子どもの好き嫌いは親の問題? 意外なお悩み解決法【菅野のなさん インタビュー/レシピ付き】
Woman.excite / 2018年7月12日 20時0分
菅野のな『子どもと食べたい 常備菜入門』(辰巳出版)、『ていねいな時短ごはん』(学研プラス)
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自分がつくったごはんが家族のカラダのもとになる、そう考えると毎日の食事づくりにプレッシャーを感じてしまうママも多いのではないでしょうか。でも大丈夫! 前回ご紹介したように、野菜を蒸しただけでも立派な一品になるし、メニューのマンネリ化は“我が家の定番”と考えれば、悩む必要はありません。
でも、子どもがジュースやお菓子ばかり欲しがる、野菜を食べてくれない…といった悩みはつきないもの。
そこで今回は、オーガニック料理教室「ワクワクワーク」代表で『子どもと食べたい常備菜入門』の著者である菅野のなさんに、子どもの食に関するお悩み解決法を教えていただきました。
料理家、オーガニック料理教室「ワクワクワーク」代表。ミュージシャンで自由人の父と、病院勤務の管理栄養士で東洋医学を実践する母により、有機農家支援、家庭菜園や自然療法を身近に感じて育つ。教室運営の傍らレシピ提供や連載、セミナーなど、食とオーガニックを軸に多岐にわたり活動。自身も2児のママとして子育てと仕事の両立に奮闘中。
HP:http://wakuwakuwork.jp/
Blog:https://ameblo.jp/wakuwakuwork-nona/
Facebook:@wakuwakuwork
Instagram:@wakuwakuwork
著書:『子どもと食べたい時短おやつ』『子どもと食べたい常備菜入門』(辰巳出版)、『卵・乳製品なしでもおいしい 今日も手作りおやつをひとつ。』(朝日新聞出版)、『ていねいな時短ごはん』(学研プラス)
■お悩み 1:子どもがお菓子やジュースを欲しがったら?
まずは、子どもがお菓子やジュースを欲しがって困るというケース。社会的な集団生活をしていれば、お菓子やジュースにまったく触れずに暮らしていくというのは難しいもの。であれば、家の中だけでも習慣化しないという意識をするのが大切だと菅野さんはいいます。
「すべてNGにするのではなく質と量にこだわると、子どもの味覚も守れます。お菓子のなかでも添加物がたくさん入っているものから、オーガニック専門店で売っているような素材からこだわっているものまで、様々なレベルのものがあるはず。
そのなかから、自分の生活圏内のスーパーで手に入りやすいものがどれか、どのランクのものだったら納得できるか、ベストなものを選別しておくとストレスなくあげられますよ」
□すべてをNGとせず、質と量を基準に
□生活圏内のお店で入手かのうかどうか
□どのランクのものなら納得できるか
■お悩み 2:添加物はどこまで気にするべき?
ベストなものを選ぶ基準として添加物を気にするママは多いですが、何を避ければいいのか判断するのは難しいもの。
「よくどんな添加物に注意すればよいか聞かれるのですが、細かく見ていくときりがないほど。なので、ママが何となく良くないと感じるセンサーを信じて、直感であげたくないと思ったものはあげないのが一番です」と菅野さん。
たとえば「ショートニングが入ったお菓子は絶対あげたくない!」など、こだわりは人それぞれ。前回の記事でご紹介した「ワーク」で、食のこだわりを整理し、自分がどのレベルなら納得できるか、まずは知ることから始めてみましょう。ママ自身がきちんと選んだお菓子やジュースなら、あげるときの罪悪感が減るはずです。
ワークのやり方:https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1529500623243/
菅野さんのすべての常備菜本には、自分の食の状況を分析できる “ワーク” のページがついています。
それにどうしても納得いかない場合は、ふかしたお芋やお茶など自分が安心できるものを用意するようになるはず。「子どもは、目の前になければ欲しがらなくなるもの」と菅野さんがいうように、ちょっと楽だからとお菓子やジュースを用意してしまっているのは、じつは私たち大人の方なのかもしれません。
□直感的に「あげたくない」と思ったら避ける
□自分の「食のこだわり」を整理して納得できるラインを把握
□あげたくないと感じているお菓子やジュースは家に用意しない
■お悩み 3:子どもの好き嫌いをなくすには?
次に、「子どもの好き嫌いが多くて困っている…」という問題。でも、「じつは食べられないのはピーマンだけとか、ちゃんと話を聞いてみると思いのほか色々なものを食べているケースがほとんど」と菅野さん。
親が望むものを親が望む量だけおいしそうに食べていないと、“好き嫌いが多い”と認定しがちといいます。とくに野菜は多種多様に食べなきゃいけないという考えに縛られがちなので、少しでも嫌いなものがでてくると過剰に心配してしまうことも。
それでも、なるべくなら好き嫌いを減らしてバランスよく食べてほしいと願うのが親心。どうすればよいのでしょう?
