赤ちゃん連れ旅行あるある「リゾート地でトラブル遭遇?」おすすめ回避術【現地編】
Woman.excite / 2018年7月10日 20時0分
そろそろ日本全国で梅雨明けを迎え、夏本番へ! 赤ちゃん連れリゾート旅を計画しているママは、もうソワソワしているのでは? でもちょっと待って! 楽しいリゾート地にも赤ちゃん連れにとっては、越えるべきハードルがいくつもあります。
ⓒ imacoconut-stock.adobe.com
そこで、出発目前に必要な知識やノウハウを、あの黄色いガイドブックでおなじみの『地球の歩き方』編集部で働くママ編集部員、日隈さんと福井さんにうかがいました。
お二人が実際に国内外のリゾート地で体験した“子連れあるある”をもとに、危機回避術や楽しみ方を教えていただきます。旅の達人でもおちいる事例もたくさん。トラブルの乗り越え方をうかがいました。
教えてくれた『地球の歩き方編集部』ママ編集部員は…
日隈理絵さん(35歳)/『海外旅行子連れ旅
★パーフェクトガイド!2019』、『MOOKホノルルの歩き方』、『MOOKソウルの歩き方』、『子連れで沖縄』など担当
11歳の男の子、6歳の女の子のママ。海外渡航回数は40回以上で、子連れではハワイ、台湾、ソウル、シンガポール、バリ島、オーストラリア、モルディブ、UAE、香港、マカオ、インド、トルコ、アメリカ合衆国へ渡航経験あり。
福井由香里さん(39歳)/『arucoソウル』、『arucoシンガポール』、『arucoドイツ』など担当
8歳の女の子のママ。海外渡航回数は40回以上で、子連れでは台湾、シンガポール、ハワイ、ベトナム、バリ島、ソウル、イタリアへ渡航経験あり。
■赤ちゃん連れが客室で注意すべき「お風呂、ベッド、意外にも…」
――赤ちゃんや幼児連れだとホテル内にいる時間が長いと思います。客室で注意すべき点は?
福井さん:目を離した瞬間に「あっ、しまった…」ということが多いですね。
例えば、海外のホテルに多く見られる、バスルームの緊急ベル用の長いひも。いざという時、ひもを引っ張るとフロントに緊急連絡がいくのですが、何度か子どもが引っ張ってしまって、毎度スタッフがやってきては「Are you OK?」とノックされるハメに。子どもはひもを引っ張るのが大好きなので、事前に手の届かないところにずらしましょう。
日隈さん:似た話でいうと、冷蔵庫のミニバーも子どもがお酒を引っ張り出して戻せず、課金された経験が何度か。取り出した時点で課金になるタイプの冷蔵庫の場合、注意が必要です。
福井さん:子どもが触っちゃった話でいうと、ホテルのセーフティーボックスもご注意を。たいてい低い位置に置かれているので、子どもは面白がって暗証番号用のボタンを押して遊びがちです。ロックがかかって開かなくなり、何度スタッフを呼んだことか…(苦笑)。これは触ってはいけないもの! としっかり教えてあげましょう。
――バスルームなど水回りはいかがでしょうか?
バスルームには危険がいっぱい。きちんと座らせて、目を離さずに 写真提供/地球の歩き方
日隈さん:バスルームでは、まずはお湯の温度に注意です。特に海外は蛇口のひねり具合が日本と異なるので、日本のつもりでひねると熱湯が出ることも。しかも、いきなり頭上のシャワーから熱湯が! なんてこともあるので、まずは親が温度調整をしてから子どもをバスルームに入れたいですね。
福井さん:シャンプーなどですべって頭を打つと怖いので、きちんとバスタブに座らせて洗ってあげてください。立ち上がって水遊びをしちゃうと、シャワーカーテンを飛び越えてバスルーム中が水浸し・泡だらけなんてこともしょっちゅうです。まずは、座らせましょう。
――おねしょやオムツの処理はどうしていますか?
