自由研究は「科博初の大型昆虫展」で決まり! 日本初で“知りたい欲”を刺激する
Woman.excite / 2018年7月13日 23時0分
昆虫を愛する子どもたちはもちろん、夏休みの自由研究に頭を悩ませているママたちにも朗報! 7月13日(金)から国立科学博物館(科博)で特別展『昆虫』が開催されています。
実は、科博で大型の昆虫の特別展が開かれるのは初めての試み。日本初の展示も数多くあるのこの特別展、PR担当の中里弘毅さんに、展示の特徴や子連れで見る注目ポイントを取材してきました。
来場するともらえる会場マップは昆虫の日常を独特のタッチで描いた『ゆるふわ昆虫図鑑』でおなじみのじゅえき太郎さんが作成。クスッと笑えるイラストが満載で、お土産として持ち帰りたくなります。裏側には「愛を叫んで昆虫に変身! ARコンテンツ」のQRコード付き
■常識をくつがえす「昆虫展を国立科学博物館で開催」の意味
絶滅したアリエノプテラ目の標本を日本初公開! 奇跡的に琥珀に閉じ込められた状態で発見されたのだとか
「科博で開催するからには、昆虫マニアの大人も満足できるクオリティにしなければならい、でも同時に、子どもたちにとっても楽しくわかりやすくすることにこだわりました」と話すのは、特別展『昆虫』のPRを担当するフジテレビの中里弘毅さん。実はこれまで昆虫にはほとんど触れる機会がなく、子ども時代に昆虫採集をした経験も皆無だというから驚きです。
でも、今回の準備を通して知れば知るほど昆虫に興味を持ち、今では自宅でカブトムシを飼っているのだそう。「昆虫の種類は、現在確認できているだけでも100万種類。地球上にいる生物の半分以上が昆虫で、実際はその数倍もの数が生息していると言われているんだそう。私たちがまだ知らないことがたくさん残されているなんて、ロマンがあると思いませんか?」と熱く語ってくれました。
今回、中里さんは研究者に同行してマダガスカルへ行き、新種と思われる昆虫を発見することに成功しました。「でも、新種を見つけてすごいでしょ! とアピールしたいわけではないんです。昆虫の新種は世界中にいますから、難しいのはどれが新種なのかを判別する知識を持つこと。今回の展示を通して、私のように昆虫に触れてこなかった人にも魅力を知ってほしい。そのきっかけになればと思っています」(中里さん)。
今回発見された新種(未記載種)。8月12日までに来場してキャンペーンに応募し選ばれた人の名前をこの昆虫につける企画も実施している。(c)丸山宗利
■約2mの巨大模型、5万点以上の標本に圧倒!
館内は5つのゾーンに分けられ、昆虫について体系的に学べるように工夫されています。なかでも筆者が興味を持ったのは、昆虫の歴史や体のつくりを学ぶゾーン。目玉はクワガタ、セミ、チョウなど5体の「巨大模型」で、その大きさは全長2メートル!
「昆虫は小さいので、ふだんは細かいところまでは見えないですよね。でも巨大化することで、体の表面はどうなっているか、触角はどんな形をしているのか、まで観察できるんです」と中里さん。その大きさに驚いたり、クイズを出し合ったりと、楽しみながら親子で学べそうです。
5万点近い昆虫標本が並ぶ「標本回廊」も必見です。「ブローチにしたくなるような美しい昆虫もいれば、見たことがない奇抜な形の昆虫もいる。でも、美しい色にもヘンテコなツノにも、ちゃんと理由があると言われています」(中里さん)。
頭にタケコプターのようなツノが付いているヨツコブツノゼミ。(C)丸山宗利
自由研究に活用しやすそうなのが、昆虫の生態をテーマにしたゾーン。例えば、ひとくちに「食べる」と言っても、なめる、かむ、吸うなど昆虫の種類によってさまざまな方法があります。口の形を観察しながら「この昆虫は食べ物を吸いながら食べるんだね」などと学ぶことができます。
「外敵から身を守るために、自分の体の色や形を他のものに似せることを“擬態”というんですが、その方法が昆虫によっていろいろあって面白いんです。また、身を守るために、甘い蜜を出すことでそれを好む強い昆虫に守ってもらう昆虫もいるんですよ」(中里さん)。これまでに知らなかった昆虫たちの暮らしぶりを知ることで、子どもの興味もどんどん広がりそうですね。
また、最新のテクノロジーを活用しているのも今回の特長。昆虫の映像を360度回転させて手に取るように観察できる「3D昆虫」や最新技術を活用したCTスキャン画像の展示もあり、昆虫にくわしい子どもにとっても勉強になる内容です・
カブトムシのマイクロCTスキャン画像(上)と再構成された3D画像(下) 協力:島津製作所
■昆虫のプロが明かす「昆虫採集のテクニック」丸わかり!
「最近は昆虫採集をする子どもが少なくなっていると聞きます。でも、都会の公園にだって昆虫はいっぱいいる。標本を見るだけでなく、外に出て生きた昆虫に触れてほしいんです」と中里さん。その思いを込めて、展示の最後には昆虫採集のテクニックを学べるソーンが設けられています。
「例えば、黄色い皿を置いておくだけで、昆虫は花と勘違いして飛び込んでくるんですよ。また、迷彩色でぬったペットボトルにバナナを入れて数日間放置しておくと、クワガタを捕まえられる。実は昆虫の専門家も、こうした単純なトラップを使って昆虫採集をしているんです」。会場には昆虫採集グッズや標本の作り方などの展示があり、学んだことがすぐ実践につなげられます。
さらに、子どもの理解を深めるために、ぜひおすすめしたいのが音声ガイドの活用。オフィシャルサポーターを務める香川照之さんが登場し、展示内容をわかりやすく熱い言葉で伝えてくれます。実は、香川さんが企画した特別展示も用意されているので要チェック。Eテレ番組『香川照之の昆虫すごいぜ!』でマニアっぷりを披露している香川さんのあふれる昆虫愛をどのよう形でみせてくれるのか。期待が高まりますね。
すべての展示を見終わったら、気分はもう昆虫博士! 自分がどの昆虫を好きなのか、どの部分に興味があるのかなど、さまざまな発見があるでしょう。会場で見たことをまとめるだけでも立派な自由研究になりますが、できればもう一歩踏み出して、生きている昆虫にも興味を持って欲しいところ。 科博がある上野公園はもちろん、家の近所にもさまざまな昆虫が暮らしていますから、虫捕り網とカゴを持って子どもと出かけてみませんか?
私たちにとって身近なのに、まだまだ知らないことが多い昆虫の世界。今年の夏休みは、親子で「昆活」に挑戦してみませんか?
会期:2018年7月13日(金)〜10月8日(月・祝)まで開催中
会場:国立科学博物館(東京上野公園)
開館時間:9:00〜17:00(金・土曜は〜20:00)※入場は各閉館時刻の30分前まで。開館時間や休館日については変更の可能性あり。
休館日:7/17(火) 9/3(月) 9/10(月) 9/18(火) 9/25(火)
チケット料金:一般・大学生1600円、小・中・高校生600円 ※ローソンチケット限定販売の各種企画チケット(ファミリーチケット、親子ペアチケットなど)あり
・国立科学博物館 特別展『昆虫』公式サイト
(まちとこ出版社)
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