父親は家にいないほうが、子どもの学力は上がる? 驚きの調査結果が…
Woman.excite / 2018年12月2日 21時0分
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子どもが小さなうちは、自宅で勉強を見てあげる機会が多くなりますよね。わが子が集中して取り組めるよう、気づかっているママも少なくないでしょう。
自宅学習に関する、とある調査に「父親の帰宅時間が遅いほうが、子どもの学力が高い」というものがあります。父親の帰宅が遅いと、なぜ子どもの学力が高くなるのでしょう。
今回は、子どもの自宅学習について、父親不在のメリット・デメリットをあげながら考えていこうと思います。
■父親の在宅時間が短い家庭ほど、子どもの学力は高い?
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国立大学法人お茶の水女子大学が行った調査によると「父親の帰宅時間が22時以降となる家庭の子どもの学力が最も高い」という結果が明らかになったそうです。
これは「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の 専門的な分析に関する調査研究」
(国立大学法人お茶の水女子大学)というテーマで行われたもので、調査対象は無作為に抽出された公立学校に通う児童の保護者。小学6年生の児童の場合、父親の帰宅時間が22時以降(早朝帰宅を含む)になる家庭の子どもの学力が、ほかの時間帯に父親が帰ってくる家庭よりも上回っていました。
このデータからうかがえるのは「父親が自宅にいる時間が少ないほうが、子どもの学力アップにつながるのではないか」ということです。
■「父親の不在時間が長い」そのメリット・デメリット
父親の不在時間が長いと、子どもの自宅学習にどんな影響を与えるのでしょうか? メリット・デメリットを考えてみました。
まずは、メリット。妻の視点から考えてみると、夫の帰宅が遅いということは、子どもが起きている時間に夫の食事の支度やお世話などに振り回されなくてすむということです。つまり、子どものことに集中できるというわけですね。
「よし、やるぞ!」という子どもの“やる気スイッチ”は、常に同じサイクルでやってくるわけではありません。やる気満々なときもあれば「今日はやりたくない」とだらけモードなときもあるでしょう。
夫の世話に時間がとられないということは、子どもがやる気モードに入った瞬間に気づくことができ、それが継続している間、邪魔が入ることなく取り組ませてあげることができるのではないでしょうか。
また帰宅時間が遅く、日ごろわが子の勉強の様子を目にしていない父親は、子どもの自宅学習に対する発言が少なくなります。見ていないので「ああしろ、こうしろ」と子どもの学習を指図したり、文句をつけたくてもつけづらいですからね。
つまり、父親と母親で意見が分かれることが少なく、自宅学習のやり方について意見の相違が起きにくいというメリットがあると思います。
では反対に、デメリットについて考えてみましょう。
例えば、子どもの勉強が時にはうまくいかないこともあるでしょう。すると母親は「いつも仕事で家にいない、父親のせい」と責任転嫁をしやすくなってしまうことがあげられます。父親の責任ではないのに、帰宅時間が遅いことを子どもの学力が上がらない理由にしてしまう可能性があります。
また、母親が何事も思いつめてしまうタイプだった場合、子どもの学力がなかなか上がらないと、不安定になった母親の気持ちを子どもが一身に受け止めることになります。そうなると、子どもの精神的な逃げ場がなくなってしまう恐れがあるかもしれません。
■「父親の不在が子どもの頭を良くする」ではない、調査結果だけでは見えない点
調査から「父親の不在時間が長い家庭の子どもは学力が高い」という結果はわかりますが、だからといって、父親が家にいなければいないほど子どもの頭が自然と良くなるかというと、私はそういうわけではないと思います。
父親が不在は、単に母子の密着度が増し、勉強に関する考え方や対応が一本化されるので、子どもが混乱せずに取り組めるだけではないでしょうか。父親の在宅時間が長かったとしても、夫婦の意見がしっかりすり合わされていれば勉強の妨げにはならないと考えます。
例えば、毎日30分は机で勉強をさせる、リビングで一緒に勉強する時間をつくる、学習塾に行かせるなど「学力をあげるためにどんな方法をとるのか」といったことや、どんな校風の学校を目指すのが子どもに合っているかなど「具体的なゴール」を夫婦で話し合い、設定しておくのです。
目指すべきところが同じと分かっていれば、父母それぞれで対応が多少違っても子どもが混乱する事態にはならないでしょうし、共通意識があるので相談などもしやすくなるのではないでしょうか。
そして、どちらかが「がんばって!」とハッパをかけるなら、どちらかは「のんびりでいいからね」と見守る役に徹すること。役割分担をきっちりと分けて、子どもに逃げ場をつくってあげると煮詰まってしまう心配も少なくなります。夫婦それぞれの役割がバランスよく保たれているとメリハリもつき、子どもが安心して勉強に取り組めるでしょう。
上記の2つが夫婦間でしっかり一本化されていれば、夫の在宅時間の長短と子どもの学力に相関性はないように思います。
ただし、ふだんから帰宅時間の遅い夫にモヤモヤするなら、この調査結果は「うちの子はこれで学力の高い子になるかも!」と気楽に構えられる要素にはなるかもしれませんね(笑)。
働くお母さんは時間に追われますので「親が忙しいからといって子どもの勉強がおろそかになってしまうのはマズい」とあせることもあるでしょう。
でも、お母さんが気持ちに余裕をもった状態を維持することも大切。いったん手をとめ、おおらかな気持ちで「もう少し気楽にいこう」と子どもに接していくのが、一番大事なことかもしれません。
参考:
国立大学法人お茶の水女子大学
「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の 専門的な分析に関する調査研究」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
(佐藤栄子)
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