福井さん:おねしょは、ベッドにバスタオルを敷いてもそこにしてくれるとは限らないので、あらかじめ大きめのおねしょシーツを持参するか、就寝用のおむつをはかせるのが最善ですね。
日隈さん:おむつは客室のゴミ箱に捨てても問題ありませんが、ニオイがもれないよう厳重に包みましょう。海外ならチップを多めに残す、国内ならひと言メッセージを書き残すなどしたこともあります。
福井さん:また、赤ちゃんならベビーベッドを事前リクエストしておくことも重要。幼児と添い寝する時も、ママとパパの間に挟んで寝ても、親を乗り越えてベッド下に落ちることがあります。ベッド周りにベッドカバーをはがして敷き、その上に予備の毛布を重ねておけば少しは安心ですよ。
■赤ちゃん連れがプール・レストランで注意すべき「服装・食事」
――レストランやプールなどでの注意事項を教えてください。
福井さん:離乳食時の赤ちゃんなら、食べなれた市販の離乳食を持参するのがおすすめ。荷物になっても回数分を持参して、滞在先で初めて口にするものがないように気をつけています。特に海外では、病院に連れて行くのも大変なので、日本で食べ慣れたものを食べさせましょう。
赤ちゃんの離乳食は、荷物になっても持参するのが安心 写真提供/地球の歩き方
日隈さん:1歳でハワイ旅行に行った時は、現地のものがまったく食べられなくて…。日本から持参したベビーフードばかり食べていました。お湯を沸かしたり、哺乳びんを湯煎したり、キッチンがあるとなにかと便利なのでコンドミニアムに宿泊していました。
福井さん:食べ物アレルギーがある子どもと海外リゾートに行く場合は、メニュー名だけでは判断つかないので「Google翻訳」などの翻訳アプリを使って、レストランのスタッフにアレルギーの有無を示すのも有効。「子どもは卵アレルギーです」など現地語表示した画面をそのまま見せれば理解してくれます。
日隈さん:哺乳びんの湯煎が面倒なママは、最近では使い捨て哺乳瓶や使い捨てスタイも優秀なものがあるので、旅行を機にトライしてみるのもいいかも。震災用に備蓄するママもいると聞くので、震災&旅行用により良いものを普段から見つけておくといいですね。
福井さん:ホテルのプールでは、水着の下に水遊び用のおむつをはかせましょう。あとは、食後すぐのプール遊びは避けること。水が口や鼻に入ってむせるとその勢いで吐いてしまうことも…。おう吐した時は、きちんとホテルスタッフに申告しましょう。
子どもはプールが大好き! プールの充実度合いで宿を選ぶのも手 写真提供/地球の歩き方
――リゾートならではということで、子どもの服装で注意したり、逆に楽しんでいることはありますか?
福井さん:寒くなくても必ずフード付きのパーカーを持参しています。肌寒い時、お昼寝の時、急な雨などパッとフードをかぶせることができると便利ですよ。ただし、フードが引っかかって思わぬ事故につながることもあるので、必ず子どもからは目を離さないように。
日隈さん:虫が多い季節やエリアではなるべく肌の露出を避けたり、日焼け対策には帽子やラッシュガードが必須です。ビーチやプールは日差しが強いので子ども用サングラスもいいですね。また、ハワイやグアム、沖縄では、母娘でおそろいの洋服を買えるショップが多いので、リゾートワンピでリンクコーデを楽しむこともあります。
目立つ色のラッシュガードは、目印にもなって効果2倍 写真提供/地球の歩き方
■赤ちゃん連れリゾートあるある「病気に忘れ物、船酔い…トラブル続出!?」
――旅先で思わぬトラブルに巻き込まれたことはありますか?
福井さん:プールに浮かぶ葉っぱを取りたかったようで、子どもがプールにドボン! 私は、ちょうど荷物をまとめていた最中で、やはり1秒たりとも目を離してはいけないな…と反省した出来事でした。勝手がわからない旅先では、いつも以上にママかパパのどちらかがきちんと子どもを見ていないとダメですね。
ビーチやプールでは溺れないようにしっかり見守ろう! 写真提供/地球の歩き方
日隈さん:バリ島のプール付きヴィラに宿泊した時、2歳の子どもがプールで遊んだあとに突然の高熱を出しました。その時は原因不明でしたが、たぶんプールの水にあたったのでは? と。ウブドの山奥で病院に連れて行くこともできず、スポーツ飲料を飲ませながら一晩寝たら熱が下がっていました。
あの時の怖さや、とても不安だったことを、今でも鮮明に思い出します。それ以来、スポーツ飲料の粉末や熱冷ましのシートは旅の必須アイテムになりました。
また、1歳のハワイ旅行の時は、子どもが小さかったのでレンタカーを借りてドライブへ。久しぶりの海外旅行にテンションが上り、親のペースで動いていたら、子どもが車内でおう吐…。無理をさせたんだなと旦那と猛省しました。以来、親のペースで旅程を組まないよう注意しています。
――ママ・パパ自身がトラブルに巻き込まれた経験はありますか?
