男のプライドがズタズタに? 夫を見下す「バリキャリ系モンスターワイフ」【リアル・モンスターワイフ、再び 第19回】
Woman.excite / 2018年7月7日 16時0分
夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。
ⓒ beeboys-stock.adobe.com
今回からは、別種の新型モンスター「バリキャリ系モンスター」をご紹介していきましょう。「寿退社」という言葉が死語となり、結婚してからもフルタイムで働く女性は増加中です。
そして、ぶち当たる仕事と家庭の両立。専業主婦で家にいることができたら、掃除も料理ももっと手をかけられるのにと満員電車の中で考える。家事にかける時間がない、体力がない。ぐったりしながらも家事をする妻の姿を見ても夫は「あーー疲れた」とゴロンとしている。妻の社会での活躍が広がるほど、離れてしまう夫婦の溝。
これだけ女性の社会進出が進んでも、「男のプライド」が社会の変化に追いついていないことに気づいている方も多いのでは。そこを意識しながら夫に向き合わねば、毎日プチケンカが勃発します。そのストレスはいつの日か噴火するはめに。
「仕事では達成感があるけど、プライベートが犠牲になってしまった」。そんなことにならぬよう、今回からご紹介するエピソードを参考にしてください。
■昇給も昇進も夫を追い越し…仕事人モンスターワイフ
「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」代表:絵里奈(仮名)35歳の場合
夜10時。「走れるパンプス」の靴音をカツカツと響かせながら、絵里奈は家路を急いでいた。チークなど塗っていなかったが、そのほほは満足げに上気している。彼女がリーダーを務める一大プロジェクトのプレゼンの資料がついに完成したのだ。上出来だ。明日のプレゼン成功は間違いない。
「ただいまぁ」
リビングのドアを開けると、夫の茂樹はビールを片手にぼんやりテレビでボクシングを観ていた。
「またソファでダラダラと…。洗濯物、たたんでおいてくれればよかったのに」
先週もそのことで衝突したばかりだった。「洗濯物は絵里奈の担当じゃないか」と言われ、「でも、私は今忙しくて茂樹はヒマなんだから、そこは臨機応変に対応してよ」と言い返すと、秀樹は自分の部屋にこもってしまったのだ。同じケンカは避けたい。絵里奈は気を取り直してたずねた。
「夕飯、どうしたの?」
「ああ、後輩にバッタリ会って、一緒にいつもの店で食べて来た」
“いつもの店”というのは、茂樹が最近よく利用しているカジュアルなイタリアンレストランだった。テイクアウトもできて、サラダは絵里奈もお気に入りだ。
「それなら私にもサラダ買って来てくれればよかったのに。あそこのサラダ、好物って知ってるでしょ」
おなかもすいていたので思わずそう言うと、茂樹は面倒くさそうにため息をついた。
「一体、何なの? いつから、私たちはこんな風になってしまったんだろう…」
■妻の成功の陰で、夫は新人同僚女性と…
都内の一流と言われるメーカーに同期入社した2人。ともに上昇志向が強く、互いに刺激し合える関係だった。この人となら切磋琢磨(せっさたくま)し合っていけると思い、絵里奈は結婚を決めた。
それなのに…私は何も変わっていない。今でも日々、全力で努力している。対して、茂樹は変わってしまった。覇気のない緩慢な動作。昇給も昇進も、私がすっかり彼を追い越してしまった。
いけない。絵里奈はハッとわれに返った。2人のことに頭を悩ませている場合ではない。明日は大事なプレゼンなのだ。冷凍食品でおなかを満たしたら、明日のシミュレーションをしなくちゃ。
「私、明日プレゼンなの。もうちょっと起きて準備するから、今夜は自分の部屋で寝る」
そう言い残して、絵里奈はリビングをあとにした。仕事が忙しくなり始めた頃、絵里奈は自分の部屋用にソファベッドを買っていたのだ。
翌日、プレゼンは大成功。絵里奈は満足感でいっぱいだった。スマホを取り出し、ニッコリする。
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「今夜は外食しよう。私のおごり!」
茂樹にメッセージを送った。ところが…。
「ごめん。今夜は飲み。週末埋め合わせする」
絵里奈は心底がっかりした。妻が大仕事を終えたその日に、飲み? もうちょっと気を利かせてよ…。トボトボと家路についた絵里奈だったが、駅前まで来て驚くべき光景を目にした。
茂樹が若い女の子と歩いている。あれは…確か入社2、3年目の、総務の池田さんだ。A4サイズの書類など入らない、かわいらしい小ぶりなバッグ。走ることなどできそうにないハイヒール。「愛されOL」を絵に描いたような池田さんが、ふんわりと巻かれた髪をゆらしながら、夫の隣で微笑んでいた。
そっとあとをつけてみた絵里奈。小洒落たワインバーに入っていく2人を見届け、しばらくその場に立ち尽くしていた。
■ついに夫が大反撃! バリキャリモンスターの行く末は?
「結局、茂樹もポーッとした若い子が好みだったのね。知らなかったわ。あの子たちって、『〇〇じゃないですかあ…』って甘ったるい話し方するでしょ。ばっかみたい」
茂樹が帰宅するなり、絵里奈は冷ややかにそう切り出した。一瞬驚いたように目を開いたが、茂樹はすぐにいつものムスッとした顔に戻った。
「彼女…総務の池田さん、彼女がうちの部署用に作成した書類に不備があって、そのフォローを俺がしたんだよ。それで、お礼をさせてくださいって言われて」
「なるほどねぇ。デキない女ほどかわいいってことかしら。男にフォローしてもらえておトクよね」
茂樹はドスンとテーブルをたたく。
「いい加減にしろよ!」
珍しく声を荒げた茂樹に、絵里奈は固まった。
「いつもいつも、人を見下したような態度で。うっとうしくて仕方ないんだよ! おまえより給料低くて悪かったな。これからもどんどん稼いでくださいよ、奥さん」
仕事では絶好調なものの、夫婦仲に暗雲が立ち込め始めた絵里奈さん。一体なぜ、こんな状況に陥ってしまったのでしょう?
絵里奈のように、仕事に精を出している皆さん。プライベートは大丈夫ですか? 上から目線の言葉を、夫に投げかけていませんか。
次回でご紹介するチェックテストで、あなたの「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」度をチェックしてみましょう。
(三松真由美)
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