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おしゃぶり・指しゃぶりも原因の一つ?「将来、4人に1人が○○に…」知りたい赤ちゃんの“口腔ケア”

Woman.excite / 2018年6月29日 21時0分

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小学生になると、周囲で歯の矯正をする子が増えている気がしませんか?

厚生労働省発表の「平成28年歯科疾患実態調査」によると、永久歯が生えそろう頃、12~15歳で八重歯、でこぼこ、乱杭歯など、歯の不正咬合(叢生/そうせい)が見られる割合は26.5%。約4人に1人という高い確率です。

いざ、それを矯正しようとすると、医療保険の対象外なので、かかる費用はトータルで約60~100万円ほどにもなります。それだけの費用がかかる治療、もし乳幼児期に叢生の予防ケアができるなら知っておきたいですよね。

■永久歯の矯正は3年間で100万円! 乳歯の時期に予防はできた!?


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私が小学5年生になった息子(10歳)の歯の異常に気づいたのは突然のことでした。小学校入学前の年長クラスぐらいから抜け始めた乳歯がすべてなくなり、永久歯が生えそろった時、右上右下の犬歯がはみだして、明らかに二重歯列になっていたのです。見た目もとがった犬歯が突き出して、ドラキュラのようでちょっと怖い!

1年に1度は普通の歯科検診を受けていたのに、いつの間にか顔の中心と歯の中心がずれ、あごが小さいために永久歯が通常のように一列に並んで生えず、歯科医からは「7人がけのイスに10人が座ろうとしているような状態」と説明されました。

くわしいレントゲン検査などをして出た診断名は「骨格的問題および過蓋咬合を伴う叢生」。骨格の機能としては「舌の運動、口呼吸、下唇のくわえこみ」の影響により、上顎骨が成長しきれていないなどの問題があるとのことでした。将来的にはもっと歯のデコボコがひどくなると予想されるため、矯正治療を開始したほうがいいとのこと。
 
こうなっては仕方がないのですが、治療費は3年間で約100万円と高額です。二重歯列になるのを予防はできないとしても、「数年前から、心と資金の準備をしておきたかった…」というのが正直なところ。しかも「舌の運動、口呼吸、下唇のくわえこみ」などの異常が影響しているのなら、結果論ですが「幼児期から気をつけておきたかったな」とも思いました。

■歯並びが悪くなってしまう4つの原因は?

歯のかみ合わせを悪くしないためには、乳幼児期、どんなことに気をつければいいのでしょうか? 公益社団法人・日本小児歯科学会のホームページの「こどもたちの口と歯の質問箱」には、そのヒントが記されています。

まず、歯並びが悪くなる要因には以下の4つが挙げられます。
1.乳歯をむし歯などで早く失い、永久歯の生える場所がなくなるため。

2.歯とあごの骨の大きさのバランスが悪く、永久歯の生える場所がないため。
※歯やあごの大きさは遺伝もありますが、良くかまない、または硬いものを食べないことにより、十分にあごが発達しないことも。

3.遺伝的な問題。出っ歯や受け口(反対咬合)の中には純粋に遺伝が要因の場合もある。

4.おしゃぶり、指しゃぶりなどの癖、舌の前方突出癖や口呼吸、頬づえ、うつぶせ寝などの生活習慣の影響。


そして「最近では、永久歯の歯並びが悪くならないように、乳歯の時期から簡単な装置を利用した方がよい場合もあります。最良のタイミングで治療ができるように、小児歯科専門医に相談し、定期的に経過をみていきましょう」とアドバイスされています。
 
 



■つい放置しがちな「おしゃぶり」「指しゃぶり」


ⓒchihana-stock.adobe.com


気になるのは、わが家でも使用していた「おしゃぶり」について。同ホームページ掲載の「小児科と小児歯科の保健検討委員会」のレポートには、おしゃぶりが歯並びに影響を与えるものとして挙げられています。

おしゃぶりや指しゃぶりと乳歯のかみ合わせとの関係を調査したところ、2歳児では指しゃぶりをしている子どもでは出っ歯が、おしゃぶりをしている子どもでは開咬が多く見られたとのこと。5歳児になるとこの傾向がさらに強くなるそうです。

そして、「小児科と小児歯科の保健検討委員会」ではおしゃぶりについて、以下のようなガイドラインを示しています。
1.発語やことばを覚える1歳過ぎになったら、おしゃぶりのフォルダーを外して、常時使用しないようにする。

2.おそくとも2歳半までに使用を中止するようにする。

3.おしゃぶりを使用している間も、声かけや一緒に遊ぶなどの子どもとのふれあいを大切にして、子どもがして欲しいことや、したいことを満足させるように心がける。子育ての手抜きとし便利性からだけでおしゃぶりを使用しないようにする。

4.4歳以降になってもおしゃぶりが取れない場合は、情緒的な面を考慮してかかりつけの小児科医に相談する。


また、指しゃぶりについては、小児歯科医の見解として「指しゃぶりは歯並びやかみ合わせへの影響とともに、開咬になると発音や嚥下、口元の突出、あご発育への影響も出てくるので、4~5歳を過ぎた指しゃぶりは指導した方がよい」という意見が掲載されています。

「指しゃぶり」について小児歯科医の見解

1.乳児期:生後12カ月頃までの指しゃぶりは乳児の発達過程における生理的な行為なので、そのまま経過をみてよい。

2.幼児期前半(1~2歳まで):この時期は遊びが広がるので、昼間の指しゃぶりは減少する。退屈な時や眠い時に見られるに過ぎない。したがって、この時期はあまり神経質にならずに子どもの生活全体を温かく見守る。

3.幼児期後半(3歳~就学前まで):この時期になるとすでに習慣化した指しゃぶりでも、保育園、幼稚園で子ども同士の遊びなど社会性が発達するにつれて自然に減少することが多い。しかし、なお頻繁な指しゃぶりが続く場合は小児科医、小児歯科医、および臨床心理士による積極的な対応が必要である。


簡単にまとめると、おしゃぶりは2歳半まで。指しゃぶりを3歳過ぎてもしている場合は一度、医師・歯科医師と相談したほうがよさそうです。

これらのことに気をつけていれば、必ず子どもの歯並びが良くなるというわけではありません。しかし、少しでも矯正になる可能性を減らすために、一度、子どもの歯をじっくり観察しながらチェックしてみてはいかがでしょうか。

・「平成28年歯科疾患実態調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html

・公益社団法人・日本小児歯科学会
http://www.jspd.or.jp/
 
 


(小田慶子)

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