方があるので、これくらいの時期からは自主性を伸ばしてあげることに注力してあげてください。その子らしい発達を促していかれるように、子どもが今何を感じているかということを一番に考えてあげてください。
■外遊びにおいて一番大切なこととは
――外遊びで持って行くといい道具があれば、ぜひアドバイスをお願いします!
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5歳くらいまでの子どもたちにとって“自ら遊びを作り出す力”が奪われてしまうので、ボールやラケットといった遊び道具は必要ないと思います。虫メガネは自然を観察するときにとても便利ですし、子どもも喜ぶと思うので、おすすめです。また、スケッチブックなどのお絵かき道具も、外遊びの時間を有意義にしてくれますよ。
ビニール袋を持って行って、拾ったものを入れさせてあげるといいですね。拾ったものは、その日楽しかった体験の象徴です。安全かどうか確認したうえで、持ち帰らせてあげてほしいと思います。
――石崎先生は外遊びで一番大切なのはどんなことだと考えていますか?
外遊びというとお母さんにとっては大変なイメージがあるかもしれませんが、身近で気軽に行うのが一番です。無理に遠い公園に行こうなどと考えず、普段から遊んでいる近所の公園でも、工夫することで十分楽しく過ごすことができますよ。家族で自然の中で幸せな時間を過ごして、ぜひ外遊びを癒やされるような時間にしてもらいたいと思います。
石崎一記さんプロフィール
東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。
※「石崎」の「崎」は正しくは「たつさき」)
(高村由佳)
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