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子どもの予防接種「ワクチンデビューに最適な時期は?」【知っておきたい予防接種! 最新ワクチン情報 第3回】

Woman.excite / 2018年7月6日 17時0分

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ⓒQiteng T-stock.adobe.com


赤ちゃんが生まれると、予防接種のことをあちらこちらで見たり聞いたりする機会が増えますね。母子手帳に予防接種のページがあるので妊娠中から意識しているプレママもいる一方で、1カ月健診で初めて予防接種のことを知って、あわてて小児科を調べたというママもいるようです。

ワクチンデビューに最適な時期はあるのでしょうか? どのようなスケジュールで予防接種は進んでいくのでしょうか?

日本小児科学会が発行する「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。


■生後2カ月になったらすぐ予防接種、そのわけは?

日本小児科学会では、ワクチンの接種を生後2カ月から始めることをすすめています。生まれてまだ2カ月。「首も座っていないわが子に予防接種するなんて、かわいそう!」と思ってしまうかもしれません。

なぜ生後2カ月から予防接種を始めたほうがいいのでしょうか?

生まれてすぐの赤ちゃんはママからもらった免疫などによって生後5~6カ月までは、多くの細菌やウイルスなどの感染から守られていますが、その期間を過ぎる頃からその免疫が落ち始めていき、感染症にかかりやすくなります。一度感染症にかかると重症化して入院が必要になったり、命にかかわる深刻なケースも出てきます。

これらの感染症から身を守るのが予防接種。生後5、6カ月までに、予防接種の効果を十分に発揮させるためには、生後2カ月になったらすぐに予防接種を開始することがとても重要だといいます。

一度接種したら、一定の日数をあけないと次の接種ができないため、「スケジュールから逆算して、生後2カ月になったらすぐに予防接種を始めたほうがいい」と考えることもできますね。

■生後2カ月から1歳まで「どんな予防接種があるの?」

では、生後2カ月から接種をスタートするワクチンにはどんなものがあるのでしょうか? 1歳になるまでのワクチン接種の流れを見てみましょう。


日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」No.06「生後2か月から接種するワクチン」より


表で示してある通り、生後2カ月になったら、なるべく早めに接種したほうがいいワクチンはヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス(任意接種)の4つです。生後2カ月のワクチンデビュー後も、毎月のように多くのワクチンを接種する必要があります。必要なワクチンを効率的にかつ安全に接種できる「同時接種」(※最新ワクチン情報第2回「子どもの予防接種『ワクチンの同時接種は赤ちゃんがかわいそう?』参照)についても理解しておくといいですね。

生後5カ月を過ぎると、ワクチン接種はひと段落します。赤ちゃんが病気になったりして、スケジュール通りに接種できないこともしばしば。心配してしまうママもいると思います。

6~7カ月健診や10カ月健診時に母子手帳などで接種の状況を確認し、遅れがある場合はこの時期に取り戻せば大丈夫ですので安心してくださいね。そういったスケジュール遅れのワクチン接種を「キャッチアップ接種」といいます。

■理想は妊娠中から「予防接種、その準備と小児科探し」

生後2カ月からワクチン接種を始めるとなると、その前に小児科に予防接種の予約をしておく必要が出てきますね。出産、退院して新生児との生活が始まると、毎日バタバタしてあっという間に予防接種を始める時期を迎えてしまいます。できれば妊娠中から予防接種の情報を聞いたり、小児科を探したりできると安心ですね。

1カ月健診で予防接種の具体的な接種スケジュールなどを確認したら、早めに予防接種の予約をすませておくといいでしょう。予防接種専用の時間を設けているような人気の小児科では外来の予約が1カ月先までいっぱいなんてことも。特にパパと一緒に土日に接種しに行くことを考えているママは、早めに予約しておくのがおすすめです。
 
 

■ヒブワクチン 症状と予防接種

【どんな病気を予防できるの?】
インフルエンザ菌b型による感染症。正式な菌の名称の頭文字をとってHib(ヒブ)と呼んでいます。次のような症状を起こします。
細菌性髄膜炎…髄膜に細菌が入って、炎症を起こし、発熱やおう吐、頭痛、けいれんなどの症状が出ます。進行すると難聴やまひなどの後遺症を残したり、死にいたるケースもあります。
急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)…喉頭蓋に感染すると、急に熱が出て、つばが飲み込めない、呼吸が苦しいなどの症状が現れます。進行すると空気の通り道をふさいでしまい、死亡することもあります。

【予防接種の時期や回数】
定期接種。計4回の接種があり、生後2カ月を過ぎたらすみやかに接種をしましょう。初回免疫として通常3回、いずれも27日以上の間隔をあけます。3回目の接種後、おおむね1年後の1歳早期に4回目の接種を行います。何らかの理由により初回の接種が遅れて7カ月~11カ月に始める場合は、合計3回の接種を受けます。スケジュールは下の表どおりです。




日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」No.10「ヒブワクチン」より


■肺炎球菌結合型ワクチン 症状と予防接種

【どんな病気を予防できるの?】
肺炎球菌による感染症。発熱や髄膜炎など感染した場所によってさまざまな症状がみられます。最初はかぜの症状に似ていますが、進行するとおう吐やけいれん、意識障害を伴うこともあります。重い後遺症が残ったり、死亡したりすることもあります。

【予防接種の時期や回数】
定期接種。計4回の接種が必要。標準スケジュールでは生後2カ月から7カ月未満で初回接種を開始します。27日以上の間隔をあけて3回接種し、60日以上の間隔をあけて、かつ生後12カ月以上になってから追加接種を1回行います。

■B型肝炎ワクチン 症状と予防接種


ⓒQiteng T-stock.adobe.com


【どんな病気を予防できるの?】
B型肝炎ウイルスの感染によって肝臓の細胞が壊れたり、その影響で肝臓の働きが悪くなる病気です。感染後の経過には一過性感染と持続感染の2通りあります。

一過性のものだと疲れやすい、発熱や横断などの症状が主なもので、一定期間を経て良くなります。持続感染になっても約85~90%の人は無症状ですが、残り約10~15%の人は慢性肝臓病へ進行します。乳幼児の感染は症状がなく経過することが多いですが、持続感染になりやすいという特徴があります。

【予防接種の時期や回数】
定期接種。計3回接種します。生後2カ月に1回目、生後3カ月で2回目、1回目の接種から20~24週をあけて生後7~8カ月で3回目を接種するのが標準的です。生後12カ月をすぎると任意接種になりますが、どの年齢からでも接種可能です。

母親がB型肝炎ウイルスに感染している場合、母子感染の予防のため、定期接種とは別のスケジュールになります。出生直後に1回目の接種を行い、2回目を生後1カ月、3回目を生後6カ月に接種します。

・日本小児科学会
・知っておきたいわくちん情報


(コバヤシカヨ)

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