「まずは好きなもののどこに惹かれているのかよく観察してみましょう。形状なのか硬さなのか味なのか分析して、それに近づけてみると意外とすんなり食べてくれますよ。それにお子さんが小さいうちは、諦めずに出し続けるというのも大事。まったく食べなかったものが3ヶ月後には平気になっていることも。
あまり子どもの好き嫌いに振り回されず、ママの好きな料理も出すようにしましょう。そうするとママの笑顔も増えるし、それを見た子どもが自然と食べ物に興味を持つようになります。残しても食べてもどちらでもOKくらいの軽い気持ちでいた方が、ママからのプレッシャーを感じず、案外食べてくれるものです」
“みんなのおいしいを叶える”をモットーのひとつとしている菅野さん。嫌いなものをどうするかを考えるのではなく、家族の大好きなものの方に意識を向けるというのもお悩み解決の秘訣かもしれません。
□親の思い通りに食べてない=好き嫌いが多い、ではないと認識
□子どもの好物の形状、硬さ、味を観察。苦手な食材で真似てみる
□食べてくれなくても、諦めずに出し続ける
□ママの好物も食卓へ。ママが笑顔なら自然と子どもも興味を持つ
■子どもが好きなのは「新鮮」で「シンプルな味付け」
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そしてもうひとつ、子どもに食べてもらうために大切なのが、鮮度を意識すること。子どもの舌は大人よりもはるかに敏感なので、より新鮮なものを好むそう」と菅野さん。
さらに、味付けも子どもはシンプルで薄味な方が好き。薄味だと食べてくれるか心配になりますが、献立全部を薄味にしようとしなくてOK。要は組み合わせで、一品だけでも素材を生かしたシンプルな味の料理を出すとバランスが取りやすくなるといいます。でも、毎日薄味を意識してイチからごはんをつくるのは大変。そこで便利なのが、菅野さんが提案するシンプルな“ベースの常備菜”。
菅野のなさんの著書。右から『子どもと食べたい 常備菜入門』(辰巳出版)、『ていねいな時短ごはん』(学研プラス)
もともと菅野さんのオーガニック料理教室では、アレルギーの多い卵・乳製品を使用していないレシピを提供しています。さらに子どもと一緒に食べることを意識した常備菜は、一般的な日持ちを意識した味の濃いものと異なり、シンプルでアレンジしやすい味付けになっているんです。これを覚えておくだけで、メニューの幅がぐんと広がること間違いなし! 夕食の準備時間を半分にすることを目標に開発されたレシピなので、どれも20分以下でできます。
今回はそのなかから、旬のトマトを使ったベースの常備菜とアレンジメニューをご紹介します。
■湯むき塩トマト(ベースの常備菜)
『子どもと食べたい 常備菜入門』(辰巳出版)より
【材料(500ml の容器1個分)】
トマト… 大2 個
塩… ふたつまみ
【つくり方】
1、トマトは洗って、 へたのまわりに包丁で少し切れ目を入れます。
2 、鍋に湯を沸かし、 沸騰したらトマトを入れます。
3 、皮が薄くはがれてきたら、 水にとり冷やします。 皮をむいて角切りにし、塩を少々振って保存容器に入れ、冷蔵庫で保存します。 たくさんつくって冷凍保存も便利です。
■カポナータ(ベースの常備菜をアレンジ)
『子どもと食べたい 常備菜入門』(辰巳出版)より
【材料(4人分)】
湯むき塩トマト…3 個分
なす…2 本
ズッキーニ…1/2 本
たまねぎ…1/4 個
パプリカ…1 個
ピーマン…1 個
人参…少々
にんにく…1 かけ
セロリ…少々
かぼちゃ…少々
オリーブオイル…大さじ2
塩…小さじ1 弱(段階的に入れます)
こしょう…少々
【つくり方】
1、にんにくはみじん切り、なす、ズッキーニ、たまねぎ、パプリカ、ピーマンは1cm の角切り、人参は薄いいちょう切り、セロリは粗みじん切りにします。かぼちゃは2cm 幅の薄切りにします。
2、鍋にオリーブオイルの1/2 量とにんにくを入れて、弱火で炒めます。にんにくが薄く色づいたら、たまねぎを加えて塩を振り、たまねぎがしんなりしたらセロリも加えて炒めます。湯むき塩トマトの1/2 量を加え、煮詰めます。途中で残りのオリーブオイルを足します。
3、2 に人参、ズッキーニを加えて塩を振って炒めます。パプリカ、ピーマン、なす、かぼちゃを加えて塩を振り、残りの湯むき塩トマトを加えて炒めます。塩、こしょうで味を調えて粗熱をとり、保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。
ベースの常備菜「湯むき塩トマト」は、カポナータのほかにも「トマトとたまねぎのサラダ」や「トマトソース」にアレンジできます。
『子どもと食べたい 常備菜入門』(辰巳出版)より
子どものためとあまりがんばりすぎず、まずはシンプルなベースの常備菜からはじめてみてはいかがでしょうか。
(佐々木彩子)
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