福井さん:タクシーのトランクにベビーカーを積んで忘れたことが…(苦笑)。降りた時はまさか! と思いましたが、運転手さんが気づいて戻ってきてくれて。赤ちゃん連れ旅行は、本当に荷物が多いので忘れ物をしないよう、荷物の個数を常にカウントする癖をつけるといいですよ。
日隈さん:オーストラリアのハミルトン島に行った時。グレートバリアリーフを見るために船に乗ったのですが、揺れが激しくて旦那も私も完全に船酔いしてしまって…。
正直、子どもを見ている気力・体力もなくて、かなりしんどかった苦い経験があります。海外リゾートだと親のほうがテンションが上がってしまって、熱中症になった、おなかを壊した、なんて話もよく聞きます。子どもはもちろんですが、まずは親の体調管理を万全に旅行を楽しみたいですね。
■赤ちゃん連れリゾート、それでも楽しい理由は?
――赤ちゃん連れだからこその、リゾートの楽しみ方を教えてください。
福井さん:経験上おすすめするリゾート旅の1日の旅程はこんな感じです。
・日が高くなる午後は、水族館やショッピングセンターなどの屋内施設へ。
・ランチ後、子どもが疲れてお昼寝してくれる間にショッピング。
・一度ホテルに戻って荷物を置いて、子どもの機嫌がよかったらもう1カ所観光へ。
赤ちゃん連れリゾート旅なら、観光は1日1〜2カ所くらいがちょうどいいと思います。
屋内施設もうまくプライニングに加えて 写真提供/地球の歩き方
――それプラス、ママとパパがリゾート旅を楽しむ方法は?
日隈さん:子どもが昼寝をしている間はパパに見てもらって、ママは買い物やエステに。子どもとママが夜早く寝たあと、パパはバーに飲みに行くなど、交代で“ひとり時間”を楽しむのもホテルが充実しているリゾート旅の良さかもしれません。
――最後に赤ちゃん連れリゾート旅デビューするママたちへ応援メッセージをお願いします。
親も行きたい!子どもにも見せたい! No.1の海はやっぱりハワイかも 写真提供/地球の歩き方
福井さん:旅行中はせっかく来たのだからと無理してスケジュールをつめ込みたくなりますが、赤ちゃん連れは“あきらめも肝心”です! 目的地に無事に着いて、無事に帰ってくることが第1目標というくらい優しい目標設定にして、ゆったり家族で楽しんでください。
家族がひとつになれる思い出作りに出かけよう 写真提供/地球の歩き方
日隈さん:赤ちゃん連れ旅行は正直賛否がありますが、家族みんなが笑顔になって忙しい日々をリフレッシュできるような旅であれば、ぜひ出かけてもらいたいです。そのためにも、あれこれしたい欲望はいったん置いて、まずは赤ちゃんの負担にならない予定づくりを心がけましょう。
初めての子連れ旅に不安もあると思いますが、ガイドブックを読んだり、クチコミを見たりして準備をしっかりしておけば大丈夫! 子どもが大きくなってからも写真を見返して盛り上がったり、家族旅行はかけがえのない思い出にきっとなるはずですよ。
地球の歩き方MOOKハンディ『海外子連れ旅★パーフェクトガイド!2019』
子どもを連れて海外旅行をするためのノウハウを凝縮した1冊。準備から出発、帰国後の思い出作りまで時系列に発生する不安に、子連れ海外旅行経験者約100名と各ジャンルのスペシャリストが回答。さらに子連れ海外旅行経験のある編集スタッフが選んだ、家族に優しい13エリアの旅先ガイドも付いている。
定価:本体890円+税
発行年月日:2018年5月31日【Amazonで絶賛発売中!】
取材・文/山田裕子
(ライターチーム123)
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