夜泣きがおさまり朝までぐっすり? 生後10カ月で変わった「息子の眠り」【ママがラクになる“赤ちゃんの寝かしつけ” 第1回】
Woman.excite / 2018年7月8日 17時0分
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新米ママの毎日は、すべてが赤ちゃんペース。自分の時間なんて皆無に等しいですよね。なかでも、多くのママが頭を抱えるのが寝かしつけ。やっと寝たと思ったら、数時間後に起きてぐずったり、夜泣きを繰り返したり…。
育児の中でもとくにママを悩ませる寝かしつけの改善法について、日本とアメリカで子どもの睡眠コンサルタントをしている愛波文さんにお話をうかがいました。
お話をうかがったのは…
愛波 文(あいば あや)さん
子どもの睡眠コンサルタント。APSCアジア/インド代表。IMPI日本代表。Sleeping Smart代表。慶應義塾大学卒業、2児の母。子育て中に米国IMPI公認資格(国際認定資格)を日本で初めて取得。子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルティングや個別相談、日本人向けに子どもの睡眠教育プログラムを提供。IMPIと提携し、妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。
・ホームページ(Sleeping Smart)
・オフィシャルブログ
・instagram
・Twitter
■赤ちゃんの寝かしつけに疲弊する日本のママたち
――愛波さんのところへ相談にくるママは、アメリカと日本で違いはあるのでしょうか?
愛波さん:まったく違います! アメリカでは寝かしつけ本はとてもポピュラーで、ママたちも子どもの睡眠について、ある程度、予備知識があります。そのため、彼女たちは今後、寝かしつけに悩まないための“予防策”として、私のところに相談に来られます。ママ達も知識を身につけることに対して意欲的で、全体的にポジティブな印象を受けますね。
一方、日本のママは、育児も家事もすべてひとりでこなし、そのうえ寝かしつけも思うようにいかない…。そんな心も体も極限の状態で来られる方が目立ちます。最後の砦(とりで)のような感覚で私のところに来られるので、お子さんの寝かしつけ以前の問題として、まずはお母さんの心のケアから始めることが多いですね。
少し話を聞いてあげただけでも、みなさんホッとするのか、その後「寝かしつけが思うようにいった」なんて声を聞くこともよくあります。
――今回、『ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』を出版されようと思ったのも、そんな日本のママたちの育児事情も少なからず関係しているのでしょうか?
愛波さん:そうですね。ニューヨークで暮らしていて思うのは、日本のママたちは頑張りすぎているんじゃないかなって。育児も家事も完璧にこなし、そのうえ仕事もしている。
私も、辛い育児経験があるのでわかるのですが、もっと人やサービスに頼って、ママ自身が楽にならないとやっていけません! アメリカでは「Happy Mom,Happy Family」(ママがハッピーなら家族もハッピーになる)という言葉がありますが、本当にその通りだと思います。
まずは、ママ自身の心に余裕ができるように。そんな願いも込めて、今回寝かしつけ本を出版させていただきました。
■アメリカでワンオペ育児「私も寝かしつけに悩む一人でした」
――最初は、どうして子どもの寝かしつけに着目したんですか?
愛波さん:現在、私は家族とともにニューヨークに住んでいるのですが、以前は主人の仕事の関係でサンフランシスコにいました。そこで長男を出産し、当初はこれから赤ちゃんとのバラ色の生活が始まるのだとひとり幸せに浸っていたのですが…それは想像に過ぎませんでした(笑)。
主人は仕事が忙しく、また親族も日本にいるので頼る人が近くにおらず、まさに絵に描いたようなワンオペ育児をしていました。息子と私、1対1の生活に日に日に孤独を感じるようになり、さらに追い打ちをかけるように、生後7カ月頃から夜泣きがひどくなり始めたんです。
当時は子どもの睡眠に関する知識がなかったので、ただひたすら抱っこをしてあやす日々。気づいたら、息子の泣き声に恐怖すら感じるようになっていました。
パンク寸前になった私は、このままではダメだと思い、地域のコミュニティーセンターに顔を出してみたんです。そこで出会ったママたちは、とにかく元気で明るく、疲れ切った私とのギャップに衝撃を受けました。彼女たちに育児に関する悩みを打ち明けたところ、あるママから一冊の本を紹介されました。それが子どもの睡眠に関する本だったんです。
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■知ることで劇的に変わった「息子の睡眠」
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――睡眠本…専門書のようで、なんだか難しそうですね。
愛波さん:いいえ、誰でも手軽に読める一般書ですよ。先ほどもお話したように、アメリカは日本と違って子どもの寝かしつけに関する本がとても普及しているんです。書店では壁一面に「寝かしつけ本」のコーナーがあるくらい! しかも内容もバラエティに富んでいて、なかでも科学的根拠に基づく理論的なものが定着しています。
――ママ友から紹介された一冊も、理論的な内容だったのですか?
愛波さん:そうなんです。科学的な視点からつづられているもので、私にはとても新鮮でした。その一冊をきっかけに、子どもの寝かしつけに関する知識をもっと身につけたいと思うようになり、関連する本を15冊ほど買って一気に読みあさりました。
著者によっていろいろな考え方がありますが、自分なりに解釈したうえで、泣きぐずるわが子に、専門書のノウハウを実践してみたんです。
――息子さんが生後7カ月の頃でしたよね。結果はいかがでしたか?
愛波さん:まずはぐっすり眠れるように、土台となる寝室の睡眠環境やスケジュール、自分の幸福度などを2カ月かけてじっくり改善していきました。その時点で、すでに夜泣きの回数は減っていたのですが、なんと生後10カ月になった頃には、朝までぐっすりひとりで寝てくれるようになったのです。あの時の感動は今でも忘れられませんね。
寝かしつけの呪縛から解放された私は、みるみる元気になっていきました。自分が満たされているから、息子にも主人にも、まわりのみんなにも優しく接することができる。心からそう思いました。
わが子の寝かしつけができるようになった自信から、私はますます子どもの睡眠について興味を持つようになっていったのですが、そんな折に出会ったのがIMPI(International Maternity & Parenting Institute)でした。
2009年にアメリカで設立された、子どもの健康的な睡眠習慣の確立を目的とした機関です。オンラインで勉強を始め、子どもの睡眠コンサルタントの資格、米国IMPI公認資格を取得。今ではアメリカと日本のママ向けに、子どもの睡眠に関する教育プログラム、コンサルティング、個別相談、セミナー等を提供しています。
確かに、日本のママたちは朝から晩までフル回転しているイメージがありますよね。しかし、ママの心に余裕がなければ、寝かしつけも思うようにいかなくて当然。それでは、ママがハッピーになれば、わが子もぐっすり眠るようになるのでしょうか? 次回は、愛波さんに寝かしつけのノウハウをうかがいます。
『ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社)
愛波 文著/西野精治監修 1,200円(税別)
これまで経験値でしか語られてこなかった赤ちゃんの睡眠対策。日本人で初めて子どもの睡眠コンサルタント国際認定資格を取得した著者と睡眠研究のエキスパート西野精治先生が、科学的エビデンスに基づいて日本人の生活スタイルに合わせた解決方法を紹介。夜泣き、寝ぐずり、早朝起きなど、ママやパパを悩ませる赤ちゃんたちの睡眠トラブルを解決します。
取材・文/長谷部美佐
(ライターチーム123)
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